海外で評判になっていた「誘拐ごっこサービス」事業がついに日本にも進出!? 鷺島国際大学報道部の看板娘キャスター・漆崎亜沙美が自ら体験取材に乗り出す!
移動?
「あれっ? 見ろよ桜庭! アパートからトラックが出て来るぜ」
「えっ! 何だって?」
コンテナの中に縛られた漆崎亜沙美と鳳凰院優の二人を押し込んで、何やら慌てた様子で急に出発するトラック。その様子を少し離れた場所から見ていた小寺洸介と桜庭陽平は不思議に思う。
「おかしいなぁ…。場所を移動する予定なんてあったか?」
「とにかく追うぞ」
洸介の運転する報道部のミニバンも、すぐさまトラックの後を追うように出発した。
やがてトラックは港の倉庫前に到着した。
「着いたぞ。さっさと降りるんだ」
「んっ!んんっ!!」
「んんっ!!」
コンテナから降ろされ、目の前の大きい倉庫の中へと連れ込まれる亜沙美と優。急に事前に取り決めた段取りが変更されて不安になる二人だったが、まだこの時彼女たちは「こういうアクシデントもあるのだろう」と楽観視して特に問題視していなかった。
人身売買
「もしもし、俺だ。トラブルがあったが上玉が二人も手に入った。ああ、きっと二人とも高値で売れるだろうぜ。今夜、予定通り出航する。ではまたその時に連絡する…」
傍でスマホをかけていた男の通話内容を聞いた亜沙美は、「ああ、なるほど。人身売買で海外に連れ去られるという設定なのね」と勝手に納得していた。最初の打ち合わせの際に、誘拐犯の犯行動機の設定については業者側に全部お任せにしていたからだ。
一方その頃、倉庫の外に停めてあるミニバンの中で待機していた洸介と陽平だったが、突然陽平のスマホに誰かから電話がかかって来た。そしてそれは誘拐サービス業者からのものだった。
「あーもしもし、鷺島国際大学報道部の桜庭です。はい…はい…えっ!? 何ですって!!💦」
「どうしたんだ…?」
電話で相手と話しながら、次第に顔面蒼白になっていく陽平の様子に気がついた洸介は、何があったのか?と尋ねる。
「業者さんから予定の時刻を過ぎても亜沙美ちゃんが指定された場所にいなくて、いったいどうなってるんだ?って、今電話で言われた…」
「そ、それってまさか…!?」
「倉庫の中にいる誘拐犯は本物だ!!💦」
つづく。
コメント
ご無沙汰しております。皆様の予想通り本物の誘拐事件に巻き込まれてしまった亜沙美ちゃんと優ちゃん。人身売買組織が誘拐サービス業者を装っていたのではなく、ちゃんと誘拐サービス業者は存在していたという点が捻ってますね。二人はどこかで異変に気付くのでしょうか。それとも知らぬが仏のまま行っちゃうんでしょうか。気になるところです。
> 二人はどこかで異変に気付くのでしょうか。それとも知らぬが仏のまま行っちゃうんでしょうか。気になるところです。
①途中で気がついて、何とか脱出を試みるパターン。
②結局最後まで気づかず、事件が解決してから真相を聞かされ、ショックで卒倒するギャグオチパターン。
どちらがいいでしょうか?
②のパターンで行った後、再挑戦‼というのもありですね。業者サイドも迷惑料とばかりに色々オプションを付けて来そうです。
オプション込みで再チャレンジは見て見たいですね(^^♪
いろいろと妄想が捗りそうです♪
これをガチの誘拐展開に繋げるのか気になってました、誘拐サービスの会社が実は犯罪組織だtったってのは無理があるな~って思ってましたから、なるほど、最初から亜沙美ちゃんが狙われてたってことですね。
自分もパターン②+bakubond様の仰る展開ってのもありだと思います、2人は最後まで気づかない方が幸せでしょうからね。
> 自分もパターン②+bakubond様の仰る展開ってのもありだと思います、2人は最後まで気づかない方が幸せでしょうからね。
誘拐ごっこチャレンジでオプション付きの次回作もありそうですね(^^♪