BRAVERS EDITION　episode.59

誘拐されたレイチェル=アスカロンを救出すべく敵のアジトへと乗り込んだ牧村光平であったが、レイチェルを人質にされ、やむなく彼自身も囚われの身に……。
アジトの廃工場に時限爆弾を仕掛けられ、絶体絶命のピンチに！？

※文章は、chatGPTで生成しております。

決戦開始

　「フハハハハ！！ これで奴らもまとめてお陀仏か！！」

　燃え盛る廃工場を背に、丘の上で高笑いする闇牙坊と弥御影一族の忍者たち。その狂喜の渦の中、突如として背後から鋭い声が響いた。

「誰がお陀仏だって！？」

　驚きとともに振り返る闇牙坊たち。そこに立っていたのは、炎を背負うかのごとき堂々たる姿の戦士――天凰輝シグフェル。そして、その傍らには、無傷のレイチェル=アスカロン。

「この通り、私たちならピンピンしてるわ。お生憎様だったわね！」

「…き、貴様ら生きていたのか！？ 一体どうやってあの拘束を解いて脱出した！？」

　闇牙坊は信じられないという表情で問いかける。彼らは確かに拘束され、廃工場の爆破に巻き込まれたはずだった。しかし、シグフェルは自信に満ちた笑みを浮かべる。

「そんなの、こいつがいたからに決まってるだろ？」

　シグフェルの言葉に呼応するように、別方向から軽快な電子音声が響いた。

「ボクを忘れてもらっちゃ困りますよww」

　次の瞬間、真紅のボディを持つ無人のバイク――マシンガルーダが猛スピードで駆け抜け、闇牙坊の配下の忍者たちを次々とはね飛ばす。そしてシグフェルの元へと滑り込みながら、エンジン音を誇らしげに響かせた。

　あの時、廃工場の中に捕まっていた光平とレイチェルは、廃工場のすぐ外で待機していたマシンガルーダによって助け出され、爆発寸前に脱出していたのだ。

　闇牙坊は歯ぎしりしながら睨みつける。

「おのれ…！ だが、ここで終わると思うなよ！」

　彼は印を結び、暗黒の気を全身にまとった。そして、その体は瞬く間に膨れ上がり、獣の咆哮とともに巨大な大猿の妖怪へと変貌した。

「弥御影一族に伝わる奥義、獣人変化の術！ 貴様らごとき、この姿の前では虫けらも同然よ！」

　大猿の如き巨体を誇る闇牙坊は、地面を踏み鳴らし、辺りに衝撃を走らせる。木々が軋み、岩が砕けるほどの威圧感。それでもシグフェルは冷静に、レイチェルへと視線を向けた。

「レイチェル、安全な場所まで下がっていろ」

「……分かったわ。気をつけて！」

　レイチェルは一瞬迷ったが、シグフェルの真剣な表情を見て、頷きながらその場を離れる。

　そして、シグフェルは闇牙坊を真っ直ぐに見据え、戦闘態勢で身構えた。

「さあ、ここからが本番だ」

　夜明けの光が僅かに差し込む中、天凰輝シグフェルと闇牙坊の決戦の幕が切って落とされた。

打倒、闇牙坊！

　燃え盛る廃工場を背に、天凰輝シグフェルと巨大な大猿の妖怪へと変貌した闇牙坊が向かい合った。

　闇牙坊は、全身を漆黒の毛で覆われ、腕は象のように太く、爪は鋭利な刃のごとく光っている。その血走った目がシグフェルを睨みつけ、涎を垂らしながら低く唸った。

「フハハハハ！！ どうだ、人間風情がこの力に敵うものか！！」

　吼えるや否や、闇牙坊は地面を踏み砕きながらシグフェルに突進した。その巨体から繰り出される拳は、鉄塊をも軽々と潰せるほどの破壊力を持つ。

　だが、シグフェルは一歩も引かない。紅蓮のオーラを纏いながら、その拳を紙一重で避け、逆に拳を叩き込んだ。

「甘いな！」

　シグフェルの拳が闇牙坊の腹に突き刺さる。しかし、獣化した闇牙坊の肉体は並大抵の攻撃では揺るがない。まるで鋼鉄の壁を殴ったかのような手応えが、シグフェルの拳を跳ね返した。

