ブラックマフィア―――それは、おかめ党などの生ぬるいやり方とは違い、急ぎ働きすら辞さない危険で凶悪な黒い誘拐団のことである。その犯罪組織がついに日本に上陸。天岸アンジェリカ愛優美の誘拐を画策しているとの情報を得た検非違使は、孝森祐宜と椿姫絢那を愛優美の警護のために派遣するが……。
テニスコートの罠
県立自然公園のテニスコートにやって来た天岸アンジェリカ愛優美、椿姫絢那、孝森祐宜の3人。いつ何時ブラックマフィアの襲来があるかと警戒しながら、長い間天岸邸に事実上の引きこもり状態だった愛優美だったが、たまには新鮮な外の空気を吸う必要もあるとして、祐宜が反対する絢那を説得して彼女たちを連れ出したのだった。
「正直、私は今でも反対です。こんなところでブラックマフィアの襲撃があったら、先輩はどうするつもりなんですか!?」
「相手はあのブラックマフィアや。自宅にいたからいうて安全とは限らへんやろ?」
「それはそうですけど…」
「たまには気分転換も必要や。それに見てみい。愛優美ちゃんも楽しそうやないか」
愛優美の父・天岸博士は巨大ロボット工学の世界的権威である。もしその娘である愛優美の身柄がテロ組織などの悪の手に落ち、父親である博士を脅迫する材料にでも使われれば、極東の軍事バランスに著しい悪影響をもたらすだろう。
「祐宜さん、絢那ちゃん、今日はテニスに連れて来てくれてありがとう♪」
「それじゃあ準備も出来たことだし、そろそろ始めよか? ワイは審判を務めさせてもらうで」
「そうですね。それでは愛優美さん、今日は一日よろしくお願いします」
しかし、しばらくサーブを打ち合っていたところで、つい絢那が強くサーブを打ち返し過ぎて、ボールがフェンスを越えて林の向こうに飛んで行ってしまった! 検非違使としての訓練を受けている絢那は、常人とは腕力が桁違いに強いことを考慮に入れるのをつい忘れてしまっていたのだ。
「あっ、ボクが拾ってくるよ!」
「いけません愛優美さん! 一人で勝手に動いては!?💦」
「アカン!? 彼女を止めるんや!!」
一人でボールを探しに林の方に行ってしまった愛優美を慌てて追いかけた祐宜と絢那だったが……。
「んんーっ!! んんーっ!!(何をするの!? 放してよー!!)」
「このガキ! 大人しくしろッ!!」
時すでに遅し。愛優美は怪しい男たちに捕まっていた!
「何者や!? オッサンたちは!?」
「愛優美さんを放しなさい!!」
「お前たちはこの娘をボディーガードしてた検非違使だな? ちょうどいい。お前たちも俺たちと一緒について来てもらおうか!」
「下手な動きをすると、このお嬢ちゃんの命はないぜ!」
「くっ…!!」
愛優美を人質に取られてはどうすることも出来ず、祐宜と絢那も一緒に捕まってしまうのだった。
絶体絶命大ピンチ
「んっ、んんっ、んんーっ!!」
「んむむぅぅー!! んむぐぅぅー!!」
愛優美と絢那の二人は、縛られた状態で暗く冷たい地下室へと放り込まれた。
その一方で祐宜はというと?
「さてと兄さん、生憎だが俺たちは野郎には用はないんだ。てめえにはここから奈落の底に落ちてくたばってもらうぜ!」
「くそっ! 放さんかい!! こんなところでやられてたまるかよ!!」
果たしてこのまま祐宜は崖下へと突き落とされてしまうのか!?
