紅蓮の天使　第13話

悪のマッドサイエンティスト・暗黒大博士とハイテク犯罪者兄妹サイバーヴァイパーズによって誘拐された勢川理人たちを救うため、朝比奈テニスショップのオーナー・朝比奈梢こと紅蓮の乙女グリムゾンエンジェルは、デビルタワー内部で待ち構える各階の階層ボスフロアボスを次々と打ち倒して行き、いよいよ同タワーの10階に辿り着こうとしていた。そんなグリムゾンエンジェルの前に、敵に操られた勢川理人が立ち塞がる！

※文章は、chatGPTで生成しております。

光の浄化

鋼鉄の刃が火花を散らす。
グリムゾンエンジェルは勢川理人のエネルギーブレードを紙一重で回避し、逆に間合いを詰めた。

「――っ！」

次の瞬間、理人の鋭い突きが彼女の腹部を狙う。
ギリギリのところでスーツのブースターを起動し、グリムゾンエンジェルは空中へ跳躍した。

（早くしないと……！）

彼女は知っていた。
操られているとはいえ、理人の動きは洗練され、まるで機械のように迷いがない。
戦いが長引けば、彼の体への負担も増し、ダメージを受ける可能性も高まる。

――なら、早めに決着をつけるしかない！

「理人くん……ごめん！」

彼女は両腕を前に突き出し、スーツの中枢にある 神聖光波エネルギー を解放する。

「“浄化の閃光”！！」

瞬間、純白の光が爆発的に拡散した。
光は優しく、しかし圧倒的な力で理人を包み込み、その身体から暗黒の呪縛を焼き払う。

「ぐ、ああああああっ！！」

理人が苦悶の叫びを上げる。
彼の全身を覆っていた邪悪なオーラが、光に浄化されて霧散していく。

「……っ！」

しばらくの沈黙の後、理人の瞳に再び意志の光が戻った。
「……俺は……？」

「よかった……！ 正気に戻ったのね！」

安堵した瞬間、グリムゾンエンジェルの身体がふらついた。

「っ！？」

理人は咄嗟に彼女の身体を抱きかかえる。
「おい、大丈夫か！？ 今の技、相当無理したんじゃ……」

「ううん……ちょっとエネルギーを使いすぎただけ……」

グリムゾンエンジェルは弱々しく笑うが、理人はまだ心配そうに彼女を見つめていた。

「ほら、行きましょう。沙織ちゃんが待ってる！」

彼女がそう言うと、理人もすぐに気を引き締め、共に隣の部屋へと向かう。

黒いドクター

隣の部屋の扉を蹴破ると、そこには黒衣を纏い、黒いサングラスをかけた研究員が待ち構えていた。

「……ほう、君たちがここまで来るとはな」

彼は不敵に笑い、白衣ではなく黒い研究服を揺らしながら立ち上がる。

「“黒いドクター”……！」

グリムゾンエンジェルは敵の名を口にした。
暗黒大博士の助手であり、非道な人体実験を繰り返してきた科学者――それが奴らの総称である。

「まあいい。君たちが来るのは予想済みだ。だが――」

彼がスーツのボタンを押すと、部屋の奥から巨大なメカニカルアームが展開される。
「貴様らはここで――終わりだ！」

「させない……！」

グリムゾンエンジェルは体勢を立て直し、一気に間合いを詰めた。

「速いっ！？」

黒いドクターが驚愕する間もなく、グリムゾンエンジェルの拳が炸裂する。

「これで……終わりよ！」

彼女の光の力を込めた蹴りが、黒いドクターを吹き飛ばした。

「ぐあああっ！！」

彼は機械装置に叩きつけられ、そのまま意識を失う。

部屋の奥で、手術台に拘束されていた藤永沙織 がいた。

「んんーっ！！ んんーっ！！」

「沙織ちゃん！」

駆け寄るグリムゾンエンジェルに、口から猿轡を外してもらった沙織は涙ぐみながら声を震わせた。