「ククッ、効かぬわ！！」

　闇牙坊は反撃とばかりにシグフェルの胴を鷲掴みにし、そのまま空中へと放り投げた。シグフェルの体が宙を舞う。

「終わりだァァァ！！」

　巨体を活かした渾身の拳が、落下してくるシグフェルに向かって振り下ろされた。

　しかし――。

「バーニング・シールド！！」

　シグフェルの身体を包むように紅蓮の炎が燃え上がる。次の瞬間、闇牙坊の拳がその炎に触れた途端、ジリジリと焦げる音と共に蒸発した。

「ぐおおおっ！？ 熱いっ！！？」

　慌てて後ずさる闇牙坊。だが、シグフェルはすでに次の一手に移っていた。

「マルスエンシス、起動！」

　シグフェルの手元で、金色の刀身を持つ火星剣の刃が灼熱のエネルギーを帯び、周囲の空間を歪ませるほどの熱を発する。

「調子に乗るなよ、闇牙坊！」

　シグフェルが剣を振るうと、炎の刃が空間を裂くように弧を描き、闇牙坊の肩口に深く食い込んだ。

「ぐおおおおお！！？」

　闇牙坊が悶え苦しむ。その黒毛に覆われた体が燃え上がり、裂けた傷口からは炎が噴き出す。

「まだ、まだ終わらん！！」

　闇牙坊は怯むことなく、最後の力を振り絞って突進してくる。その目にはまだ勝利を信じて疑わぬ狂気の光が宿っていた。

「だったら、これで決める！ 天を斬り裂き、烈火を纏（まと）う我が剣（つるぎ）！」

　シグフェルの全身が紅蓮の輝きを放つ。その輝きが一点に収束し、マルスエンシスの刀身へと吸い込まれていく。

「歯向かう悪を一刀両断、滅殺殲滅！受けよ断罪の炎！ 斬天紅蓮の太刀（たち）！！」

　シグフェルが雄叫びと共に剣を振り下ろす。刃から放たれた巨大な炎の斬撃が、まるで天を裂くかのように地面を這い、闇牙坊へと襲いかかる。

「チェストォォッッ!!」

「ぐあああああああっ！！？」

　紅蓮の斬撃が闇牙坊の巨体を貫いた。その瞬間、彼の体は爆発するかのように燃え上がり、断末魔の悲鳴を上げながら、その姿は炎に呑まれていった。

　――やがて、炎が消えたとき、そこに闇牙坊の姿はなかった。

　ただ、焦げた黒い影が地面に残るのみ。

　シグフェルはマルスエンシスを納め、背後の炎上する廃工場を振り返った。

「フッ……片付いたな」

　紅蓮の戦士は、再び歩き出した――。

　そしてシグフェルの勝利を後方にて見届けたレイチェルは、「見事だわ。さすがね…」と呟くのだった。

修羅場の予感！？

そして数日後――

　安土市のブレイバーズ本部「セントリネル・ハブ」。
　その長官室には、復帰を待ち侘びた仲間たちが勢揃いしていた。

　――30日間の役職停止処分を終え、ついに牧村光平が戻ってくる。

　扉が開くと同時に、仲里深雪は、副長官の立場でありながらも姉貴分のように親しげな笑みを浮かべて彼を迎えた。

「謹慎期間中お疲れ様、光平くん」

「それは俺が言うセリフですよ、深雪さん。俺がいない間、みんなにも迷惑をかけた」

　光平が申し訳なさそうに言うと、秘書官の錦織佳代が腕を組みながら微笑んだ。

「そんなことはないよ。みんな光平の帰りを今か今かと待ってたんだからね！」

「そうだぜ、長官の留守中は、俺たちでバッチリと守ってました！」

　そう胸を張るのは獅場俊一。だが、すぐ隣で腕を組んでいた寺瀬詩郎が肩をすくめる。

「でもその間、大した事件も起きなかったけどな……」

「おいおい、それを言うなって！」

「ハハハハハ！」

　一同が笑いに包まれる中、光平はそっと視線を向けた。
　彼の目の前には、恋人である秘書官・沢渡優香が立っていた。

「お帰りなさい、光平くん……」

「ただいま、優香……」

　二人はしばし見つめ合う。

　微かに照れたような表情を浮かべながら、光平が話を切り出す。

「俺がいない間、特に異常はなかったんだな？」

「ええ、みんなも頑張ってくれたから。光平くんはどうだった？ レイチェルさんとは楽しかったの？」

「――ああ、久しぶりに懐かしい幼馴染だった女の子に会って旧交を温めたっていうか……」

　しかし、次の瞬間、光平はハッとした。

　――ちょっと待て！どうしてそれを知っている！？

　顔面蒼白になる光平。

　優香はにっこりと微笑んでいるが、その目は決して笑ってはいなかった。

「健斗くん！」

　優香の声が響く。

　すると、スライドドアが開き、稲垣千秋の弟である健斗が、まるで悪戯を成功させた子どものような笑顔で入ってきた。

　彼の片手には――ビデオカメラ。

「健斗くん！？」

「悪いね、光平さん。実は優香さんに言いつけられて、光平さんの鹿児島での様子を全部コイツで録画してたんだ」

「な、何だって！？ それじゃあ俺が闇牙坊の一味と戦っていた時のことも！？」

「いやぁ～、光平さんとあの綺麗なお姉さんが弥御影一族の奴らに捕まってピンチだった時、助けに行こうかと思ったんだけどさぁ、俺が行かなくても何とかなっちゃったみたいだから、黙ってそのまま見てた」

