サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す。
小寺洸介と別城寿莉愛は、D地区をパトロール中、怪しげな不審車を目撃し、その車が敷地内に入って行った廃墟ホテルの内部へと潜入するが…?
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
廃墟ホテルの探索
懐中電灯の白い光が、埃に覆われた床を細く切り裂いていた。
廃墟ホテルの中は、外よりもさらに空気が重く、どこか息苦しい。

小寺洸介は足元に注意しながら、ゆっくりと前へ進む。
「別城さん、そっちは何かあったかい?」
少し離れた場所から、寿莉愛の声が返ってくる。
「ううん、ダメ。何もない」
二人はロビーから通路、使われなくなった事務室らしき部屋まで、1階をくまなく調べてみた。しかし、不審な人物の気配も、車の痕跡も見当たらない。
「……空振り、かな」
寿莉愛が小さく息をつく。
「どうする? ……2階に行ってみる?」
洸介は即座に首を横に振った。
「さすがにそれは危険だ。電波も入らないし、これ以上は深入りしない方がいい」
少し考え、決断する。
「一旦ここを出よう。携帯が繋がる場所まで移動して、羽鳥さんたちに連絡を取る」
「うん、賛成」
二人は探索を切り上げ、正面玄関へ戻ろうと歩き出した――その時だった。
「……?」
洸介はふと後ろを振り返る。
「……別城さん?」
返事がない。寿莉愛はいつの間にか姿を消していた…。
「別城さん?」
声を強めても、静寂だけが返ってくる。
嫌な予感が、背筋を駆け上がった。
「そんな……別城さん! どこにいったんだ!?」
洸介は慌てて引き返し、さっきまで一緒に歩いていた通路を照らす。懐中電灯の光が揺れ、壁の染みや剥がれた壁紙が不気味に浮かび上がる。
そして――通路の曲がり角。
「うわああッッ!!」
突然、誰かとぶつかった衝撃に、洸介は思わず悲鳴を上げた。
「おい、大きな声を出すな!」
低く鋭い声が飛ぶ。
「俺だ」
「え……?」
光を向けると、そこに立っていたのは、着崩した感じの黒いスーツに身を包んだ男だった。見覚えのある顔。
「……あなたは……!?」
「久しぶりだな」
名乗らずとも、洸介にはすぐ分かった。
以前、自分を含めた報道部員たちが誘拐された事件の際、間一髪で助けに現れた人物――。
アスカロン財団の特務エージェント、
“ライトシーカー”の一員、加藤段十郎。
「……加藤、段十郎さん……!」
段十郎は周囲を警戒するように視線を巡らせ、声を潜めた。
「静かにしろ。ここは、もう安全な場所じゃない」
段十郎との再会
懐中電灯の光が交錯する中、洸介は息を整えながら段十郎を見上げた。
「……どうして、ここにいるんだ?」
段十郎の問いに、洸介はごくりと喉を鳴らし、事情を説明し始める。
「別城さんと一緒に夜間パトロールをしていたんです。そしたら、この廃墟ホテルの敷地に、怪しい車が一台入って行くのを見て……。気になって、詳しく確かめようと思って中に潜入したんです。でも、その途中で彼女とはぐれてしまって……」
話し終えると同時に、段十郎は小さくため息をついた。
「やれやれ……」
額を指で押さえ、呆れたように首を振る。
「正義感から夜間見回りをするのは結構だ。だがな、好奇心が過ぎると、こういう事態を招く」
胸に突き刺さる言葉だった。洸介は視線を落とし、素直に頭を下げる。
「……すみません」
一瞬の沈黙。
しかし、洸介はすぐに顔を上げた。
「ところで……そういう加藤さんこそ、どうしてここに?」
段十郎の目つきが、鋭く変わる。
「つい数分前だ。上江洲里恵を拉致した車が、この建物の中に入って行った」
「――――!」
洸介の背中に、ぞくりと寒気が走る。
「な……何だって!? 里恵さんが!?」
「俺はその車を尾行して、ここまで来た。たぶん、お前たちが目撃したのと同じ車だろう」
段十郎は周囲を警戒しながら続ける。
「だが、どうもこの一帯にはジャミングがかけられている。携帯も無線も完全に沈黙だ。仲間に連絡が取れん」
洸介は拳を握りしめ、即座に言った。
「分かりました! それなら、俺が外に出ます! 電波が届くところまでひとっ走りして、この場所のことをみんなに伝えます!」
段十郎は少しだけ目を細め、短く頷いた。
「今は、お前以外に頼める奴がいなさそうだ。よろしく頼む。いなくなったとかいうお前の連れの女の子のことは俺に任せろ」
そう言って、段十郎は紙切れに素早く番号を書き、洸介に渡す。
「これは、俺の相棒――リネアの連絡先だ。外に出たら、まずここに連絡しろ」
「はい!」
洸介は力強く返事をすると、懐中電灯を握り直し、踵を返した。
――別城寿莉愛の行方。
――上江洲里恵の危機。
そのすべてを繋ぐために。
洸介は一人、闇に沈む廃墟ホテルの出口へと、全力で駆け出していった。
一方、その頃の寿莉愛はというと…?

「んっ…んんっッ。んぐむむぅ!!」
同じホテル内の、とある隠された秘密の一室にて拘束・監禁されていた。
(つづく)

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