名探偵・武智恭介の謎の失踪に始まり、悪の組織ベラドンナの狩人・紅虎に誘拐されていた雨宮梨奈は、偶然監禁場所の近くを通りかかった小学生の朝霧尋紀に助けられるが、仲間のイサム=ルワン=ラーティラマートに化けた演劇部によって再捕獲されてしまった。
そして梨奈たちの行方を探していた相馬晴彦と不破詩織は山小屋の中に仕掛けられた時限爆弾の罠にかかり、イサムと尋紀を人質にして武智探偵事務所の中へ案内するよう梨奈に強要した紅虎たちは、まんまと探偵事務所から機密データの入ったハードディスクを盗み出した!
魔女降臨
ここは敵対するブラックマフィアとの抗争で壊滅した高級クラブ「Hecatia(ヘカテイア)」の代わりとして暫定的に設置された、ベラドンナの仮本部である。ここに運び込まれた武智探偵事務所のコンピューターのハードディスクは、組織のIT担当チームの手によって解析に掛けられていた。
しかし解析されたデータから出て来たのは、「今晩のおかずの献立」「青葉総合大学周辺のグルメスポット」「晴彦たち探偵事務所員の活動日誌」など他愛もない、ベラドンナにとってはどうでもいいような価値の低い情報ばかりであった。
「これはどういうことかしら?」
「…も、申し訳ございません!!💦」
ベラドンナの女首領・魔女に詰問され、解析班の責任者はさっきから滝のように冷や汗をかいている。そこへ紅虎が血相を変えて魔女のいる部屋に駆け込んで来た!
「魔女様、急いでお逃げください! この場所が警察に嗅ぎ付けられました!」
「何ですって? フッ、どうやら武智にしてやられたようね…」
何かを悟ったかのように、魔女は部下たちに速やかに避難・逃亡するよう命じるが……
「紅虎、どうしてあなたは逃げないのかしら?」
「まぁ水臭いですわ。アタシの忠誠は常に魔女様と共にありますわ💓」
「そう……全部あなたの仕業ね? 紅虎……いえ、武智恭介さん?」
「フフフッ…見抜いていましたか」( ̄ー ̄)ニヤリ
紅虎は顔のマスクを剥ぎ取り衣服を剥ぎ取ると、名探偵・武智恭介の正体を現した!
「いったい何時から紅虎と入れ替わっていたの?」
「紅虎たちがウチの事務所からハードディスクを盗み出して帰りの車に乗り込もうとした辺りです。それではネタバラシと参りましょう」
ネタバラシ
一足違いで梨奈が先刻まで監禁されていた山小屋に爆発の危機に見舞われた晴彦と詩織、そして尋紀の友達である友貞稜太と譜久里知世。しかし突然床が開き、地下に続く抜け穴から武智が現れた!
「…せ、先生!? どうしてこんなところに!?」
「詳しい説明は後だ! みんなこっちに早く避難するんだ!」
こうして時限爆弾が爆発する寸前に、晴彦たちは九死に一生を得たのである。
そしてハードディスクを盗み出した紅虎一味が車に乗って引き上げる寸前――
「ハーイそこまで! 動かないで」(^^♪
「くっ、お…お前は!?💦」
事務所から外へ出ようとした出ようとした紅虎を、外で隠れて待ち構えていた咲間警視が拳銃を突きつけて拘束した。その隙にあらかじめ紅虎そっくりに変装していた武智が本物と入れ替わってブラザーズと共に車に乗り込んでベラドンナのアジトへと帰り着いたのである。
「んんーっ!? んんぅっっ!?」
「んむむーっ!!」
「みんな、無事か!?」
「すぐに助けてあげるのです!」
その頃、ベラドンナ仮本部の部屋に監禁されていたイサム、尋紀、梨奈の3人も、武智の指示で駆けつけた晴彦と詩織によって救出されていた。
クライマックス
「フフフッ…さすがは名探偵。見事だわ武智さん」
「すでにここは警察に包囲されている。もうどこにも逃げられないぞ魔女!」
「いいえ、まだ勝負はついてはいないわ」( ̄ー ̄)ニヤリ
突然、魔女と武智の間を遮るように、魔女の前に天井から鉄格子が降りて来て武智の行く手を塞いでしまった!
「しまった!? 待て魔女ッ!!」
「いずれ決着はまたの日に。再びお会いできる日を楽しみにしているわ武智さん」
こうして魔女は屋上のヘリポートからヘリコプターに乗り込み、まんまと逃走に成功するのだった。そして一方の警察に捕まった紅虎も――
車道脇に緊急停車している警察の護送車。中に乗っていた警察官たちは全員、口から泡を吹いて気を失い倒れている。そして中から堂々と本物の紅虎が降りて来た。
「やってくれたわね武智恭介! そして探偵事務所の小僧ども!!💢 この借りはいずれ必ず返すわよ!!」
武智探偵事務所と犯罪組織ベラドンナとの長い戦いは、まだ始まったばかりのようである。
END
コメント
狐と狸の騙し合いみたいなのは好きですね、
まさか紅虎さんに化けて逆にベラドンナの拠点に侵入するとは、流石名探偵、やりますね~
190㎝以上の大男によく変装出来たな…ってツッコミはこの際なしってことですよね…
やっぱり爆発は生存フラグでしたか、とりあえず少なくとも美女が吹っ飛ばなくてなによりですね…
捕まった紅虎さんも見事に脱走、何やら学生探偵社との因縁も出来ちゃったみたいで、何やら面白くなってきましたね~
直ぐに紅虎に変装した武智氏に気づくとは、その辺りはやっぱり海千山千の魔女様ですね…
…が、最近ブラックマフィアとの抗争で派手に動きすぎたためか、警察や武智探偵などに睨まれるようになっちゃいましたね…(汗
静かなのが好きなベラドンナの狩人や猟犬などからすると、少し生きにくい環境になってきたかもですね…
> 190㎝以上の大男によく変装出来たな…ってツッコミはこの際なしってことですよね…
多分シークレットブーツでも履いていたんでしょう(;^_^A アセアセ・・・
遂に登場した武智探偵、さながら土○ワイド劇場の美女シリーズを思わせるシーンですね。旅鴉様も少々言及されておられますようにあのシリーズでの変装シーンでは時々突っ込みたくなるようなパターンも確かに少なからずあったような気がします。
魔女様はともかく、煮え湯を飲まされて腹の虫が収まらない紅虎さんは闘志満々のようで次が楽しみになりますね。
> 遂に登場した武智探偵、さながら土○ワイド劇場の美女シリーズを思わせるシーンですね。
武智探偵が魔女と対峙するシーンは、故・天知茂氏演じる明智小五郎と小川眞由美女史演じる黒蜥蜴がクライマックスで対決するシーンをオマージュしました。