BRAVERS EDITION episode.111

BRAVE SUCCESSION
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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
※アフィリエイト広告を利用しています。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

滋賀・安土市 外資系高級ホテル レセプション会場

煌めくシャンデリアの下、ワイングラスを手に談笑する声が絶えない。地球平和防衛会議の後に開かれた盛大なレセプションパーティーには、政財界の要人や海外の賓客が集い、その華やぎは一夜限りの舞踏会のようだった。

パーティーに出席している牧村光平と沢渡優香は、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XL(Anime General)で生成しました。

牧村光平は、軽やかな笑みを浮かべながらも、背筋を伸ばして来賓と挨拶を交わしていた。若くして「ブレイバーズ」の長官となった彼は、その双眸に自負と責任を宿している。隣に寄り添うのは、淡い桜色のドレスに身を包んだ沢渡優香。彼の秘書官にして、他の誰よりも近しい存在だ。

「牧村長官」
低く落ち着いた声に、光平が顔を向ける。近づいてきたのは、グラスを傾けながらも鋭い眼差しを崩さぬ壮年の男――安城グループの総帥、安城社長であった。

「これは安城社長。今宵はご機嫌麗しく」

安城は口元に笑みを浮かべ、しかし目だけは獲物を射抜く鷹のように冷徹だった。
「まずは、娘の件で礼を言わねばなりますまい。以前は明日香を助けていただき、ありがとうございました」

光平はすぐに首を横に振った。
「いいえ。お嬢さんに助けられたのは、むしろこちらの方です。隊員の稲垣からも話は聞いていますが、ブレイバーズにとって、あの勇気と行動力は大きな支えでした」

「……ほう」
安城の唇がわずかに吊り上がる。政財界の巨人として、ただの儀礼でなく光平の言葉が真心であることを見抜いているのだろう。

やがて安城は声を潜め、さらに一歩近づいた。
「実はそのブレイバーズに、我が安城グループからも資金を提供したいと考えております」

優香がわずかに目を見開き、光平を振り返る。だが光平は微笑みを崩さず、静かに応じた。
「お気持ちはありがたいのですが、人類全体の平和を守るべき組織が、特定の一企業と資金的な繋がりを持つ訳にはいかないのです」

安城は肩をすくめてみせる。
「さすがは牧村長官。危ない借りは作りたくないと見えますな。……ですが、ブレイバーズの財政状況は常に火の車だと伺っていますが?」

光平は小さく苦笑を浮かべ、グラスを軽く揺らした。
「ええ。本当は喉から手が出るほど欲しいところなんですけどね……💦」

場の空気をやわらげるように冗談めかす光平。その人柄に優香はほっと笑みを浮かべたが、安城の眼差しはなおも鋭さを失わない。

「しかし、今のままでは――ブレイバーズの悲願である《ブレイバーベース》《ラ・クーロンヌ・セレスト》の再起動など、夢のまた夢でしょうな」

その言葉に、光平の表情が変わった。冗談を交わす余裕を一瞬で消し去り、深みを帯びた瞳が安城を捉える。
「……さすがは安城さん、よくご存じですね」

「ええ、ビジネスの世界は常に情報が全てですから」
安城の口元が、獲物を追い詰めた獣のようにニヤリと歪んだ。

――その時。

「その話、儂も詳しく聞きたいところだな」

重々しい声が背後から割って入る。光平と安城が振り返ると、腹に響くような存在感を放ちながら歩み寄ってくる大柄な男がいた。与党幹事長にして政界の重鎮、堰合金之助せきあい きんのすけである。

「堰合さん!?」
思わず声を上げる光平。

堰合は太い眉を吊り上げ、酒精に赤らんだ顔に笑みを広げた。だがその眼光は、ただ権力を求める獣の輝きに満ちている。
「牧村長官、儂としても君には大いに興味があってな。政界に来れば、今の地位よりも遥かに力を得られるぞ。そして後釜の長官には――ふふ、相応しい人材を据えてやらねばならんな」

優香は不安げに光平を見上げ、光平はグラスをゆっくりと置いた。その瞳に宿るのは、組織を背負う者の覚悟と、容易には権力に屈しない強い光だった。

堰合の圧力

「堰合さん、そのお話でしたら以前にもお断りしたはずです」

シャンデリアの光が煌々と降り注ぐ会場の片隅で、堰合は光平の言うことなどお構いなしにグラスを揺らしながら口を開いた。
「そもそも牧村君の任期は長すぎる。いつまでブレイバーズの長官に居座り続けるつもりかね? そろそろ次の者にバトンを渡すべきだ」

その場の空気が一瞬凍りついた。周囲で談笑していた要人たちも、聞こえぬふりをしながら耳をそばだてる。

光平は表情を崩さず、静かに応じた。
「……堰合さん。ブレイバーズは国境や党派を越えて人類を守るための組織です。僕の任期が長すぎるかどうかは、現場の隊員や守られるべき人々がどう感じているかで決まるものだと思っています」

「ふん、きれいごとを」
堰合は鼻で笑い、すぐに身を乗り出した。
「日本政府から拠出する予算は有限だ。君が今後も長官を続けるというなら、その分を削減することも考えねばならん。君も承知しておるだろう?」

――本心では、光平は頭を抱えていた。
(まずいな……ただでさえ財政は厳しいのに、これ以上削られたら……)

しかし、微塵も動揺を見せず、光平はあくまで柔らかな笑みを浮かべて返した。
「堰合さんのお考えは重く受け止めます。ただ、僕に課せられた責務を全うするまでは、全力を尽くさねばならない。それが結果として人々の信頼に繋がると、そう信じています」

「……なるほど。まあ考えてみてくれたまえ」
堰合は意味ありげに笑みを浮かべ、グラスを置いた。
「君の返答次第では、その何とかベースやラ・クーロ何たらを復活させるための予算についても考えてみようじゃないか。悪い話ではないと思うがね」

