BRAVERS EDITION　episode.154

ブレイバーズの錦織佳代、クリストフォロ=エヴァルド=コルティノーヴィス3世（クリス）、寺瀬詩郎の3人は、アスカロン財団との定期会合のために、財団本部オメガ=タワーズを訪れる。佳代たちを出迎えるアルマ=ブラックバーンだったが、そのアルマが脱獄した黒百合ダークリリィによって拉致され、あろうことか詩郎にアルマ誘拐の容疑がかかってしまう。

黒百合のアジトに監禁されていたアルマは、ライトシーカーの三刀谷真玲と周翠琳のコンビによって無事に救出されたのだが、今度は行き違いで佳代が黒百合に捕らえられてしまう。アルマの証言で釈放された詩郎は、彼女の救出に向かう。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

了解しました。以下に、小説形式で緊迫とコミカルの絶妙な掛け合わせになるよう意識して執筆します。あなたの設定はすべて尊重しています。

罠の廃工場へ

　ニューヨーク郊外の廃工場は、霧に包まれ、まるで巨大な獣が息を潜めているかのような静けさだった。

　寺瀬詩郎は黒百合から指定された座標を頼りに、一人、その闇の中へ足を踏み入れる。空気は金属と油の匂いで重たく、わずかな足音も不気味な反響を伴った。

「……姐さん、無事でいてくれよ」

　そう祈るように呟きながら、詩郎は物音に耳を澄まし、慎重に建物奥へと進んだ。

　そして見つけた――。

　薄暗い部屋の中央、太い支柱に鎖で縛りつけられ、口に猿轡をされた“錦織佳代”。

「姐さん！？　待っててくれ！ 今助ける！」

　詩郎は駆け寄り、迷いなく鎖に手を伸ばした。震えている彼女を見て胸が痛む。

（やっぱり、俺が……俺がもっとしっかりしていれば……！）

　しかし――詩郎は知らない。

　この“佳代”がすべて黒百合の変装だということを。

　猿轡を外され、自由になったように見せかけた“偽佳代”が、震える声で囁く。

「助けてくれて……ありがとう、詩郎……」

「姐さん、もう大丈夫だ……！」

　詩郎が安堵に息をついたその瞬間――。

　偽佳代の表情が、わずかに歪んだ。

（いまだ……！）

　彼女の右手にいつの間にか握られていた注射器。金属光沢の針先には強力な麻酔が満たされている。

　詩郎が振り返る刹那、それが背中へ向けて振り下ろされようとした――。

　ヒュッ……！

　一枚のトランプカードが、鋭い風切り音とともに宙を駆けた。

　ザシュッ！

「ッ！？」

　偽佳代の右手に突き刺さり、痺れた指が注射器を落とす。

　カランッ！ と甲高い音が床に響いた。

「……こ、これは一体！？」

「おのれ……っ！　あと少しだったのに……！」

　詩郎は後退しながら叫ぶ。

「お前……姐さんじゃないな！　いったい何者だ！？」

　偽佳代は舌打ちし、その身体を闇色の霧が包み――。

「チィッ……仕方ないわね」

　次の瞬間、佳代の姿は完全に消え、艶やかな黒髪と妖艶な微笑みを持つ女――黒百合ダークリリィが現れた。

仮面の紳士登場

「フハハハハハ！！」

　突然の高笑いが工場全体に反響した。

「誰！？　誰なの！？　この私の邪魔をしたのは――！」

「それは、この私だ！」

　詩郎と黒百合が頭上を見上げる。

　鉄骨の梁の上に立つのは、タキシードに漆黒のマント、仮面で顔を覆った謎の紳士――
　まるで怪盗ルパンを思わせる優雅な立ち姿。

「我が名は――エターナルフレンド！　とぉぉぉっ！！」

　華麗なジャンプ。渾身のポーズで地上へ着地しようとした――が。

　ドシャァッ！！

　見事に着地失敗。その拍子で仮面が外れた。

「痛テテテッ……」

「……お前、柏葉だよな？　大丈夫か……？」

「サ、サンキュー寺瀬💦」

　詩郎に引き起こしてもらいながら、タキシード姿の紳士は苦笑した。

　そう、彼の正体は詩郎のかつての高校でのクラスメイト――
　柏葉章介。

　“神眼”の能力に目覚め、アスカロン財団で修行中の新人ヒーローだ。

　偽佳代を見破れたのも、その能力のおかげである。

「柏葉、お前……何でこんなところにいるんだよ！？」

「話は後だ！　それより――あの女、逃げるぜ！！」

「何っ！？」

　詩郎が振り向くと、黒百合の姿は廃工場の奥――地下へ続く暗い階段の先へと消えかかっていた。

「逃がすか！」

　詩郎は叫ぶ。

「ブレイブシフト！」

　光が詩郎の身体を包み、動物の咆哮が響いた。

「サーベルタイガーレギウス！ パワードモード！！」

　鋭い牙と白銀の装甲を持つ獣戦士――サーベルタイガーレギウスへと変身した詩郎は、鉄床を砕く勢いで駆け出す。

「行くぜ、寺瀬！」

　エターナルフレンドもマントを翻し、後を追う。

　黒百合を逃がすまいと、二人のヒーローは闇に沈む地下へと疾走する――。

（つづく）

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