首都圏にある某公立大学に通い、同じテニスサークルに所属している勢川理人、岸本愛実、平瀬倫生、藤永沙織の4人は、ある日、青き龍神ブルードラゴンによって異世界タシェニュヴルアへと召喚された。やがてタシェニュヴルアに脅威をもたらすという魔王打倒の使命を与えられた理人たち4人は、旅立ちのスタート地点となるハガルガサド遺跡を出発。龍神の導きによってアイムルナ王国の王都シハホールの北にあるドレクレフ村へとやって来た。
毎年村に若い娘を生贄に捧げるよう強要して村人たちを苦しめるという魔物を退治するため、愛実は身代わりの生贄に志願! 自ら囮となってその魔物を退治しようというのだが…。
「ウゴゴゴゴォォッッ!!」
ついにモンスターが姿を現した! あらゆる万物を食らい尽くし、通った跡には草木一本すら残らぬと言われる暴食の魔物グラトニーだ。グラトニーは不気味な鳴き声をあげつつ、その大きな口からは強力な胃酸液を垂らしながらゆっくりと縛られている愛実に近づいて来る。
「んー!んー!(ちょっとぉー!理人ッ!平瀬くんッ!早く何とかしてよォ―ッ!!)」
自分に迫るグラトニーの禍々しい姿に、猿轡を噛ませられている愛実は悲鳴に近い呻き声を上げて、近くに待機している理人たちに助けを求める。
「この野郎ッ! 愛実に近づくなッ!!」
「そんなに何か食べたきゃこれでも食らいなッ! 行くぜッ! ファイヤーボールッッ!!」
愛実を庇うようにグラトニーの前に立ち塞がる理人。
そして倫生はグラトニーの口めがけてサーブでボールを打ち込んだ。ボールから炎が燃え上がり、無数の触手を伸ばしてこちらに襲い掛かって来るグラトニーに逆にダメージを与える。
「グギャァッ!!!ゴゴゴォォォッ!!!!!!」
「あの怪物、明らかに怯んでるわ! 今だやっちゃえー!」
「よぉーし、とどめだ!」
激励する沙織に促された理人は異常な威力のオーラを込めたスピンサーブをお見舞いした。高い軌道から落ちた直後にバウンドしたボールが命中したグラトニーは身体ごと勢いよく遠くに吹き飛ばされる。そしてグラトニーは堪らず一目散に退散して行ったのだった。
「やったぁー!勝ったぜ! 大丈夫だったか愛実?……あれ、愛実は!?」
理人たちが振り返ると、何故か愛実の姿がいなくなっていた。
「大変! 愛実がいないわ!」
「そんな! どうしてだ!? 魔物はやっつけた筈だろ?」
「愛実ィィッ!! どこに行ったんだァーッ!? 愛実ィィッ!!」
理人たち3人は手分けして懸命に探したが、ついに愛実の姿は見つからなかったのである。
「んんーっ!んんんーッッ!?(…何なのこの人たち!? もしかして、今回の生贄騒動の黒幕?)」
理人たちがグラトニーと戦っていた間、全員の彼女への注意が離れた一瞬の隙を突かれてその場から連れ去られてしまった愛実。どこかも分からない場所でくたびれたローブを羽織った正体不明の男二人組に水晶玉の前へと連行される。
「さあ娘よ、この水晶玉をよく見つめるのだ!」
「んんっ…むぐぐぐーッッ!!(いやっ!! 理人! みんな! 助けて!!)」
捕らえた愛実を催眠術にかけようとする謎の男たち。果たしてこの男たちの正体と真の目的は!?
そして愛実の運命や如何に!?
コメント
まさか本当にグロ系が出てくるとは…BIOHAZARDシリーズに出てくるクリーチャーみたいなのきた、グレネードランチャー案件でしょこれ(笑
ここでテニヌ…超テニスパワーを得た理人くんと倫生くん、見事にグラトニーを撃退、
ここはファンファーレでも聞こえてきそうなところなのですが、振り返ると愛実ちゃんの姿がない!?
どうやらあちらも囮を使っていたようですね、何か生贄話にも裏があるような気がしますね…
そして人間ですらなさそうな怪しげなローブどもに拉致られた愛実ちゃん、怪しげな水晶球を見せられ洗脳のピンチ、これは次は操られた愛実ちゃんが敵になる展開ですかね?
> これは次は操られた愛実ちゃんが敵になる展開ですかね?
第3話投稿しました。
https://okamenogozen.com/different-world-summon-part3/
短いですが、敵に操られた愛実とのバトル展開もやってみました。
ドレクレフ村編は、多分次回(第5話)辺りで完結の予定です。