そう言い残すと、堰合はゆったりと背を向け、取り巻きを従えて会場を後にした。

優香は心配そうに光平の袖を引いた。
「光平くん……」

光平は苦笑しながら、彼女の頭に軽く手を置いた。
「優香、大丈夫だよ。心配するな。俺が何とかする…」

――しかし、その笑みの裏で、光平の胸中には重苦しい現実がのしかかっていた。そしてその様子を、黙って傍らから人を試すように眺めている安城社長。

「さて、この次はどう出るかな? 牧村光平…」

ホテル玄関前にて

夜風に揺れるフラッグの下、黒塗りの公用車が堰合を待っていた。玄関を出てきた堰合は、側近の秘書に先導されるまま車に乗り込む。

「やれやれ……あの若造め。世間知らずの理想主義者はこれだから困る」
ぶつぶつと愚痴を零しつつドアを閉めた瞬間、背筋に冷たいものが走った。

「だ、誰だお前は!?」

ハンドルを握る運転手が、見慣れぬ顔をしていたのだ。さらに助手席の男も、不気味な笑みを浮かべながらこちらを振り向く。

偽運転手が口元を吊り上げる。
「フフフッ……幹事長さんよ、騒がずに大人しくしていた方が身のためだぜ?」

次の瞬間、黒光りする銃口が堰合の胸元に突きつけられた。堰合の顔が蒼白になる。

「お、おい……貴様ら……!💦」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

だが声を荒げる間もなく、左右から押さえ込まれる。運転席と助手席にいたはずのお抱え運転手と秘書は、すでに縛り上げられて気絶しており、替わりに座っているのはネオブラックマフィアの構成員だった。

車はそのまま静かに発進し、夜の街へと溶け込んでいった。
ブレイバーズの若き長官とやり合った古狸の政治家は、皮肉にも次なる事件の人質へと姿を変えるのであった――。

そして安城社長も言及していた《ブレイバーベース》や《ラ・クーロンヌ・セレスト》とは、果たして一体何のことであるのだろうか?

(つづく)


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コメント

  1. 旅鴉 より:

    華やかなレセプションパーティーに参加している牧村氏ですが、何だかちっとも楽しくない。
    それもその筈、化けたぬきと化けきつねに絡まれたらね…
    明日香パパ、あの娘にしてこの親、資金援助をチラつかせながら、圧をかけてくるところとか、なんともしたたかな、ブレイバーズに安城グループの影響力を持たせたいってのが見えてきますね~この化けキツネからは…
    そして正解のクソ化けタヌキの堰合幹事長、政界での地位と予算削減との飴と鞭を巧みに操り、牧村氏をブレイバーズの長官から引き摺り下ろそうとするところとかも、こっちはこっちで汚いですね~
    両方に挟まれ何だか大変な牧村氏、心中をお察しいたします、パーティーの食事も入らないことでしょう。
    《ブレイバーベース》や《ラ・クーロンヌ・セレスト》とはまた、なぞのキーワードが出てきましたね~
    ラ・クーロンヌって調べたら、ワインやらレストランやら出てきますね、ちょっと気になりますね~

    そして…安城社長よりも小物臭い堰合幹事長がプリプリしながら帰りの車に乗り込むと…待っていたのは運転手やSPではなく、ネオブラックマフィアの構成員だった!!

    そして人質となった堰合幹事長…ってどうゆうことですか、なんか野郎が縛られてるし、男、男、男、爺…って、なんですか!管理人様は私を殺す気ですか!

    次こそはDIDであって欲しいものです、安城社長だったら泣きますよ!

    • 旅鴉 より:

      さて、ずっと書けてなかった
      https://okamenogozen.com/bravers-edition-episode-99/
      の続きの章介くんのSSを載せるとしますね、ちょっと管理人様の好みじゃない文になったかもですが、これにて章介くんもヒーローの仲間入りになれればと、章介くんの能力『神眼』についてよろしくお願いします!

      『それでもヒーローになりたい!』

      とある商業ビルの一室、会社名が掲げられているが、中にはテーブルと椅子が数脚あるだけの殺風景な部屋、所謂ダミー会社である。
      その部屋の中で黒いタキシードを着た男が、椅子に座らされていた。
      その前に向かい合うように座るスーツを着崩した1人の男、その横には1人の赤茶色の髪をした西洋人の女、そして部屋の出入り口前には緑のチャイナ服を着た団子ヘアーの女が外を警戒するように立っていた。
      黒いタキシードの男は柏葉章介、またの名はエターナルライバル…っと名乗ってるだけのただのコスプレ高校生である。
      今回もまた訳あって出動出来なかった妹美佳こと、星彩のルミナの代わりに、睚眦なるヴィランを倒すがため、呪根山・採石場跡地に馳せ参じたのだが、戦いは既に終わっていた…。
      見せ場をなくし意気消沈して帰ろうとしたところ。

      「ちょっといいか、面を貸せ」

      突如何者かに声をかけられる、それは何度か顔を合わせたことのあるアスカロン財団の加藤だった、だが加藤は普段見せた事のない恐い顔をしていた。
      そして、章介は殆ど拉致される形でここへ連れて来られ、今に至る。

