グラビティ・ブレイカーズ 第8話

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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
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祖父の明徳から、張天喜の過去と竜門会との関りを聞いた久我美輝たち。しかし明徳からは竜門会に手を出すことを固く禁じられる。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

周翠琳との出会い

 夕方の街に沈む太陽の光が、「祥龍園」の跡地に無残にも崩れ落ちている看板を赤く染めていた。周囲の店からも客のいなくなった時間帯、人気のない通りを歩いていた久我美輝の目に、一人の少女の姿が映る。

 東洋的な美貌に、黒髪を団子頭にまとめたその少女は、緑のカンフー服にショートパンツという奇抜な出で立ち。明らかに一般人ではない。

(あいつ……どこか怪しい)

 直感的にそう感じた美輝は、物陰に身を潜めて尾行を始めた。少女は周囲に目もくれず、まっすぐに路地裏から廃工場へと向かっていく。まるで何かを知っているかのように。

 工場の鉄扉の前で、彼女がふと立ち止まった。

「……ついて来てるの、気づいてるよ」

 振り返った少女の目は、無感情に見えるが、どこか研ぎ澄まされていた。

「お前……竜門会の仲間だな!? 恋中さんと聖佳さんをどこにやった!!」

「……は?」

 少女が困惑したように眉を寄せるより早く、美輝はその場に飛び出して拳を振るった。が、彼女は難なくそれをかわし、鋭い蹴りを返す。

 火花を散らすような激しい攻防。

「……こ、こいつ、手強い!」

「この子……なかなかやるわね」

 少女はその場で軽やかに旋回し、太極拳の型を見せながら美輝の攻撃を流していく。だが、戦いが続く中で、二人の間に奇妙な共鳴が生まれていた。

 その時――

「いたぞォ!!」

 廃工場の奥から、黒スーツ姿の男たちが数人現れた。その胸元に刻まれているのは、竜門会の龍紋の刺繍。

「貴様、アスカロン財団ライトシーカー、周翠琳だな!?」

 美輝が目を見開く。

「えっ……!? じゃあ、君は……」

「だったら、どうするの?」

 周翠琳――名乗るまでもなく、静かに構えを取る彼女。

「そこにいるガキと一緒にまとめて片付けてやるぜ!」

 竜門会の手下たちが襲い掛かる。が、美輝と翠琳は背中を預け合い、無言のうちに共闘を開始した。

「誤解して悪かった!」

「いい。今は倒すことに集中して」

 翠琳の手に、護手双鈎が現れる。その刃が月光を受けて妖しく輝いた。気功の気流が彼女の体を包み、美輝の拳に渦巻く重力のオーラが炸裂する。

 二人の連携は、最初こそぎこちなかったが、次第に呼吸が合い始める。

「うおおおおっ!」

「雷破――咒!」

 翠琳が雷符を天に放ち、雷撃が閃光となって敵を焼き払う。その隙に美輝が跳び上がり、回し蹴りで最後の一人を地に沈めた。

周翠琳は、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XL(Anime General)で生成しました。
背景は、Leonardo.AiのモデルDreamshaper v7で生成しました。

 廃工場の静寂が戻る。敵は全滅。

「……助けられた」

 翠琳は短く礼を述べ、目を伏せた。

「僕の方こそ……ごめん。いきなり襲いかかって」

「この仕事をしていれば、よくあること」

 それだけを言って、少女はゆっくりと歩き出す。

「……待ってくれ。君、竜門会のことを何か知ってるなら、教えてくれないか。大切な仲間が、連れていかれたんだ」

 足を止めた翠琳は、静かに振り返る。

「それなら……私も、手伝ってもいい」

 その声に、感情はほとんど乗っていない。それでも、美輝には確かに伝わった。

 この少女は、信じられる――と。

翠琳と明徳

久我美輝の実家――横浜内にある〈久我鍼灸整骨院〉は、時折風鈴の音が鳴る静かな古民家風の建物だ。どこか昭和の香りを残すたたずまいに、訪れる患者たちは心まで癒やされて帰っていくという。