「グリムゾンエンジェル、助けに来てくれたのね……！」

「当たり前でしょ！」

「ごめんなさい、あなたの言うことを聞かずにタワーの上に登ってしまって…」

「そのことはもういいわ。あなたたちが無事なら、それでいい」

沙織の縄の拘束を解き、理人も彼女の肩に手を添える。

「藤永さん、もう大丈夫だ。下で倫生も待ってるってさ」

「勢川くん……！」

グリムゾンエンジェルは微笑みながら、そんな二人の姿を見つめているのだった。

最上階で待つ影

──デビルタワー最上階。

そこは漆黒の闇に包まれた広間だった。
巨大なモニターには、グリムゾンエンジェルが勢川理人の洗脳を解き、黒いドクターを打倒し、藤永沙織を救出するまでの一部始終が映し出されている。

「んっ、んんっ…!!」

傍らに置かれた椅子に縛られている状態で座らされている岸本愛実と一緒にその映像を見つめながら、闇の支配者暗黒大博士は不気味な笑みを浮かべた。

「フフフッ……これで全ては儂の計算通りだ」

椅子の肘掛けを軽く叩きながら、彼は満足げに呟く。

「“浄化の閃光”……実に厄介な技だが、逆に言えば、グリムゾンエンジェルがそれを使うたびに消耗していくということでもある。今日一日のうちに二度も使った今、彼女のエネルギー残量は極めて少ないはず……」

鋭い瞳がモニターに映るグリムゾンエンジェルの姿を射抜く。
彼女の呼吸はやや乱れ、先ほど理人に支えられたときのふらつきが、消耗の証拠となっていた。

「今こそが、グリムゾンエンジェルを倒す最大のチャンスだ……！」

カツン

博士が杖を床に軽く打ち鳴らすと、彼のすぐ後ろに立っていた二つの影が前に出た。

一人は金色に輝く強化装甲スーツに身を包み、精悍な顔つきの青年。
もう一人は同じく黄金のバトルスーツを身にまとった妖艶な女性。

彼らこそ、暗黒大博士の最強の刺客──

「サイバーヴァイパーズ」の兄・ソーラと妹・リリスである。

「いよいよお前たちの出番だぞ」

博士が低く告げると、ソーラは自信満々に腕を組み、不敵な笑みを浮かべた。

「任せときな！」

黄金色のバトルスーツが微かに駆動音を響かせながら、ソーラの筋肉質な身体を覆う。
彼の背後に装備された巨大な太陽光エネルギージェネレーターが、小さな光の粒子を放ち始めた。

妹のリリスもまた、唇を吊り上げながら、爪を撫でるようにして挑発的な態度を見せる。

「必ずグリムゾンエンジェルを仕留めてみせるわ……！」

彼女のスーツには、蛇の鱗のような金属プレートが組み込まれ、柔軟性と防御力を兼ね備えている。
さらに、手のひらには微細な電撃を帯びた黄金の鞭が巻き付いていた。

「フハハハハ！　よいか、お前たち！」
暗黒大博士は二人に向かって高らかに宣言する。

「グリムゾンエンジェルは、すでに弱っている！ 今こそ我が計画の総仕上げの時！ 必ずあの女をここで仕留めるのだ！」

「了解！」

「楽しませてもらうわ……！」

──まもなく、最上階へと続くエレベーターが上昇してくる。

その中には、残る最後の人質である愛実を助けるため、消耗しながらもなお闘志を燃やすグリムゾンエンジェルがいた。

サイバーヴァイパーズの兄妹は、獲物を狩る蛇のごとく、黄金に輝く装甲を纏いながら、ゆっくりと戦闘態勢に入る。

グリムゾンエンジェル VS サイバーヴァイパーズ──

いよいよクライマックスの激闘の幕が、今、上がろうとしていた。

つづく。

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