      「え~っと…これはどうゆうことでしょうか加藤さん…?」

      「ん?とりあえず戦いがあった採石場で不審者がいたので確保したんだがそれが何か?」

      章介の問いに気だるそうに答える加藤。
      章介は加藤の横にいる赤茶色の髪の西洋人の女と入り口に立つ緑のチャイナ服の女を見ながら訊ねる。

      「なんだか今回もまた綺麗なお姉さん達がいますね…アスカロン財団って美人揃いなんですねははは…でこの方々は…?」

      「あ~、こっちの赤毛はテリーサ・エリス、あっちのは周 翠琳」

      それぞれ紹介され、翠琳は少し章介を一瞥すると再び外を警戒し、テリーサ軽く「ドモ」と挨拶を返す。

      「お前を折檻してくださるお姉様方だ、好きだろこうゆうの?」

      「冗談ですよね…?」

      加藤の言葉にそう返す章介、だが加藤はピクリとも笑わない。
      章介の首に冷たい汗が流れる。

      コンコン

      その時、部屋の扉を叩く音がする。

      「ご注文の小籠包をお持ちしました」

      その声に扉を開ける翠琳。

      「何ですかこの合言葉…?」

      溜息をつきながら入ってきたのは銀髪の西洋人の女。

      「リネアさん!」

      入ってきた女を見てぱっと明るい表情を見せる章介、それを見てリネアと呼ばれた女は複雑な顔をする。

      「連れてきましたよ」

      リネアに促されるように入って来たのは、

      「お…お兄ちゃん…」

      章介の妹の美佳だった、そしてその足元には額に赤い宝石をつけたウサギともキツネとも見える奇妙な黒い生物がいた。

      「美佳…すまないな、こんなところに来させてしまって…ただちょっとお前の兄がな…」

      「加藤さん…うちの兄が何かやらかし…ているのは見れば解ります…またか…と…ただ、その様子だともっとマズいことですか…」

      加藤の様子に只ならぬものを感じた美佳。

      「ああ、このフザケタ遊びはまあ良いんだよ…それよりも…クゥロエ~ル」

      声に怒気を含ませ、美佳の横にいる黒い獣、クロエルを睨みつける加藤。

      「お前が言ってた認識阻害魔法は完璧な筈だったよなぁ~」

      ((ああ、例え身内であっても正体が気付かれることはない、完全に正体を隠せる…って、何かあったのか?))

      「あったのかじゃねーよ!!こいつに星彩のルミナの正体がバレてんぞ!!どうゆうことだこらぁ!!」

      章介を指さしながらそう言い放つ加藤。

      ((なにっ!?))

      「え…?」

      加藤の言葉に、クロエルと章介両者が驚く。

      ((ど…どうゆうことだ…?))

      「な…なんでそれを知ってるんですか…?」

      クロエルと章介が同時に加藤に訊ねる。

      加藤は面倒くさそうな顔をしながら章介を睨みつける。

      「お前はちょっと黙ってろ…」

      「はい…」

      加藤のドスの効いた言葉に身を縮め返事を返す章介。

      「どどど…どうゆうことですか?私ドジしちゃいましたか!?私の正体の…星彩のルミナの正体がお兄ちゃんにバレたって!?」

      あたふたしながら震える声で加藤に訊ねる美佳。

      「落ち着いてください美佳さん、貴女がドジをしたとかそうゆう話ではなさそうなので」

      慌てる美佳をそっと宥めるリネア。

      ((馬鹿な…なぜだ…認識阻害魔法は完璧な筈…現に美佳の両親には全く気付かれた気配がない…身内にも効いている筈だ…なのになぜ…))

      クロエルはじっと章介を見つめる。

      ((もしかしたら彼も君達と同じ異能持ち…『神眼』の持ち主かもしれないな…))

      「おい、てめぇのミスの言い訳で適当なこと言ってんじゃねーだろうな?」

      ((いや違う、この場に及んでそんなことするか、私達の世界では稀にいるのだよ、そうゆう幻術の類が聞かない目を持った人間が!))

      いつも以上に強い口調でそう返すクロエル。

      「ならこいつはその神眼って異能を持った能力者ってことか!」

      加藤の言葉を聞き、驚いた表情を見せる章介。

      「え…俺…能力者なの…?」

      クロエルは加藤としか会話のラインを繋げていない、だからクロエルの言葉は章介には聞えていない、だが加藤は怒りのあまり声に出してクロエルに言葉を伝えていたので、加藤の言葉は全て章介に聞えていた。

      (なんかよく解らないけど加藤さんはあの黒いのと会話してるっぽい、それでどうも俺が美佳のことを星彩のルミナって気づいたことがどうやら普通じゃないぽい、そしてそれに気付いた俺には…その気付く力があったってこと…?)

      それに気付き、思わず目を輝かせる章介。

      「何だか嬉しそうな顔してないかお前…?」

      そう言って章介を睨みつける加藤。

      「あ、いやそう言うわけじゃ…だけど、兄妹だからってことで、俺が美佳の正体が星彩のルミナって気付いたわけじゃないんですね…」

      「そこの黒いのが言うにはどうやらそうらしいが…」

      加藤は雑に親指でクロエルを差しながらそう答える。

      「まあお前が星彩のルミナの正体を美佳ってことに気付いた事とか、お前が能力者の可能性があるとか、そんなことはもうどうでもいい…」

      加藤は言葉を絞り出すように言った。

      「お前が気付いた星彩のルミナの正体を…ベラベラと寺瀬詩郎に話したってことが一番問題なんだよ!」

      「え…なぜそれを…知ってるんですか…?そう言えば俺が星彩のルミナの正体を知ったことも話してないのに知ってたし…」

      その章介の問いに答えたのは、加藤ではなくテリーサだった。

      「それ私が視たから」

      「視た…?」

      「アンタがドゲザして、『頼むッ!! 俺をブレイバーズに入れてくれ!!』とみっともなく寺瀬詩郎にしがみついてたところとか、その後で喫茶店《ロッカ》で、友達のエターナルライバルが活躍してモテモテになって羨ましとか言ってるところとか…」

