プロローグ
[ニュースアンカー] 「皆さん、お伝えするのは大変衝撃的な事件です。本日、凶悪犯二人組が刑務所を脱獄し、警察の捜査が続けられています。詳細な情報をお伝えします。」 [リポーター] 「はい、こちらが事件現場の刑務所です。剛田克己と大石啄夫という二人の容疑者が、昨晩、高度な計画と協力を駆使して刑務所から脱走しました。」 [画面上に剛田と大石の写真が表示される] [リポーター] 「剛田容疑者は刑務所内での裏組織の幹部で、大石容疑者は彼の信頼を受けて行動していました。この二人組は凶悪犯罪の数々で知られており、警察は彼らを逮捕するために全力を挙げています。」 [画面上に逃走中の剛田と大石の映像が表示される] [リポーター] 「脱獄の瞬間を捉えた監視カメラ映像からは、二人が高い壁を越え、看守たちの監視を巧みにかわして外に出る様子が確認されています。警察は、彼らの動向を追跡中で、一般市民に対しても十分な注意を呼びかけています。」 [ニュースアンカー] 「この事件に関する情報提供を求めております。もし剛田克己と大石啄夫の行方に関する情報をご存知の方がいらっしゃいましたら、すぐに警察に連絡してください。この事件は迅速な解決が求められ、公共の安全を確保するために全力で取り組まれています。」 [画面上に警察の連絡先が表示される] [リポーター] 「再度、剛田克己と大石啄夫両容疑者に関する情報提供をお願い申し上げます。事件の進展については、引き続き報道いたします。」 [ニュースアンカー] 「ご視聴いただき、ありがとうございました。」脱獄犯、天帆邸に押し入る。
「な、何なんですか!あなたたちは!?」
「お嬢ちゃんよぉ~? 命が惜しかったら大人しくしな!」
「手荒な真似はしねーからよ!」
「いやっ! た…助けてッ!!」
住宅街にある天帆邸に押し入った脱獄犯の剛田と大石は、一人で留守番をしていた娘の美空を縛り上げて監禁。邸内を物色し始めた。
「さすが高級住宅街。金目の物がわんさか置いてあるぜ。さてと、そろそろ引き上げるか…」
「えぇ~!? 兄貴、このお嬢ちゃんと少しばかり遊んで行かないんですかい? 俺、ここ最近若い女とはだいぶご無沙汰なんスよ」
「バカヤロウ!! こういうのは時間との勝負なんだ! グズグズしてるうちにサツに勘づかれて駆けつけて来られたらどうする! 女と遊ぶ機会ならこれからいくらでもある。そのお嬢ちゃんは諦めな!」
「そんな…せっかく捕まえたのに勿体ない…」
縛られて身動きのとれぬ美空に如何わしい行為に及ぼうとしたものの、兄貴分の剛田に制止され、未練タラタラながら諦める大石。
「…という訳だお嬢ちゃん。運がよかったな。頂くもんは頂いたんで、これで俺たちはズラからせてもらうぜ♪ あばよ!!」
「んんーっ!! んむむぅぅーっ!!」
そして約一時間後…。
天帆邸に美空の大学での親友である星愛怜美花が訪ねてやって来た。「今日は両親が用事で留守で寂しい」からと美空に家に誘われる形で呼ばれていたのだ。しかしいくら玄関の呼び鈴を鳴らしても、家の中からは全く反応がない。不審に思った怜美花がドアノブを握ると……
「あれっ? 玄関の鍵が開いてる??」
恐る恐る家の中へと足を踏み入れた怜美花が、リビングルームで見たものとは!?
「美空、入るわよ……。えっ!?うそっ!! 美空ッ!美空大丈夫ッ!?」
「んんー!! んんー!!」
女子大生探偵・美空
幸いにして怜美花に助けられ、どこも大した怪我はしていなかった美空は、数日後にはすっかり元気を取り戻していた。しかしまだあの脱獄犯の2人組は捕まっていない。
「このままだとやられっぱなしで悔しい! なんとかあの犯人を捕まえる方法はないものかしら?」
そんな風に物思いにふけりながら、美空は今日も日課である早朝のジョギングをしていると、偶然にも近くを見覚えのある男が通りかかった。忘れもしない! 数日前に自宅に押し入り留守番をしていた自分を縛り上げたあの脱獄犯の片割れだ!
「あの男は!? よぉーしッ!」
美空は好奇心半分で男の尾行を開始。脱獄犯の隠れ家が近所にある無人の廃工場にあることを突き止めたのだ!
「あれっ、美空じゃないか?」
「あっ! 奏陽くん!? ちょうどいいところに来た! こっちこっち!」
織市奏陽―――美空がマネージャーを務めている大学陸上部の部員で、彼女とは幼い頃からの幼馴染である。たまたま彼も、美空と同じジョギングコースを毎朝走ることを日課としていた。美空は奏陽に事情を説明する。
「何だって!? すぐに警察に知らせよう!」
「警察が来るのを待ってたら、せっかく見つけた脱獄犯をまた取り逃がしちゃうわ! 私たちだけでも中に入って犯人がどこの部屋にいるのか見つけましょう!」
「正気かよ!? 危険だ! やめた方がいい! ここは警察に任せるべきだ!」
「怖かったら無理について来なくてもいいのよ。それじゃあわたし一人だけでも先に中に行くわ!」
「……ハァ、やれやれ、分かったよ。俺も付いて行くよ。でも絶対に無茶だけはするなよ。危ないと分かったらすぐに逃げるんだ」
「うん、分かった」
こうして大学生カップルの即席素人探偵コンビは、廃工場の中へと潜入することになった訳であるが、果たして中ではどのような危険と罠が待ち受けているのであろうか?
