前回からの続き
※ボンド星人の陰謀 その三コメント欄でのbakubond様の投稿より引用。
ミラージュマスクが落とし穴に落ちていく様をボンド星人は笑みを浮かべながらモニター越しに眺めていた。
「馬鹿め、そう簡単に救出を許すほどこちらも間抜けではないわ」
そう言いながらボンド星人はパネルを操作して画像を切り替えた。切り替えた画像にはメイド姿の一人の女性が映し出された。ボンド星人が今回の誘拐ゲームを実行するに当たって進行役としてMr.Unknownから借り受けた天山桜桃である。
「うまく落とし穴に引っかかってくれたからいいもののミラージュマスクにプレイヤーを始末されるのはどうでしょうかねえ」
ボンド星人問いかけに桜桃は言葉を返した。
「今回プレイヤーが達成すべき目標は二週間以内に美男美女を20人誘拐するといったものでしたが、プレイヤーが女子のみをえり好みして誘拐したおかげで失格は約束されている状態でした。ですからミラージュマスクに失格者を始末してもらった次第です」
「そうですか、分かりました。では、そちらにいる二人をこちらに連れてきてもらえますか」
「分かりました」
桜桃の言葉を合言葉にするかのようにボンド星人はモニターのスイッチを切った。
それから十数分後、縛られ猿轡をされた星愛怜美花と天帆美空を伴って桜桃が入ってきた。
「んっ、んん~ん」
怜美花はボンド星人の顔を直視できず、声にならない呻き声をあげて顔を背けた。
「んん~ん、ん~んっ(お願い!もう返して!)」
美空もまた哀願するように呻き声をあげ、体を激しく揺さぶった。
「まあ、ゲームの行方も定まったことだし、君たちにはこのまま帰ってもらおう。ただし、ここに連れて来られてからのことは忘れてもらうがね」
そう言うとボンド星人は桜桃に目配せした。目配せした先にはヘッドギアと拘束用のベルトがついた椅子で構成された機械が二台横並びに置かれていた。桜桃は頷いた後、二人を機械の所へと引き立てていった。
悪夢のキャンプ場編 開幕
都内の同じ大学に通う織市奏陽、天帆美空、千隼祐一郎、星愛怜美花の4人は、高校の後輩である琴川玲奈と椎穂亜弥、そして家庭教師のアルバイトをしている美空の教え子の小学生・朝霧尋紀とそのクラスメートの友貞稜太と譜久里知世も誘って合計9人でキャンプへと出発した。奏陽、祐一郎、尋紀、稜太のボーイズが食材調達のため近くの川に釣りに出かけている間、美空、怜美花、玲奈、亜弥、知世のガールズ5人はキャンプ場の共同調理場で料理の下準備に取り掛かり始める。
しかし、ある出来事をきっかけとして楽しかったはずのキャンプは悪夢へと急転してしまう。先にも述べた通り男子が釣りに出かけている留守中に、凶器を持った暴漢が突如現れて残っていた女子たちを襲ったのだ! 悲鳴を上げながらも慌てて森の中を必死に逃げ出す女子5人だったが、途中で知世が足を躓かせて転んでしまう。
「誰か…助けて…!!」
「大変! 知世ちゃんが!?」
「ダメだよ美空! 戻ったら危ないって!!」
「知世ちゃんを見捨てて行けない。みんなは先に逃げて! 私は知世ちゃんを助けるッ!!」
「……ごめん、美空! 必ず助けを呼んでくるからッ!!」
怜美花たちを先に逃がし、自分は勇敢にも知世を救うために一人で危険な場所に引き返す美空。案の定、2人は暴漢に補足されてしまった。
「ごめんなさい、美空さん。私のせいで……」( ノД`)シクシク…
「ううん、知世ちゃんのせいじゃないよ。自分をそう責めちゃダメ!」
「ぐへへへ……自分から戻って来るとは馬鹿な女だぜ。とりあえず2人ともコイツで大人しくしてもらおうか!」
彼女たちを縛り上げようと暴漢が握るロープが、美空と知世に迫る!