      そしてキッっと睨みつけるように章介の目を見ながら、テリーサは言い放つ。

      「アンタが妹の正体が星彩のルミナって気付いたって言ってるところとか…何だか妹に先を行かれてるようで悔しい…みたいな泣き言も言ってたね…」

      まるでその現場を見て来たかのように話すテリーサの言葉に、驚いた表情を見せる章介。

      「あなた…あの場所にいなかったですよね…?」

      「だから視たんだって、アンタがいた場所からね」

      そう言いながら、自分の手をかざして見せるテリーサ。

      「サイコメトリーって聞いたことあるよね」

      「その場所で何が起きたかとかを、手で触れて読み取ることが出来るってあれ?」

      「そうそう、私はそれを使うサイコメトリスト、まあこの国ではサイコメトラーの呼び方の方がメインか」

      そう言って小さく笑うテリーサ。

      「まあ今回の騒ぎのこと知ってるだろうけど、あの竜門会ってマフィア集団が日本に進出して来ててさ、そいつらの調査のために諜報員と共にこいつにも来てもらったんだが…その調査中に事もあろうに俺らと同盟関係にある星彩のルミナこと柏葉美佳の兄貴が、よりにもよって元おかめ党幹部の寺瀬詩郎と接触してるって報告受けてね、何事かと一応テリーサに現場を視て貰ったら…まさかこんな大変なことやらかしてるとはな…」

      今にも血管が切れそうなぐらいの怒りの表情で章介を睨みつける加藤。

      「それ…本当なの…お兄ちゃん…」

      地獄の底から聞こえてくるような怒りの籠った声が、妹の美佳の口から漏れてくる。

      「なんて…なんて事してくれたのよ…」

      美佳のまた顔を真っ赤にして怒っていた、普段の妹から視たこともないような鬼の形相である。

      救いを求めるようにリネアに目を向ける章介だが、その目からはいつもの優しさは感じられず、どこか呆れたような突き放すような目をしていた。
      そして翠琳と呼ばれた女は、こちらに目も向けずただ出入り口をぼーっと見張っていた。

      (俺…ひょっとして、とんでもないことやらかしました…これか、寺瀬が言ってた事は…)

      時は寺瀬詩郎にブレイバーズ入隊を頼み込んでいた所まで遡る。

      「柏葉…さっきお前が言ってた妹が星彩のルミナって話だけどさ、いまいち信じられないんだよな」

      別れ際、寺瀬詩郎がその疑問を章介にぶつける。

      「いや、だって美佳に似てるんだよ?」

      「そこだよ、お前の妹やたらと俺に突っかかってくるから良く知ってるけど、俺には全くの他人にしか見えないぞ、むしろどこをどう見たら似てるんだ?」

      そう言いながら首を傾げる詩郎。

      「お前さぁ…妹が好き過ぎて妄想と現実の区別がつかなくなってきてんじゃないか?」

      「ふざけんなっ!俺はそこまで変態シスコンじゃねーよ!」

      詩郎の言葉に思わず激昂する章介。

      「大体な、家には美佳の家庭教師にアスカロン財団の人間が来てんだよ、あそこってあれだろ将来有望な人間だけでなく、正義のヒーローとかの支援もやってるんだろ、それで俺もピンってきたんだよ」

      「アスカロン…財団の…家庭教師…?」

      章介の言葉に、詩郎が驚いた表情を見せる。

      「ああ、神向寺さんって美人のお姉さんと、リネアさんってこれまた美人な外国人のお姉さんがさ、そのリネアさん、俺と歳があまり変わらないようなんだけど、頭も良くて優しくて…」

      「リネア・ヴァイサー…」

      「そうそう、流石正義の組織同士、知り合いか」

      その章介の言葉を流し、何やら考えながらぶつぶつと呟き始める詩郎。

      「これは満更…柏葉の妄想ではないかもな…だとしたら本当に…」

      「だから言っただろ、やっぱり美佳は…」

      章介が最後まで話す前に、それを手で制する詩郎。

      「柏葉…今の話だけどな、俺は何も聞いてない…ってことにしておく、上にも報告はしない、だからお前も妄想だったってことにしておけ」

      「いや、だから…」

      「いいな!」

      まだ何かを言おうとする章介を強い口調で止める詩郎。

      「…多分…お前が俺に言ったってことが知れたら、それだけでマズいことになる…」

      そう言いながら詩郎は額に指を当て、呟くように言った。

      「いや…もう遅いかもしれんな、とりあえず、気を付けろよお前…」

      そして今…

      (はい、大変なことになっとります、まさか…お前と俺の会話までしっかりと聞き取ることが出来るサイコメトラーがいるとは思わなかったよ…)

      改めて、アスカロン財団がヤバい組織と言うことを認識した章介。

      「と…とりあえずですね、多分残留思念って奴で視たんですよね、だったら…ほら、あいつは言わないって言ってたので、大丈夫じゃ…?」

      「お前…あいつが元何者かってことよく知ってるよね…」

      「悪の組織、おかめ党の大幹部だったかと…」

      怒りとも呆れとも取れる加藤の目に睨みつけられ、身を震わせながら答える章介。

      「で…でも、あいつは今やブレイバーズの一員…そう正義のヒーローサーベルタイガーレギウスです、正義の組織に所属する正義のヒーローである今のあいつならきっと大丈夫ですよ、それこそ星彩のルミナの力になってくれるはず、そもそもブレイバーズは正義の組織ですし、アスカロン財団も正義の組織、お互い正体隠さずに腹を割って協力し合った方が…良いのでは…?」

      うん、なんか良い事言ったって顔をする章介だが、聞えてくるのは大きな溜息だった。

      「ねえリネア、たしかアンタって前に寺瀬詩郎と行動した時に悪の寺瀬詩郎が出てきたの見たんだよね?」

      テリーサの問いに小さく頷くリネア。

      「ええ、彼の中にはまだ昔の寺瀬詩郎が残っています」

      「…え?」

      リネアの言葉に目が点になる章介。

      「あいつは今不安定な多重人格みたいな感じで、たまに悪の方が出て来るらしい、少なくともお前が言うような純粋な正義のヒーローってわけじゃないんだわ、まだおかめ党時代のあいつが残ってるってことだよ、そんな奴にお前はベラベラと星彩のルミナの正体を話したわけだ、その情報を悪の方の寺瀬詩郎が黙ってると思ってるのか…?」

      そう言いながら、ジト目で章介の目を見つめる加藤。

      「あ…でもブレイバーズが、長官の牧村光平さんがしっかり監視してるだろうから問題ないだろうし…ほらあの人何せ天凰輝シグフェルですから、それこそ星彩のルミナのこと話して協力を…って、あれ…?」