――って、いやいや、このままでは検非違使の二人がただの無能なポンコツで終わってしまう💦
勿論そんなことはございません。崖下にはすでに楓子がスタンバイしており、落ちて来る祐宜を安全にキャッチできる準備は整っております。どうやらこうなることも祐宜にとってはあらかじめ計算通りだったようです。これから検非違使のブラックマフィアに対する華麗な反撃が始まる訳ですが、それは皆様のご想像にお任せします。
コメント
ブラックマフィア・・・これで終わりでないこと祈ります。なかなか本格的な組織ですな(おかめ党が生ぬるいとは言っていないw)
おかめ党が主導する誘拐作戦のシナリオでは、人質の安全が最初から保障されているせいかどうにも緊張感に欠け、下手をすると日常ほのぼのすら超えてギャグに走ってしまうんですよね💦 そこで代替え策として、急ぎ働きすら辞さない設定の凶悪犯集団をご用意しました( ̄ー ̄)ニヤリ 今後セミレギュラー化して行く予定です。
まさか京都検非違使は二連荘くるとは思いませんでしたね、今度は愛優美ちゃんの護衛、推しきたよ!
彼女を狙うのは極悪非道の国際犯罪組織、その名もブラックマフィア!
…黒いマフィア…どこぞ子供名探偵のところの組織みたいな名前だ…ほら、なんかもっと変わった名前とか…毒ヘビ暗〇団とか…
だが、部屋の中で大人しくじっと出来るはずのない愛優美ちゃんが外に出たいと言い出し、どこか緊張感のない祐宜くんがそれに同意、そして反対していた絢那ちゃんも押しに負け、息抜きにテニスに行くことに。
まあ、家に居れば安全とは限りませんが、外の方が圧倒的に守りにくいんですよね、リコリコの2人ですら手こずるぐらいですからね。
案の定、絢那が馬鹿力で(失礼な)返してし、コート外へ吹っ飛ばしてしまったボールを、犬のようにとりに行く愛優美ちゃん、柵を越えて逃げ出した兎が森に出るとどうなるか…ほら狼がいた。
あっさりと愛優美ちゃんがブラックマフィアの手に落ち、愛優美ちゃんを人質にとられ検非違使たちも捕らわれの身に、まったくなにやってんだか…が、グッジョブ、そのゆるゆる護衛が、愛優美ちゃんと絢那ちゃんの緊縛絵のお披露目となりましたね~、愛優美ちゃんは人質として使うとして、絢那ちゃんは…ぐへへ(オイ
そして、野郎は…
>「さてと兄さん、生憎だが俺たちは野郎には用はないんだ。てめえにはここから奈落の底に落ちてくたばってもらうぜ!」
うんいらんわ、さようなら祐宜くん、君のことは一週間ぐらいは覚えておいてあげるよ、
あれ?そう言えば誰かいないような気が…
>崖下にはすでに楓子がスタンバイしており、落ちて来る祐宜を安全にキャッチできる準備は整っております。
ですよねー、やっぱり、あれこそが最強の護衛でしょうからね~、それと今回の事は祐宜くんの計算通りのようで、どこの辺りからこれを考えていたのか、愛優美ちゃんが外へと出たいと言い出したところからでしょうか、そうだとしたら随分危険な賭けにでたものですね、でもこれでふざけた名前のマフィアを一網打尽にすることも考えているのでしょうね、ちなみに絢那ちゃんも自力で縄を解き、愛優美ちゃんと共に逃げてるところでしょうね、彼女の術を使って戦うところも見てみたいですね。
> ですよねー、やっぱり、あれこそが最強の護衛でしょうからね~、それと今回の事は祐宜くんの計算通りのようで、どこの辺りからこれを考えていたのか、愛優美ちゃんが外へと出たいと言い出したところからでしょうか、そうだとしたら随分危険な賭けにでたものですね、でもこれでふざけた名前のマフィアを一網打尽にすることも考えているのでしょうね、
孝森祐宜―――ああ見えて、ミラージュXとはまた別の意味での非情さを持ち合わせています。「ブラックマフィアの一味をおびき寄せて一網打尽にするため、あえて護衛対象の筈の愛優美ちゃんを餌に使った」と言えなくもありませんからね。