やがて、ボーイズにも迫る魔手
それからしばらくして、ようやく男子チームが魚釣りから戻って来た。しかし彼らは借りているコテージにも調理場にも女子たちの姿が一人もいないことに気がつく。
「アイツら、仕事を放っぽっといてどこに行ってんだ…?」
奏陽たちは不審に思いつつも、女子たちの姿を求めてコテージの中や周辺を手分けしてくまなく探し始める。そんな時、林の奥に不審な車が停まっていることに気がついた祐一郎はその車に近づこうとするが、その時—!!
突然、祐一郎は何者かに銃口を突きつけられてしまった!
「だ、誰だお前は!?」
「騒ぐな! 命が惜しかったら大人しくしろ!」
犯人の言うがままになるしかない祐一郎。こうして一人、また一人と次々に囚われの身となっていく若者たち。果たして彼らの運命は!?
そして姿を消したガールズたちの行方は!?
つづく。
コメント
悪夢のキャンプ場編、思わず某ホラー映画のホッケーマスク被った殺人鬼を思い浮かべてしまいました(笑
>都内の同じ大学に通う織市奏陽、天帆美空、千隼祐一郎、星愛怜美花の4人は、高校の後輩である琴川玲奈と椎穂亜弥、そして家庭教師のアルバイトをしている美空の教え子の小学生・朝霧尋紀とそのクラスメートの友貞稜太と譜久里知世
なるほど人間関係の構図が明らかになりましたね(今回だけかもしれませんが)。
アナザーストーリー的なものなら当初のキャラクター設定なしで色々やっちゃうのもありですが、おかめの御前様ルートのストーリーでのキャラクターの相対図などがあればいいなと思う時がありますね、今のところはっきりしているのが「こちら学生報道部」と「TEAM FRIENDS」、「ドリュアデス(DRYADES)」ですね、
今回はそれぞれバラバラになったところで襲われる展開が良いですね~、これから1人づつ消えていき、残ったものたちに恐怖をあたえていくのですね、精神的にも追い詰められていく獲物たち、いいですね~
>自分は勇敢にも知世を救うために一人で危険な場所に引き返す美空。案の定、2人は暴漢に補足されてしまった。
逃げ遅れた仲間を助けるために戻って自分も捕まってしまう、こうゆう展開も好きですね、
>「ごめんなさい、美空さん。私のせいで……」( ノД`)シクシク…
「ううん、知世ちゃんのせいじゃないよ。自分をそう責めちゃダメ!」
ピンチの女の子同士が互いを庇い合う姿は微笑ましいですね~、でも2人とも仲良く捕まって猿轡をされて会話も出来なくなっちゃうんですけどね、ぐへへ
さて、ハンター達によってまた1人また1人と捕まっていくのでしょうけど、逃げのびた人間がハンター達の隙を見て仲間を助け出す助け鬼展開もありそうで、これはストーリーも捗りそうですね。
> なるほど人間関係の構図が明らかになりましたね(今回だけかもしれませんが)。
はい、今回だけの設定です。
このお話が終わった後は、また人間関係の設定をリセットします(天帆美空が朝霧尋紀の家庭教師をしているといった設定等、一部は引きずっていたりしていますが💦)。
>さて、ハンター達によってまた1人また1人と捕まっていくのでしょうけど、逃げのびた人間がハンター達の隙を見て仲間を助け出す助け鬼展開もありそうで、これはストーリーも捗りそうですね。
逃げ延びた女子3人がたどり着いたのは「ドリュアデス(DRYADES)」の合宿地で話を聞かされたチームの面々が救出に乗り出すというのが一番しっくりしそうな気がします。
その一方で捕らわれた美空ちゃん、知世ちゃん、祐一郎君の三人は進行役の天山桜桃ちゃんに引き渡されて保管所へ送られてしまうということになりそうです。
> 逃げ延びた女子3人がたどり着いたのは「ドリュアデス(DRYADES)」の合宿地で話を聞かされたチームの面々が救出に乗り出すというのが一番しっくりしそうな気がします。
ではその方向でストーリーを進めたいと思います。
哀れなるかな、綾塚音祢ちゃんもこの騒動に巻き込まれてしまいそうですね( ̄ー ̄)ニヤリ