      牧村光平の、天凰輝シグフェルの名前を出した途端、更に場の空気が重くなったのを感じた章介。

      「ねえ…この頭お花畑の首を落としてその頭を山に埋めたら、面白い花が咲くかな?」

      「ヒィッ!」

      テリーサの物騒な言葉に、思わず小さく悲鳴をあげる章介。

      「やめとけ…こんな馬鹿の頭埋めたら山が腐る…」

      そう言って呆れたような表情を見せる加藤。
      そして様子を見ていたリネアが、見かねて口を開く。

      「私達アスカロン財団とブレイバーズですが、実は凄く微妙な関係でして…牧村氏とうちのギブソン会長とは考え方が合わず、特に寺瀬詩郎を放置している事に関しては、かなり懸念を抱いてます…」

      「正義の味方を謳っている組織同士だからって全てが仲良しこよしやってるわけじゃないんだよ、それぞれ主義主張が違うってこともあるんだからさ、一括りに考えないでも貰えないかな~」

      そう言いながら章介を蔑むような目でみるテリーサ。

      「そもそも俺も寺瀬詩郎のような危険人物を放置して使ってるって時点で、あの牧村のことを信用してないんだわ、それについては会長と考えは同じかもな」

      そう言って肩を竦める加藤。

      「お兄ちゃん…お願いだからもう黙ってて…」

      妹の美佳から氷点下の視線が飛んでくる。
      確かに章介が口を開くたび、空気がどんどん悪くなっている。
      流石の章介もがっくりと肩を落とし、項垂れ黙りこくしかなかった。

      「さて…どうする?この際寺瀬詩郎を拉致って、お前の魔法で俺達と同じように制約をかけるか?」

      加藤はリネアに、冗談とも本気ともとれるような提案を持ちかける。

      「馬鹿言わないでください、それこそ問題になりますよ、どんな理由をつけて寺瀬詩郎を拉致するつもりですか!?」

      珍しく声を荒げるリネア、その様子を見ながら外を見張っていた翠琳が口を開く。

      「私がやろうか…?まだ奴に私は顔を知られてないから加藤ほど警戒されないかと…」

      「そうゆう問題じゃなくて!!」

      「だったら私が正面から寺瀬詩郎を叩きのめして、魔法を使って無理矢理記憶を消す!」

      そう言いながら、美佳が自分の手の平に拳を打ち付け気合を入れる。

      「だから美佳さんも武闘派2人に乗せられない!みんな落ち着いてください!」

      「まったくもう…」っと頭を抱えるリネア、そんな彼女を横目に見た後、再び章介に冷たい視線を向けるテリーサ。

      「あらあら、大変なことになっちゃったね~、どうしてくれんだろうね本当に…解ってるのかなボクぅ~」

      まるで幼児にでも語りかけるように言いながら、章介の顔を覗き込むテリーサ。

      「テリーサ…あまり章介さんを追い込まないであげてください、彼だって悪気があったわけじゃ…」

      「リネアはやっぱり優しいね、でもぉ~私はやっぱり許せないな~こいつの事、だってリネアのことをこんなに困らせてるわけじゃん」

      そう言って、章介のことを雑に指差すテリーサ。

      「俺だって…」

      今まで黙って話を聞いていた章介が、絞り出すように声を上げる。

      「ヒーローになりたかったんですよ…」

      「ふ~ん、アンタみたいなド素人がね…そんなコスプレだっけ?そんな格好しただけで本気でヒーローになれると思ったの?馬鹿なのかな?もう夢も覚めたでしょ、だったら家でゲームでもやってヒーロー気分満喫して、満足してればいいんじゃない?」

      そう言って冷たく返すテリーサ。

      「それでも俺は、親友にも妹にも…おいていかれてる気がして…悔しくて…」

      「アンタのくだらない劣等感なんて知るか、それよりアンタサッカーやってたんでしょ、そっちの方で良い線いってたっぽいじゃん、そんなアンタに劣等感抱いてた人間だっていた筈だよ、でもそっちを中途半端にしといてヒーローごっこ?それこそサッカーでアンタに負けてきた人間達を舐めてるわけじゃん」

      刺さる言葉だった、だがそれでも、言葉を吐き出そうとする章介。

      「俺だって舐めてたわけじゃない、でも…親友が…普通だった親友が…いつの間にかあんなヒーローになって、憧れちゃったんだよ、そして何を捨ててでも追いつきたいって、ああなりたいって思っちゃったんだよ、でも俺にはスーパーパワーなんてなくて、だから格好だけでもって思って…」

      「で、散々醜態晒し続けてたわけか…まあでも、噓が真になって、アンタにも力が発動したっぽいけど…これが今面倒くさいことになってるわけでさ…」

      そう言って、さも面倒くさそうに溜息をつくテリーサ。

      「そうだよ…別の何かに姿を変えた相手を見抜くだけの…隠したがっていた妹の正体を暴いてしまうだけの…そんなショボい能力だよ…アンタは良いような~、サイコメトリーって、FBIとかでも活躍してる凄い能力だよな、さぞ皆から尊敬されてるんだろうな、ヒーロー扱いされてきたんだろ、何もない俺と違って…凄いよな~、羨ましいよ…」

      「馬鹿野郎が…」

      思わず怒りの籠った声で、章介に掴みかかろうとした加藤だったが…

      バキッ!!

      それよりも早く、テリーサの拳が章介の顔面に炸裂する。

      「殴ったね!!親父にもぶたれたことな…!?」

      ゴガッ!!

