シルカイ族の冒険　第7話

ワームホールに呑み込まれ、異世界タシェニュヴルアのアルスネス島へと漂着した中村弘樹は、そこでシルカイ族の若きリーダー・レイヴンと出会う。シルカイ族に保護されていた女神官のエリュナは海賊ゲロム一家が放った密偵の本性を現し、レイヴンの妹セリーナを人質にとった！
この危機的状況の中、地球から橘拓斗、滝沢俊彦、レイラ=ジェーン=ウィルソンの3人がそれぞれの専用機アストラルロイドを駆って、時空と次元の壁を越えてタシェニュヴルアへと駆けつけて来た。連携してエリュナを捕らえ、セリーナを助け出すことに成功した拓斗たちだったが……。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

アルスネス島・シルカイ族の屯所――地下牢

薄暗い牢屋に、鉄格子越しの朝日が斜めの光を落としていた。

縄で縛られ座り込むエリュナの前に、がちゃり、と重い扉が開く。

「ほら、メシだ。食え」

無骨なシルカイ族の男が、膳を置くと同時に彼女の縄を解く。
それはレイヴンからの指示でもあった。

エリュナは目を伏せ、かすかにため息をつくふりをしつつ、ゆっくり顔を上げ――

妖しく唇をつり上げた。

「ねぇ……お兄さん。私をここから出してくれない？」
身体をくねらせながら近づき、色っぽい吐息を吹きかける。
「私を好きにしていいからぁ……💓」

しかし男は、鼻を鳴らした。

「お嬢ちゃんよぉ。そういうお誘いはな……もうちっと“大人”になってからしてきてくれやww」

子ども扱いされたエリュナの顔が、一瞬で真っ赤になる。

「な……何だいそれっ！　今が一番熟れ頃だってのにさ！！💢」

「はいはい。反抗期の嬢ちゃんは元気でいいこった」

男は呆れたように笑い、肩をすくめた。

「縄は解いたままにしておいてやれとの若からのお達しだ。
いいか？　くれぐれも妙な気だけは起こすなよ？」

そう言い残して、牢に鍵をかけて去っていった。

――と、その瞬間。

エリュナの指先には、男のポケットから“くすねた合鍵”がしっかり握られていた。

「フフフッ……馬鹿な男だねぇ……」

鍵を鉄格子に差し込み、音を立てないよう慎重に回す。
錠が外れ、静かに扉が開いた。

エリュナは影のように廊下を進んでいく。

廊下――レイラ＝ジェーン＝ウィルソンとの遭遇

廊下の向こう側から、軽やかな足音が近づいてくる。

レイラ＝ジェーン＝ウィルソンだ。
フェアリーライトの整備状況を確認しに行く途中なのだろう。

「……あの女は、確か異世界から来た連中の仲間……」

エリュナの目が鋭く光る。

相手は気配を感じることなく、歩いてくる。

エリュナは背後に素早く回り込み――
ナイフをレイラの背にピタリと押し当てた。

「……！ あ、あなたは……！？」

「しーっ！　声を出すんじゃないよ！」
囁きながら、背中に刃を押しつける。
「死にたくなかったら、大人しくしな！」

レイラは抵抗の素振りを見せない。
ただ視線だけが、どこか冷静だった。

フェアリーライト奪取――脱走

拘束されたレイラを盾に、誰にも気づかれないうちにエリュナは外へ出る。

近くに誰もいないのを見計らって、そのまま二人はフェアリーライトへ乗り込む。

「そら、このゴーレムを操縦するんだよ！ 変な気起こすんじゃないよ！」

「……分かったわよ」

フェアリーライトの目が青く光り、機体は浮上した。

そのまま急上昇し、アルスネス島を脱出する。

その頃――シルカイ族屯所前

だが――それはすべて“計画通り”

弘樹は落ち着かない様子で屯所の中を歩き回っている。

「レイラ先輩……大丈夫かな……人質なんて……」

拓斗が笑って肩をぽんと叩く。

「心配ないって。あいつは“わざと捕まる役”として選ばれたんだ。
レイラなら、絶対に失敗しない！」

俊彦も頷く。

「僕たちもすぐに後を追おう。
もしかしたら、エリュナの行き先には美香がいるかもしれない」

レイヴンが鋭い視線で空を見上げる。

「よろしく頼む。俺たちもすぐに向かう」

拓斗と俊彦はそれぞれアクアライザー、ブルーファントムに乗り込み、コックピットの扉を閉じた。

「よーし、行くぜ！
レイラ、うまく泳がせてくれよ！」

「後続もすぐ追いかける。フェアリーライトを見失うな！」

二機が青い海を切り裂き、エリュナとレイラを追って空へ飛び立った。

牢の鍵を“わざと”スらせたのも、
誰かが“捕まる”ことも、
エリュナを泳がせることも――

すべてレイヴンと拓斗たちが昨夜立てた作戦通りだった。

あとはエリュナがどこに逃げるのか。
その行き先こそが、
滝沢美香が囚われている可能性のある、敵の本拠地。

海風が吹き抜ける中、
アクアライザー、ブルーファントム――
二つの機体の気配が空に消えていく。

ついに――敵アジトの追跡作戦が始まった。

（つづく）

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