文秋砲リメイク　第7話

武智探偵事務所を訪れた人気アイドル・琴川玲奈は、週刊誌の熱愛報道によるデマとそれに関わる深刻なストーカー被害を訴え、その対策を依頼して来た。

しかし玲奈の所属事務所の社長・天満菊枝から一方的な契約破棄を通告されてしまったイサム=ルワン=ラーティラマートと不破詩織は、玲奈の親友で同じく人気アイドルである椎穂亜弥を新たな依頼人として迎えて捜査を続行していたが、闇の芸能プロダクションの放った刺客のスナイパーに襲われた危ういところをアスカロン財団のエージェント・加藤段十郎に助けられた。

※一部文章は、chatGPTで生成しております。

関係者、一堂に会する。

　武智探偵事務所のオフィス室内に、張り詰めた空気が漂っていた。

　イサム＝ルワン＝ラーティラマートと不破詩織、アスカロン財団の加藤段十郎とリネア＝F＝ヴァイザー、琴川玲奈のマネージャーである日高、そして玲奈の親友であり、同じく人気アイドルの椎穂亜弥。

　彼ら六人は、探偵事務所の中央にあるテーブルを囲み、一つの真実を求めていた。

　段十郎は無造作にテーブルに分厚いファイルを投げ出し、低い声で告げた。

「天満菊枝──琴川玲奈の所属事務所の女社長だが、数年前に投資に失敗し、その上、高級ブランド品を買い漁る浪費癖も災いして、多額の借金を抱えていたらしい」

「その弱みを闇の芸能プロダクションに突かれて、奴らの仲間に引き込まれたわけか……」

　イサムが険しい表情で呟いた。

「その借金の穴埋めのために、玲奈さんを売り飛ばしたなんて許せないのです！」

　詩織の拳がテーブルに叩きつけられた。彼女の怒りが部屋の空気を一層張り詰めさせる。

「さて、問題は琴川玲奈の今現在の居場所なわけだが……」

　段十郎はチラリと横を向いた。その視線の先には、縄で縛られたまま部屋の隅に胡坐をかいて座る男の姿があった。彼こそが先ほど生け捕りにした、闇の芸能プロダクションの手先であるスナイパーの男だ。

「琴川玲奈は今どこにいる？」

　段十郎が冷ややかに問いかける。

「晴彦と梨奈ちゃんもどこにいるんだ!? どうせお前たちがどこかに連れ去ったんだろ!?」

　イサムも詰め寄った。しかし、男は不敵な笑みを浮かべるばかりで、沈黙を貫いている。

「喋りたくないなら、喋りたくなるようにしてやってもいいんだぜ？」

　段十郎の口調が一段と冷たくなる。

「フンッ、無駄だ。俺はあらゆる拷問に耐え抜く訓練を受けているんだ。闇の芸能プロダクションを舐めないでもらおう」

　スナイパーの男は嘲笑するように言い放った。

「リネア！」

　段十郎が名を呼ぶと、リネアは一歩前へ進み出る。

「わかりました。ここは任せてください」

　リネアはそっとスナイパーの男の前にしゃがみ込み、微笑を浮かべた。その眼差しが一変し、妖しく煌めく。

　彼女は古き魔女の血を受け継ぐ生粋の魔女。一族に伝わる「魅了（チャーム）」の力を持つ者だった。

　魔力を込めた眼差しと声が、スナイパーの男の意識を緩やかに包み込んでいく。

「ねぇ、あなた……私のこと、好きになったのでしょう？」

　リネアの甘やかな囁きが、男の鼓膜をくすぐる。

「……あぁ……そうだな……」

　スナイパーの男の表情が弛緩し、目がとろんと潤む。

「だったら、私の頼みを聞いてくれますか？」

「……あぁ……玲奈は……彼女をストーキングしていた、生田敦信の父親の別荘に……」

「相馬晴彦君と雨宮梨奈さんは？」

「週刊文秋編集部の近くにある、喫茶店の向かいの廃墟ビルに……監禁されている……」

「ありがとう。とってもいい子ね」

　リネアが微笑むと、スナイパーの男は恍惚とした表情を浮かべ、緩やかに首を縦に振った。

　その瞬間、亜弥の表情が凍りついた。

「……生田くんが……玲奈を……？」

　彼女の唇が震え、言葉が掠れた。

「そんな……生田くんは……私と玲奈と同じクラスメイトで……成績も優秀で、誰からも人気のある品行方正な生徒だったはずなのに……！」

　玲奈を付け狙っていたストーカーが、まさか自分の知る少年だったとは──。

　亜弥の顔は驚愕と悲しみ、そして裏切られたショックで歪んでいた。

「……信じられない……」

　彼女の呟きが、静寂に包まれた室内に沈んでいった。

いざ、救出へ！

晴彦と梨奈の監禁場所を突き止めたイサムと詩織は、ひとまず亜弥と日高マネージャーのことは段十郎とリネアに任せて、すぐさま仲間の救出に向かった。

「…な、何だてめぇたちは!?💦」

「晴彦と梨奈ちゃんを返してもらうぞ！ 詩織ちゃん、今のうちに二人を！」
「分かったのです！」

廃墟ビルの中に乗り込んだイサムが見張りの男たちと戦っている間に、詩織は発見した晴彦と梨奈を縛っている縄を解こうとする。

「んんーっ！！んんーっ！！💦」
「んむぐぐぅっ！！💦」
「どうしたのです？二人とも」

詩織が固く結ばれた縄を解こうと奮闘している最中、猿轡越しに何かを訴えているように必死に呻き声をあげる晴彦と梨奈。不審に思った詩織は、とりあえず先に梨奈の猿轡を口から外すが――

「詩織！ このビルに爆弾がッ！！」
「…ば、爆弾!? それは本当なのですか!?💦」

その瞬間、晴彦たちがいた階が轟音と火花と共に大爆発を起こした。果たして晴彦、梨奈、イサム、詩織の4人の運命は！？

つづく。

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