      古のボケは通用しない、更に追い打ちの二発目の拳が飛んできて、今度こそ椅子から吹き飛ばされる章介、口の中で鉄のような味が広がる。

      「何やってんだ馬鹿!」

      「テリーサやめて!」

      慌てて駈け寄り止めに入ろうとする加藤とリネア、それを遠目で眺めながら「やらせとけばいいのに」と言った目を向ける翠琳。

      「どいて…アンタの馬鹿兄貴に教育してやるんだから…」

      先程までと打って変わり、ドスの効いた声で章介を見下ろすテリーサ、そしてそこにはその章介を庇うように覆いかぶさる美佳の姿もあった。

      「すいません!兄が大変失礼なことを言って本当にすいません!確かにデリカシーのない馬鹿兄ですが、悪気はないんです!許してください!」

      半ば泣きながらテリーサに懇願する美佳。

      「気持ちは解るが…やめろテリーサ」

      そう言いながら、強い力でテリーサの腕を掴む加藤。

      「ダンジュロウはこうゆうところで甘いよね、こうゆう馬鹿はちょっと痛い目みないと解らないんだよ…」

      「妹の前だぞ…」

      「だから?関係ないじゃん、私そんなんで気を使う人間じゃないから」

      「テリーサ、お願いです、これ以上はやめてください、人を傷つけてるところも、怒って…悲しんでいるところも、そんなあなたを見ているのは私はとても辛いです」

      そんな怒りで震えるテリーサを後ろから抱きしめるように掴みながら、宥めるように言うリネア、その言葉にそっと拳を下すテリーサ。

      (くそ…いてぇよ…)

      そして未だ倒れ込んだまま起き上がれない章介。

      (なんでこの人こんなに怒ったんだろ…?)

      ((それが解ってないとはな…そこが君の愚かなところか…))

      突如章介の頭の中に声が響く。

      (なんだ!?俺の思ってることを読んでツッコミ入れた奴は誰だ!?)

      驚き周りを見渡す章介。

      ((私だよ))

      突如章介の目の前に、額に赤い宝石をつけた黒い獣が現れる、それは先程まで美佳の傍にいたクロエルと呼ばれていたものだった。

      (そっか、さっき加藤さんとこんな感じで会話してたのか)

      ((いかにも、念話ってやつだよ…まあそれはいいとして、君はテリーサに対して、サイコメトリーの力が羨ましいとか言っていたね))

      (ああ、だって…格好良いじゃん、チート探偵じゃん!)

      ((それを声に出さなくて正解だ、言葉にしてたらせっかく収まったテリーサの怒りが再燃するところだった…))

      そう言いながら、器用に前足を使い頭を抱えるクロエル。

      ((美佳の言う通り、本当に君にはデリカシーと言うものがない、あれが羨ましいとは呆れる…))

      クロエルは首を小さく横に振りながら話を続けた。

      ((私もテレパシーで読心も多少は出来るものでね、時に嫌なものも聞いてしまうことがある、だから彼女の気持ちが少しは理解出来るのだよ、幼少の頃に力が発現したらしく、当時は力の制御も出来ず、周りのどす黒い思念を否応なしに見せられ続けたらしい、彼女の力は特にずば抜けて強いため余計に辛かっただろうな、周りからも奇異な目で見られ続けただろう、彼女が攻撃的な性格なのもそうゆう環境で育ったのもある、まあ事情は知らなかったとはいえ、あまりにも軽率だったな))

      (そ…そんな苦労があったなんて…俺…知らなかったから、確かに俺…最低な事言ったかも…)

      クロエルの言葉を聞き、体を起こし項垂れるように座り込む章介。

      ((君は能力を、そしてそれを使う人間を軽く見過ぎているところがある、君が先超されたと思っているエターナルライバルこと逢沢彩人…彼はパーフェクトコアなどと言うものを入れないと生きていけない体になっているらしい、もはやそれは人と言えるのか…?そんなのが羨ましいか?君が入りたがっているブレイバーズの人間達だってそうだ、シグフェルなりレギウスなり好き好んでなったと思うのかね?なってしまったからヒーローをやっているんだよ、ここにいるアスカロン財団の連中だってそうだ、彼らはライトシーカーと言う能力持ちのエージェント達だ、能力があるが故にその生き方を強いられている、本当だったら彼らも人並みの生活を送りたかったのだろうに))

      そう言ってクロエルは、真っ直ぐ章介の目を見つめ、問いただす。

      ((それでも君はヒーローというものになりたいかね?))

      (それでも俺は…)

      章介はクロエルの目を見つめ返しながら、声に出して言った。

      「ヒーローになりたい!」

      「「「「はぁ?」」」」

      周りの目が一斉に章介の方へと向いた。

      ((私の話を聞いていたかね?))

      「ああ、大変なのも聞いた、それでも俺は…あの時、彩人がまだミラージュXだった時、おかめ党党首、おかめの御前を自らの身を犠牲にして宇宙の彼方に飛ばした時も、そして再びエターナルライバルとして帰ってきた時も、俺は助けられてばかりで何も出来なかった、あいつの親友として自分自身が情けなくて悔しく思った、だから俺はあいつに肩を並べるヒーローになりたくて…だから…」

      そして章介は、拳を握りしめながら言った。

      「とりあえず格好だけでもあいつに近付けたら、あいつみたいによく解らない何かが降りてきて俺もスーパーパワーを得て、スーパーヒーローになれるかもって思ったんだよ!まあ結果的になんかよく解らない力は降りてきたけどさ!」

      ((もう一度聞く、私の話を…))

      「聞いてたよ!」

      クロエルの言葉を遮るように叫ぶ章介。

      「ヒーローの苦悩も聞いた、力のリスクも聞いた、実際にこの『神眼』とかいう力で美佳が星彩のルミナって見抜いたことで、こうやってここに拉致されて、怒られるは殴られるわ、散々な目に遭ってるわけだし、それでもだよ、俺はヒーローになりたいよ!」

      「クロエルと何はなしてんだか解んないけど…全然こたえてねーなコイツ…」

      加藤が頭を抱える。

      「やっぱりもう一回殴ろコイツ…」

      そう言って拳を握るテリーサを首を振って止めるリネア。

      「あのね…お兄ちゃん…いい加減に…」

      心底呆れたような目で章介を見ながら、何かを言おうとする美佳。

      ((ああ…なるほど、本当に君達は兄妹だな…その頑固なところはよく似ている、よく解った…))

      そう言ってクロエルは、加藤の方へ目を向けると、この場にいる全員に念話のラインを繋げた。

      ((加藤、彼は能力も発動した訳だし、これからどの道アスカロン財団の監視下に置かれるわけだろ))

      「まあそうなるだろうな…ってまさかお前…」

      ((まあどの道、彼は巻き込まれてしまったわけだし、いっそのことこっちの世界に入れてしまったらどうかね?))