「そんな……全然気づかなかった……」＿|￣|○

　光平に全く気配を察知させなかったとは、さすがは天才少年忍者の名は伊達ではない。

　そして、優香は一歩前に出た。

「ねえ光平くん、別に私はあなたを束縛するつもりはないの。私は光平くんのことを信じているし、仮に私と付き合う前に初恋の人がいたとしても――」

「…は、初恋！？ ち、違うよ！彼女とはそんな関係じゃない！！」

「うん、それも含めて、光平くんの口から直接、詳しく聞きたいわ」

　優香は柔らかな微笑みを浮かべながら、しかし決して逃がさないという確固たる気配を漂わせる。

「とりあえず、隣の部屋で二人きりで一緒に話そっか？ 時間をかけてゆっくりとね♪」

「は、はい……💦」

　光平はガクガクと震えながら、優香に長官室の隣の部屋へと連行された。

　パタンッ。

　扉が閉じられる。

　残された一同は、無言で顔を見合わせた。

「……な、なあ、長官、大丈夫かな？」

　俊一が恐る恐る呟く。

「……少なくとも、無事では済まないな」

　詩郎がため息混じりに答えた。

　千秋は腕を組みながら小さく頷く。

「……たぶんこれが、光平さんにとって長官復帰後最大の試練になるかも……」

　誰もが同じ想像を巡らせ、背筋をゾクッと震わせた。

　牧村光平、復帰初日から最大の修羅場に突入――！？

エピローグ

　オメガ・タワーズ――アスカロン財団の象徴たる近未来的な高層ツインタワー。その最上階にある会長室では、シグフェルに救出されて無事に帰還を果たしていたレイチェルが厳かな態度で立っていた。彼女の前にいるのは、アスカロン財団会長、アーロン＝A＝ギブソン。その鋭い眼光がレイチェルを見据えている。

　レイチェルは、今回の事の顛末をアーロンに報告。牧村光平をブレイバーズ長官から更迭に追い込むのは時期尚早であると進言し、彼に再考を促していた。

「今回の件、シグフェルの介入によって事態は収束したわけだが……まさか借りができたと思ってはいないだろうな？」

　アーロンの低く響く声が会長室にこだまする。

　レイチェルは淡々と答えた。

「私は判断に私情を差し挟んだりはしません。それは会長もよくご存じでしょう？」

「……そうだな。確かに、お前はそのような女ではない」

　アーロンは一瞬目を閉じ、短く吐息をつく。

「分かった。お前がそこまで言うのなら、今しばらくは様子を見るとしよう」

「ありがとうございます」

　レイチェルは一礼すると、踵を返して会長室を後にした。

　静寂が訪れる。

　誰もいなくなった部屋の中で、アーロンは椅子に深く腰を下ろした。その視線は、窓の外に広がる都市の灯を捉えている。しばしの沈黙の後、彼は小さく笑みを浮かべ、独りごちた。

「……だがな、レイチェル。いざという時の準備だけは進めさせてもらうぞ」

　デスクに指を滑らせ、インターフェースに触れる。ホログラムが立ち上がり、複数のデータが浮かび上がった。

　そこには「Next Generation Hero Project（次世代ヒーロープロジェクト）」という名の機密計画の概要が記されていた。牧村光平こと天凰輝シグフェル、そして彼を慕い集うブレイバーズの仲間たちに対抗しうる新たなスーパーヒーローの人材選抜と育成。水面下で進められるその計画は、静かに、しかし確実に進行しつつあった。

　夜の闇に包まれたオメガ・タワーズ。その片隅で、新たな未来の胎動が始まろうとしていた――。

完

おまけ

今回使わなかった、レイチェル=アスカロンの着衣緊縛お蔵入りイラスト（試作版）です。猿轡や縄は、出来上がったAIイラストに後から自分で合成した物です。

一枚目は、BRAVERS EDITION episode.57で使った椅子緊縛画像をガムテギャグではなく噛ませ猿轡バージョンにしたものです。瞳の色が、ブラウンではなく青色になってしまっています(;^_^A アセアセ・・・

二枚目の「肘掛椅子に両手を拘束」パターンも、いつか何らかのストーリーでやってみたいですね。

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