その玄関先に、美輝と、緑のカンフー服を纏った少女――周翠琳が並んで立っていた。

翠琳は目を細め、懐かしむような表情で小さく呟いた。

「変わっていないわね、この匂い……」

玄関を開けたのは、白衣姿の老人――久我明徳だった。美輝の祖父であり、気功と拳法の達人でもある。

「……おや?」

目を細めた明徳は、翠琳の顔を見た瞬間、ぱっと表情を綻ばせた。

「お久しぶりです、明徳ミンドゥー先生」

翠琳はいつもの無表情な顔で、ぺこりと丁寧に頭を下げる。

「やあ、いらっしゃい。随分と久しぶりだね、翠琳ちゃん。もう……三年ぶりになるかな?」

「二年と十ヶ月です」

「はは、相変わらず正確だねえ」

そのやり取りに、隣で美輝が目を白黒させた。

「えっ!? じいちゃん、この人と知り合いなの!?」

明徳は軽く頷きながら、美輝を手招きした。

「そうだとも。翠琳ちゃんは、アスカロン財団の一員だ。お前がまだ中学生の頃、この町に数ヶ月ほど滞在していたんだよ」

「アスカロン……財団? それって、世界中のスーパーヒーローを支援してるっていう……あの?」

「ああ。その通りじゃ」

明徳の言葉に、美輝の目が見開かれる。その少女が、そんな世界的な正義の組織の一員だとは、想像もしていなかった。

翠琳は美輝に視線を向け、淡々と口を開いた。

「私は今、日本でも活動を活発化させ始めた竜門会の動きを調査している。彼らが何か大きな行動を起こす気配があるから」

「竜門会……!」

言葉に詰まる美輝。誘拐された七香と聖佳の姿が頭をよぎる。

翠琳は続けた。

「あなたの拳法の腕前、さっきの戦いで見せてもらった。……悪くない。基礎はしっかりしてる。でも、今のままでは竜門会の幹部クラスには太刀打ちできない」

「そ、そうなのか……」

「明徳先生。彼に“あの技”の修行をさせてあげてください。彼には……資質がある」

その言葉に、明徳の表情が曇った。

「それは……簡単には決められん。あの奥義は、命を削る可能性もある。そもそも、ワシは美輝を危険な道に巻き込みたくないんじゃ」

翠琳は、一歩前に進み、はっきりとした声音で言った。

「でも、美輝くんはもう巻き込まれている。仲間を救いたいという意思を持って、戦うと決めた。だからこそ、力が必要なんです」

しばしの沈黙が流れた。

美輝は祖父の顔をまっすぐ見て、強く頷いた。

「お願いだ、じいちゃん。オレに修行をつけてくれ。強くなって……恋中さんたちを助けたいんだ!」

明徳は深いため息をつき、ゆっくりと椅子に腰を下ろした。重いまぶたを閉じ、長年の記憶の中から何かを探るような、そんな表情。

やがて目を開き、静かに言った。

「……分かった。そこまで言うなら、ワシも腹をくくろう。美輝、お前に“金剛爆心掌”の修行をつけてやる」

「よっしゃあ!」

思わず拳を握る美輝。しかし、その隣で翠琳が無感情な声で忠告した。

「奥義会得のための特訓は、ハードで過酷だよ。骨が折れるくらいじゃ済まないかもしれない。覚悟は、いい?」

「もちろん出来てる!」

美輝は真っすぐ前を見据え、力強く答えた。

「……でも、そうこうしてる間にも恋中さんたちが……っ」

その不安を口にした瞬間、翠琳は首を振り、静かに答えた。

「心配いらない。今、私の仲間たち――アスカロン財団の諜報部が、彼女たちを追っている。私たちがここで修行している間も、誰かが必死に動いてくれてる」

その言葉に、美輝の胸の中の霧が少し晴れた気がした。

――ならば、自分に出来ることは一つ。

戦うための力を身につけること。

仲間を助けるために、絶対に強くなると決意する美輝であった。


 こうして、グラビティ・ブレイカーズに一時的ながら新たな仲間が加わることになった。

 名は――周 翠琳チョウツイリン

 雷と剣の乙女。

 竜門会との因縁を秘めた、静かなる戦士であった。

(つづく)


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コメント

  1. bakubond より:

    >「そうだとも。翠琳ちゃんは、アスカロン財団の一員だ。お前がまだ中学生の頃、この町に数ヶ月ほど滞在していたんだよ」

    「アスカロン……財団? それって、世界中のスーパーヒーローを支援してるっていう……あの?」

    「ああ。その通りじゃ」

     明徳翁がどの程度アスカロン財団と接点を持っているのかは存じませんが、翠琳ちゃんがアスカロン財団のライトシーカーであることを把握しているあたりその接点はかなり深そうですね。まあ、アーロン現会長とは反りが合わなさそうですからデビッド名誉会長の線といったところでしょうか。千秋ちゃんのお爺様である岳玄翁とも知己がありそこからブレイバーズにも顔が利くなんてこともありそうですね。

     “金剛爆心掌”の修業を始めることになった美輝君、将来的には翠琳ちゃんと組むライトシーカーになるんでしょうかねえ。まだまだ道は長そうですが…。未練がましくてすみません。
     
     

     
     

    • > アーロン現会長とは反りが合わなさそうですからデビッド名誉会長の線といったところでしょうか。千秋ちゃんのお爺様である岳玄翁とも知己がありそこからブレイバーズにも顔が利くなんてこともありそうですね。

      明徳老人がアスカロン財団の会長や名誉会長クラスの偉いさんにまでコネがあるかは分かりません(せいぜい中間管理職の日置支部長と面識がある程度のような…)が、稲垣岳玄とは確かに面識があってもおかしくはなさそうですね。そういえばBRAVERS EDITION編にまだ岳玄爺さん出てなかったなぁ……。

  2. JUDO より:

    緑チャイナ姿の翠琳ちゃんに萌え萌えズキューン❤
    きっと、下はスリット付きのチャイナミニスカと考えてよろしいんですよね!?