      「おい、ちょっと待ておい…」

      クロエルの言葉に困惑した表情で詰め寄る加藤。

      ((よくよく考えてみたら、美佳を唆して、星彩のルミナにした私が、彼に説教など、どの口が言ってるんだって話だし、説得したところで無駄ならいっそ彼を本物にして管理下に置いた方が良いのではないかと思ってな))

      「ちょっと待って…クロエル…」

      「彼もまた魔法少女に…」

      美佳とリネアもまた、困惑した表情をクロエルに向ける。

      「うわぁ…」

      テリーサが汚いものを見るような目でクロエルと章介を交互に見る。
      翠琳もまた眉間に皺をよせながらクロエルを見る。

      ((いや待ってくれ…私にも選ぶ権利はある…最近ではないこともないらしいが…それは私も抵抗がある…新たな魔法少女を作ることも可能ではあるが、あれも大変なんだよ、私にも結構負荷がかかるんだよ、新たな魔法少女を作るとしても人間は厳選したい、流石に男は嫌だ…))

      そう言いながら、章介の方に目を向けるクロエル。

      ((柏葉章介、君には覚悟はあるか?))

      「え…俺、魔法少女に…?」

      クロエルの問いに、キョトンとした表情で答える章介。

      ((違うそうじゃない、本当に人の話を聞かないな君は…別物だがヒーローと呼べる者にはなれるかもしれないってことだ))

      「俺が…本物のヒーローに…」

      ((その覚悟は?))

      「愚問だ!ある!」

      章介は力強くそう言いながら、拳を握る。

      ((その意気やよし!ならば…))

      「おいおい、何を勝手に話を進めてるんだよ、どうゆうことだよオイ!」

      そう言いながら、章介とクロエルの2人の会話に割って入る加藤。

      ((いや、彼の神眼の能力だけでは少々弱いからな、ちょっとフィジカル面もだな…))

      「だから!なんでこいつがヒーローになるってこと前提に話が進んでんだよ、だから何でいつもお前は勝手にだな!」

      ((いや、もう…何だかよく解らない形で能力が発動してしまったわけで、このままだと意気揚々とブレイバーズに営業かけかねない、ほっとくと何しでかすか解らない危なっかしい性格しているからね、それに神眼の能力はヴィランサイドからしたらちょっとした脅威でもあるし、能力が気付かれでもしたら本当に殺されかねない、ならばいっそのこと彼を強くし、更にこちらの監視下に置いた方が良くないかね?))

      「それは尚更こいつを危険な目に遭わすことに…」

      ((どの道もう危険な領域に入っている、柏葉章介は寺瀬詩郎ともエターナルライバルの逢沢彩人とも深く関わってるし、その2人の後ろにチラついているのがブレイバーズにおかめ党、そしてミラージュ星人だ、彼も美佳と同じく既に十分重要人物だよ、綾塚音祢と同様に元々が保護対象だったろ))

      クロエルの言葉に「面倒くせえ~」と唸るように言いながら頭を抱える加藤。

      「それで、どうするんですか?」

      そう言ってリネアが会話に割って入る。

      ((星彩のルミナと契約を結ばせ、彼を、柏葉章介を星彩のルミナのサーヴァントとする))

      「え…?」

      クロエルの言葉に意味が解らずキョトンとした顔をするリネア。

      「要するにこいつを星彩のルミナの使用人にするってこと、それのどこがヒーローなのさ?」

      わけがわからないって顔でクロエルを見るテリーサ。

      ((まあ最後まで聞きなさい、章介、君は妹の使い魔的なポジションになることに抵抗は?))

      「ない!むしろ俺が妹を守れる立場になるのなら問題なし!」

      クロエルの問いにそう即答する章介。

      ((よし、そこで変なプライドを出さないで良かった、サーヴァント契約は文字通り星彩のルミナの手足となって働くと言うことだ、それは戦闘もしかりだ、ある意味ゴーレムのようなものだ、だからそれなりの力と強靭さ、そしてすぐに回復する再生能力と優れた五感も必要となる、契約を結んだ者はそれが常人よりも遥かに高くなる、それは即ち世間で言うところの…))

      「超人!!」

      クロエルの言葉に力強く答える章介。

      ((その通り、そして君には更に姿を変えた相手を見抜く『神眼』の能力も開花した、契約したからといって上書きされてその能力が消えることはない、所謂超人の力を持ったまま『神眼』の能力も保有することが出来る、隠れた悪しき者を見抜き、強靭な力を持ってそれを打倒すもの、それは即ち…))