つづく。
コメント
くぬぅ~(# ゚Д゚)
脱獄犯となると否が応でも、かのグリッドマンの名作「一平、ちびる!?」な展開を期待していたというに~・・・(´;ω;`)
しかしながら、美空ちゃんをしっかりと猿轡付きで縛り上げてくれたのは、及第点としましょう(^▽^)/
この後に望むのは、「探偵ごっこは終わりだぜ。リア充なお二人さん( ̄ー ̄)ニヤリ」な展開なのですが、果たして果たして・・・
そもそも、この脱獄犯2人は絶対に只の人間でないか、背後にサイバー関係にも強そうな人知を超えた存在がいると勘繰ってしまうのは、考えすぎでしょうか・・・?
> 脱獄犯となると否が応でも、かのグリッドマンの名作「一平、ちびる!?」な展開を期待していたというに~・・・(´;ω;`)
いやいや、当ブログで「失〇」「お〇らし」な展開はやりませんよ?(;^_^A アセアセ・・・
> そもそも、この脱獄犯2人は絶対に只の人間でないか、背後にサイバー関係にも強そうな人知を超えた存在がいると勘繰ってしまうのは、考えすぎでしょうか・・・?
いえ、剛田と大石は至ってごく普通の人間の犯罪者です。今回はリアル寄りのストーリー志向で人外的なキャラは出さない方向で行きます。大石が縛られた美空ちゃんにイタズラしようとして兄貴分の剛田に咎められるシーンがありますが、実はあそこで「ですが兄貴、ここであっさり帰ったらブログの閲覧者たちがガッカリしやすぜ?」「コラッ、そういうメタ発言をするんじゃねぇー!!」みたいな2人の台詞を挿入するつもりでしたが、ストーリーの雰囲気が壊れると思ったので寸前で思い留まってやめました。
よせばいいのに奏陽君も巻き込んで素人探偵を始めた美空ちゃんですが、次回以降二人そろって捕まって縛られてる図が容易に想像できますw今回は普通の刑事犯が相手ということで、優姫刑事&侑衣梨婦警のコンビが活躍することになるのでしょうか。
> 今回は普通の刑事犯が相手ということで、優姫刑事&侑衣梨婦警のコンビが活躍することになるのでしょうか。
↓侑衣梨婦警はもう捕まっちゃってますが、こうなった以上は優姫刑事の登場も不可避でしょう。ご期待ください。、
https://okamenogozen.com/datsugokuhantonotaiketsu-part2/
脱獄犯の剛田と大石が忍び込んだのは…
今回被害に遭うヒロインに選ばれたのは、美空ちゃんでしたか、
1人留守番しているところを狙われ、なんとも運がない…
>「えぇ~!? 兄貴、このお嬢ちゃんと少しばかり遊んで行かないんですかい? 俺、ここ最近若い女とはだいぶご無沙汰なんスよ」
急ぎじゃなかったら貞操の危機だった美空ちゃん、大石1人だったら危なかったですね~、兄貴分の剛田が冷静な男で助かりましたね、
そして縛られたまま放置されるも、訪ねてきた怜美花ちゃんに助けられ、ものを盗られるだけで、恐い思いはしたけど、怪我無くなんとか無事で済んだ美空ちゃん、とりあえず良かった、後は警察に…
>「このままだとやられっぱなしで悔しい! なんとかあの犯人を捕まえる方法はないものかしら?」
はぁ…なに考えてんのさ!?
そして運よく(?)強盗犯の1人をジョギング中に見つけてしまった美空ちゃん…
おい、待て、早まるなド素人…
>「あれっ、美空じゃないか?」
>「あっ! 奏陽くん!? ちょうどいいところに来た! こっちこっち!」
あーあ、道連れが…
ここで冷静な怜美花が説得を試みるも聞く耳もたない頑固な美空ちゃん、仕方なく奏陽くんも探偵ゴッコに付き合うことに…
報道部レベルならともかく、武闘派とは程遠い美空ちゃんと、運動やってるとは言えド素人の奏陽くん、もうアカンフラグが立ってますよ…
まあDID展開を期待する身としてはありですが、まったく気が強すぎるのも問題ですね、これは怜美花ちゃんも巻き込まれそうですね、
片割れの脱獄犯は女好きのようですし、色々心配ではありますね、野郎の奏陽くんの扱いとかも、
>今回は普通の刑事犯が相手ということで、優姫刑事&侑衣梨婦警のコンビが活躍することになるのでしょうか。
最終的にはそれも期待ですね、とりあえずは侑衣梨ちゃんがドジって捕まるところも含めて。
> まあDID展開を期待する身としてはありですが、まったく気が強すぎるのも問題ですね、これは怜美花ちゃんも巻き込まれそうですね、
管理人も怜美花ちゃんを巻き込みたいですね( ̄ー ̄)ニヤリ
美空ちゃんが奏陽くんと廃工場の中に潜入する直前に、携帯で怜美花ちゃんに「この間の脱獄犯を見つけたの! すぐ来て!」と電話をかけているかもしれません。
怜美花ちゃんには「ちょうど美空ちゃんから呼び出しの電話がかかって来た時、部活の朝練に参加していた」とかの理由でバドミントンウェアを着ていてもらいましょうか。
> 最終的にはそれも期待ですね、とりあえずは侑衣梨ちゃんがドジって捕まるところも含めて。
もう最初から捕まってたりして…💦
↑コマンドでミスった、「ここで冷静な怜美花」じゃなくて「冷静な奏陽くん」ですね、コメント書き込む時コピペとかしてミスると修正出来ないのが難点ですね