首都圏にある某公立大学に通い、同じテニスサークルに所属している勢川理人、岸本愛実、平瀬倫生、藤永沙織の4人は、ある日、青き龍神ブルードラゴンによって異世界タシェニュヴルアへと召喚された。やがてタシェニュヴルアに脅威をもたらすという魔王打倒の使命を与えられた理人たち4人は、旅立ちのスタート地点となるハガルガサド遺跡を出発。龍神の導きによってアイムルナ王国の王都シハホールの北にあるドレクレフ村へとやって来た。
毎年村に若い娘を生贄に捧げるよう強要して村人たちを苦しめるという魔物を退治するため、愛実は身代わりの生贄に志願! 愛実を囮にして見事おびき寄せた化け物を退治して見せた理人たちであったが、一瞬目を離した隙に愛実の姿が消えてしまった。懸命な捜査の結果、理人と沙織の2人は村長の家へと乗り込んだ!
「まさかアンタが黒幕だったとはな、村長!」
「偽りの生贄騒動をでっち上げて、村を訪れた冒険者たちを仕掛けた罠に嵌めていたのね!?」
「い、いきなり何を…! 私には何のことやらさっぱり…」
「もう証拠は挙がってるのよ! 観念しなさい!」
「チッ、バレたからには仕方がない」
本性を現した村長は、今まで村を訪れた冒険者たちの善意に付け込んで、彼らを罠に嵌めて魔王軍に売り渡していたことを暴露した。
「どうしてそんなことを!?」
「知れたことだ! 私たち人間がどのみち魔王になんか敵いっこない! ならば今のうちに媚びを売ってこの村だけでも見逃してもらおうとしたんだ!」
「そんなことが許されると思ってるの!?」
「黙れ! 知られた以上はお前たちも生かしてこの村からは出さん! 魔王様に魂を売ったソルジャーよ、出て来い!」
村長の呼びかけに応え、家の奥から全身を鎧にまとったソルジャーが現れた。顔は兜を深くかぶっていてよく見えない。早速理人&沙織VSソルジャーのバトルが開始されるが、戦いの最中、理人の打ち込んだテニスボールがソルジャーの顔面に当たり、頭にかぶっていた兜を弾き飛ばした。なんと現れたソルジャーの素顔は愛実だったのである!
「め、愛実!? そんな…どうして!!」
「貴様ッ、愛実に何をしたんだ!?」
「この娘には暗示をかけてある。今や身も心も魔王様に捧げた忠実なる兵士なのだ!」
「嘘だッ!! 愛実、僕だ! 勢川理人だ! 目を覚ましてくれ!!」
「愛実、どうか正気に戻って!!」
理人と沙織の必死に呼びかけも空しく、愛実は容赦なく剣を振り下ろして襲い掛かって来る。
「無駄だ! その娘にはもうお前たちの声など聞こえないのだ!」
「くっ、愛実を攻撃するなんて…僕にはできないッ!」
理人と沙織はラケットを捨てて降伏した。
「よしっ、コイツらを縛り上げろ!」
「村長、確かコイツらにはもう一人男の仲間がいたはずですが…」
「そいつもこの村の警戒網からは抜け出すことなど出来ん。そのうち捕まるだろう。フフフッ」
村長配下に捕らえられた理人と沙織は、愛実を操ったあの水晶玉の前に連れて来られる。
「さあ、お前たちもこの水晶玉を覗き込むんだ!」
「くそっ、放せ! お前らなんかに操られてたまるかよ!」
「いやっ、放して! 放してったらッ!」
理人と沙織にも洗脳の危機が迫る!
つづく。
コメント
まあ生贄話は怪しいと思ってましたが、村長が黒幕でしたか、ファンタジーではあまりない展開で面白いです。
ソルジャーの正体がなんと先に捕らわれていた愛実ちゃん、これは流石に2人も手を出せませんね、こうゆう洗脳系の展開では攻撃をされながらもなんとか訴えかけるやり方の他に、心を鬼にしてぶん殴って目を覚ますってのもありますが…
「くっ、愛実を攻撃するなんて…僕にはできないッ!」
それはそうですね、大切な仲間ですし、女の子ですし、そんなん出来るかい!上〇さんじゃあるまいし…
さて、また新たなソルジャーが作られようとしているその時、あのマスコット野郎はいったいなにしてやがるんですか?
それと、倫生くんがどうして別行動しているのかも気になるところですね、次はその倫生くんのターンになりそうですね。
> こうゆう洗脳系の展開では攻撃をされながらもなんとか訴えかけるやり方の他に、心を鬼にしてぶん殴って目を覚ますってのもありますが…
他にも異性同士の場合はキスをして相手に精神的ショックを与えて眠っていた記憶を呼び覚まし洗脳状態を解除するというパターンもあります。
> あのマスコット野郎はいったいなにしてやがるんですか?
愛実の指輪の中でグースカ寝ておりますww
> 倫生くんがどうして別行動しているのかも気になるところですね、次はその倫生くんのターンになりそうですね。
ネタバレになりますが、倫生は黒ローブの男たちの中に潜入して、同じ黒ローブを着て変装して一味のふりをしながら反撃の機会を伺っております。あの水晶玉を破壊してしまえば、現在操られている全員の洗脳が解けることでしょう。