      「ヒーロー」

      興奮気味に声を震わせ答える章介。

      「おいおいおい、お前ら勝手に話を続けてるけどよ、肝心の契約する美佳の…星彩のルミナの了承を得てないんじゃ…」

      「いいよ、クロエルがそれで良いって言うなら、私はお兄ちゃんとサーヴァント契約を結ぶ」

      加藤の言葉を切るように、クロエルの提案を了承する美佳。

      「おい美佳…」

      「何言っても多分無駄です加藤さん、だって私のお兄ちゃんなんだから、一度やると決めたら誰が何と言おうと止まらないです」

      そう言ってニコっと笑う美佳。

      「まったく…この兄妹は…」

      半ば諦めたように溜息をつき、そう呟く加藤。

      「お兄ちゃんも…私と同じこと思ってたんだね、それなのに私…随分酷い事いってお兄ちゃんを一方的に責めてた…ごめんなさい…」

      「いいさ、馬鹿兄貴なのは変わりないからな、軽率な行動で迷惑かけまくったし、だから…本物になってその分を返したい」

      そう言って、美佳に対して照れ臭そうに言葉を返す章介。

      「馬鹿だね本当に、そんなヒーローなんて厄介なもんに自分からなろうとするなんてさ」

      章介と美佳の兄妹を見ながら、冷めた口調で言うテリーサ。

      「テリーサさん…さっきはそのスイマセンでした!」

      そう言って、テリーサに頭を下げる章介。

      「ああ、何かもう冷めたからどうでもいい」

      そう言って鬱陶しそうに手で払うような仕草をするテリーサ。

      「でも俺…やっぱりヒーロー目指したいです!今度こそ本気で!」

      「いいんじゃない、何だか星彩のルミナの力で凄い力が貰えるんなら、だけどさ…アンタの妹は私から本気でアンタを守ろうとしたんだ、だから今度はアンタが同じことするんだよ、それが出来ないようなら、今度は本当にぶっ殺すからね」

      「はい!」

      テリーサの脅しに元気よく返す章介。

      「はぁ…また上に説明しないといけないですね…」

      何だか疲れたような口調で呟くリネア、だがその表情には薄っすらと笑みが浮かんでいた。

      「あーもう好きにしろ、後で後悔しても遅いからな!」

      そう言って、心底疲れたような表情で椅子に腰かける加藤。

      ((決まりだな、さて最初に説明しておくが、今から君が手にする能力は星彩のルミナと違って変身の有無はない、平常時からその力は維持される、即ち常日頃から注意しておかないと超人的力を見られてしまうかもしれない、サッカーなどでその力が出てしまうと異次元サッカーになってしまう、日常ではなるべくその力は抑えて生活を送ってもらう、まかり間違ってもその力でサッカーの日本代表とか目指さないことだ))

      「了解…スーパーマンの気持ちが何となく解った気がするよ…」

      クロエルの言葉に苦笑を浮かべ答える章介。

      ((説明した通り、変身の有無はない、だから勿論認識阻害魔法などというものはかかっていない、星彩のルミナが魔法で君に認識阻害魔法かけることは出来るが、デフォルトでかかっているわけではない、正体は自力で隠せ))

      「星彩のルミナ正体に関しては、私があなたにルーン魔法で制約をかけて言えなくしますので」

      そう言いながら章介に対してニッコリと微笑むリネア、だがその笑顔はちょっと恐かった。

      「だからお前の正体がバレて捕まっても、お前の口からルミナの事が出てくることはないから、安心して拷問を受けろ」

      「はははは…それは安心だ~」

      加藤の言葉に引きつった表情で答える章介。

      ((君は単体でもそこそこの超人だが、ルミナが近くにいるとより力が強まる、そしてルミナが魔力を送り込むことで力にブーストがかかる、彼女と行動を共にする方がより君が強くなれる、あくまでも星彩のルミナのサーヴァントだからね))

      「なるほど、シングルよりタッグの方が良いってことか」

      「頼りにしてるからねお兄ちゃん」

      そう言って章介に微笑みかける美佳。

      ((ちなみに、身体能力が上がったからと言って格闘技術がつくわけではないからな、その辺のところは…))

      クロエルが加藤の方へ目を向ける。

      「びしびし鍛えてやるよ、ヒーローとしてやっていけるぐらいにな、翠琳、お前も日本にいる間たまに付き合え」

      加藤の言葉に小さく頷く翠琳。

      「……」

      加藤の言葉に思わず息を飲む章介。

      「ヒーローになりたいんだよなぁ?だったら多少のしごきぐらい耐えられるよなぁ、再生能力あるみたいだし」

      「ハイ…」

      ややビビり顔で答える章介。

      ((他に聞く事がないなら早速始めるか、良いな章介))

      その言葉に章介は力強く頷く。

      ((なら美佳、変身してくれ))

      「了解!」

      そして眩い光とともに、章介の目の前で妹の美佳が星彩のルミナへと変身する。

      (俺はこれから本物のヒーローになる、そしてこの大切な光を守っていくんだ)

      ((ところで、エターナルフレンドって名前はこれを機会に変えたらどうだ?))

      「エターナルスレイブでいいんじゃねーか、永遠の妹の奴隷ってことで」

      クロエルの提案にそう答える加藤。

      「それだけは勘弁してください…」

      流石にその提案だけは拒否する章介。

      (名前か…どうするかな~、それにコスチュームも新たに考えないとかもな)

      章介の気分は今とても高揚していた、星彩のルミナのオマケのようなヒーローかもしれないけれども、それでも親友と同じ舞台に立てた、今はそれがただ純粋に嬉しかった。

      能力『神眼』

      魔法や変身能力で姿を変えた何者かの正体を看破することが出来る能力。
      人間に化けた宇宙人や怪人、魔法などで姿を変えた者、変身能力を持つ怪物のライカンスロープやレギウスなどの正体を見破ることも可能。
      しかし、肉体改造したサイボーグなどのギミックなどは見破ることは出来ない。

      サーヴァント契約
      魔法少女と契約することで、その魔法少女のサーヴァントとなることなる。
      その事でフィジカルが大幅にアップ、常人を遥かに上回る身体能力とパワーを手にすることが出来る、更に強力な再生能力を持ち、大体の傷は時間とともに治る。
      尚且つ五感も常人以上となり、暗闇でも見通すことが出来る暗視能力まで備わる。
      魔法少女の近くにいればそれだけ能力も上がり、尚且つ魔法少女が魔力を送り込むことで能力に更にブーストがかかる。
      魔法少女が変身を解いても能力は継続されるので、常日頃の生活から注意が必要。

      • 旅鴉 より:

        一部誤植ありましたね、最初の方の章介くんをエターナルフレンドではなくエターナルライバルって書いてましたねスイマセン…

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