サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す…。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
紗樹の危機
玄関先の灯りが、夜の闇にぼんやりと滲んでいた。

上江洲家の二階。紗樹はベッドの上で身動きも取れず、荒い息だけが喉の奥で跳ねていた。さっきまで当たり前にあった家の静けさは、今や恐怖に塗り替えられている。――姉が戻ってきたのだと、疑いもせずに扉を開けてしまった。その一瞬の油断が、取り返しのつかない結果を招いた。
「そろそろ、行くか」
男の一人が腕時計を見つめながら呟く。男たちは二人がかりで紗樹を部屋の外へと運び始めた。
階段を下りるたび、視界が揺れる。二人の男に抱えられ、玄関へ運ばれていく途中、紗樹は必死に声にならない声を上げた。
「……んんっ……!」
「コラ、暴れるな」
「大人しくしてろ」
冷たい声が降りかかる。玄関が開き、夜気が肌を刺した、その時だった。
「紗樹ちゃん!?」
張り詰めた空気を切り裂くように、聞き慣れた声が響いた。振り向いた先に立っていたのは、佐久良彩美、逢沢彩人、柏葉章介――DRYADESの仲間たちだった。
「ちょっと、これどういうこと!?💦」
「おい、紗樹ちゃんをどうするつもりだ!」
章介の叫びが、住宅街に反響する。
「おーい! 誘拐犯だ! 誰か来てくれー!!」
一瞬の静止。男たちの顔に焦りが走った。
「やべぇ、見られた!」
「構うな、行くぞ!」
乱暴に車の後部ドアが開き、紗樹は押し込まれる。エンジン音が唸りを上げ、車は急発進した。
「待て!!」
彩人と章介が追いすがるが、距離はみるみる広がっていく。やがて彩美は息を切らし、膝に手をついた。
「もう……だめ……」
「彩美さんはここに残って、瑠璃華さんと警察に連絡を!」
「あとは俺たちで追います!」
「えっ!? ちょ、ちょっと――!」
言葉を残し、二人は闇の中を走った。角を曲がり、人影が消えた瞬間、空気が張り替わる。
「……今だ、変身するぞ!」
「了解だぜ!」

短い合図とともに、二人の姿は別の存在へと変わる。怪盗紳士エターナルライバルと、その”自称”相棒のエターナルフレンド――夜を駆ける者たちだ。
遠ざかるテールランプを視界に捉え、二人は速度を上げる。静かな住宅街の夜は、今まさに、緊迫の追走劇へと姿を変えようとしていた。
謎の乗用車
D地区の夜は、どこか不自然なほど静まり返っていた。街灯の白い光がアスファルトを照らし、二人の影だけがゆっくりと伸びていく。
報道部の小寺洸介と、DRYADESの別城寿莉愛は、並んで工業団地と住宅街の境界線を歩いていた。

「……あっ、洸介くん! あれ見て!」
寿莉愛の声に、洸介は足を止める。
「えっ?」

指差された先へ視線を向けると、黒っぽい乗用車が一台、ゆっくりと廃墟ホテルの敷地内へ入っていくところだった。錆びた門をくぐり、建物の陰へと消えていく。
「おかしいよ、洸介くん」
寿莉愛は眉をひそめる。
「ここ、もう何年も前に倒産してるんだよ? 今は完全に閉鎖されてて、中には誰もいないはずなのに」
「管理会社か不動産屋じゃないのか?」
洸介はそう言いながらも、視線を建物から離せずにいた。
「こんな真夜中に?」
寿莉愛は首を横に振る。
「それに、見て。あそこ……」
彼女が示したのは、ホテル上階の窓だった。割れたガラスの奥、いくつかの部屋に、確かに明かりが灯っている。
「絶対、何かあるって……!」
洸介は一瞬黙り込み、やがてスマホを取り出した。
「う~ん、とりあえず、瑠璃華さんと白鳥先輩に連絡してみる」
画面を操作し、通話ボタンを押す。しかし――。
「……圏外?」
何度か試しても、結果は同じだった。
「圏外ですって!?」
寿莉愛が目を見開く。
「うそでしょ? ここ、市の中心部からそんなに離れてないよね……?」
二人の間に、重い沈黙が落ちた。遠くで風が吹き、廃墟ホテルの壊れた看板が、ぎい、と軋む音を立てる。
洸介は意を決したように顔を上げた。
「……仕方ない。俺たちだけで中に入って調べてみよう」
「うん……!」
寿莉愛は小さく頷き、拳を握りしめた。
二人は足音を忍ばせ、廃墟ホテルの正面入口へ近づく。割れた自動ドアの隙間から、ほのかな光が漏れていた。
――その時、洸介たちはまだ知らなかった。
今夜、車で連れ去られた少女たちが三人いることを。
鳳凰院優、上江洲里恵、上江洲紗樹。
そして、たった今この廃墟に入っていった車に、そのうちの誰かが乗っているかもしれないという、危険な可能性を――。
不穏な予感を胸に抱えたまま、二人は闇の中へと足を踏み入れた。
(つづく)

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