    • > きっと、下はスリット付きのチャイナミニスカと考えてよろしいんですよね!?

      大変恐縮ながら、「緑のカンフー服にショートパンツ」って書いてますよ。

  3. 旅鴉 より:

    もはや残骸と化したかつての中華料理店「祥龍園」、そこで緑のカンフー服にショートパンツの奇妙な美女を発見する美輝くん、怪しいのであとをつけてみたら、あっさりと尾行に気づかれる。

    >「お前……竜門会の仲間だな!? 恋中さんと聖佳さんをどこにやった!!」

    >「……は?」

    >少女が困惑したように眉を寄せるより早く、美輝はその場に飛び出して拳を振るった。

    七香ちゃんのことで頭がいっぱいになり冷静さを欠いている美輝くん、問答無用で先制攻撃!
    …ちょいまち、お前は狂犬か…見境なさすぎだろ、もうこれ弘樹くんと同種なのでは…?

    成り行きで戦いとなった2人、だがそこは竜門会がアジトに使っていた廃倉庫の1つ、まだ後処理班が残っていたのか、バタバタと現れる竜門会の構成員たち。

    >「貴様、アスカロン財団のライトシーカー、周翠琳だな!?」

    翠琳ちゃんすっかり有名人、まあ色んなところで暴れ回ってんだろうなライトシーカーども…
    ここで自分の勘違いに気づく美輝くんは、拳を交えた相手と今度は共闘することに。

    護手双鈎と術を駆使して戦う翠琳ちゃんかっけえっす!

    そして、竜門会構成員を蹴散らした後、竜門会の事を知ってる翠琳ちゃんに協力してもらえることとなり、2人で久我家に向かうと…なんと爺ちゃんが既に翠琳ちゃんと知り合いだった。
    アスカロン財団とも繋がりがありそうですし、本当にこの爺さんの人脈って…
    本当にこの人って実はかなりの大物なんじゃなかろうか…?

    >千秋ちゃんのお爺様である岳玄翁とも知己がありそこからブレイバーズにも顔が利くなんてこともありそうですね。

    この爺さんならありそうですね…

    そして、七香ちゃんを助けたいという美輝くんの思いを汲んでか、翠琳ちゃんが明徳爺さんに、美輝くんに奥義“金剛爆心掌”の伝授を申し出る。

    なんか、超必殺技っぽい響きですね~、でもリスクもありそうですよね、そりゃまあ超必殺技ですから…

    それ故に渋る明徳爺さんだが、愛孫の切な願いに根負けし、奥義“金剛爆心掌”の伝授することに、
    これで強キャラの仲間入りですね美輝くん…五体満足で済めばの話だが…七香ちゃんと聖佳ちゃんを助けるだけの余力が残っていれば良いのですが…

    >“金剛爆心掌”の修業を始めることになった美輝君、将来的には翠琳ちゃんと組むライトシーカーになるんでしょうかねえ。まだまだ道は長そうですが…。

    まあ特殊変態揃いのライトシーカー、美輝くんも更に何かが覚醒すると将来的にあるかもですね、先は長そうですが。

    あ、ちなみに、見た目少女ですが、翠琳ちゃん20歳ってプロフィに書いちゃいましたが…年齢変更した方が良いでしょうか?
    それかどう見ても十代に見える20歳のままの方が良いでしょうか?

    • > アスカロン財団とも繋がりがありそうですし、本当にこの爺さんの人脈って…
      > 本当にこの人って実はかなりの大物なんじゃなかろうか…?

      「その筋の世界」では、それなりに顔と名前を知られている人物なのかもしれませんね。
      管理人も大体「裏にそういう設定があるんだろうな」という想定で久我明徳のキャラクター像を組み立てています。

      > それかどう見ても十代に見える20歳のままの方が良いでしょうか?

      20歳のままでお願いします。最近は成人していても可愛い女性タレントさんのことを「美少女」って言ったりもしますし、「美女」と言われると、どうも管理人には途端に熟女=オバサンが思い浮かんでしまうイメージがありまして(;^_^A アセアセ・・・

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