安土市内で失踪した大学生の捜索・救出作戦を命じられた獅場俊一と寺瀬詩郎の二人は、何故かアフリカのナミビアに向かうことに…。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
ウィンドフック・ホセア・クタコ国際空港にて
ナミビア共和国の首都・ウィントフックから東へ四十二キロ。
乾いた赤土の大地に囲まれたウィンドフック・ホセア・クタコ国際空港に、獅場俊一と寺瀬詩郎を乗せた旅客機が静かに降り立った。

空港ロビーに足を踏み入れると、地球連邦軍の制服姿の若い女性が勢いよく手を振っているのが目に入った。ピンク色の髪を軽やかに揺らし、こちらに駆け寄ってくる。
「あっ!ここです!こっちこっち!!」
「アンタが現地の案内人か?」詩郎が目を細めて声をかける。
女性はピシリと背筋を伸ばして敬礼した。
「地球連邦軍統合参謀本部から参りました、セレスティア=スパークル少尉です。よろしくお願いします!」
俊一もすぐに姿勢を正し、丁寧に返す。
「こちらこそよろしくお願いします、スパークル少尉」
彼女はぱっと笑顔を浮かべ、両手を振って首を横に振った。
「いえいえ、どうか気軽に“セリィ”と呼んでください。それじゃあ、これからお二人をオメガ・ヴェール基地へご案内します!」
「……オメガ・ヴェール基地だって!?」
俊一と詩郎は思わず顔を見合わせた。
オメガ・ヴェール――それはナミブ砂漠のど真ん中にあり、ネット上のUFOマニアやオカルト陰謀論者たちがこぞって噂する“禁断の施設”。「政府が異星人の死体を隠している」「UFOの試作機が眠っている」など、まことしやかな情報が飛び交う曰くつきの場所である。
詩郎が鼻を鳴らす。
「長官、またえらく怪しいとこにブチ込んでくれるな……」
「でも、それが真実なら確かめるしかないさ」俊一は苦笑を浮かべながらも、すぐに気を引き締め直す。
セリィは二人を促し、駐車場に停めてあった四輪駆動車へと案内する。最新型の軍用ジープは砂漠走行仕様に改造され、通信アンテナが派手に突き出している。
運転席に飛び乗ったセリィは、張り切った様子でエンジンを始動した。
「ではでは、しゅっぱ〜つ!……あれれ? えっと、ワイパーのスイッチが……わわっ!💦」
突如フロントガラスに勢いよくワイパーが動き出し、乾いた砂埃を空しくこすった。
「お、おい……大丈夫か、この子?💦」詩郎が思わずぼやく。
「だ、大丈夫です!ちょっと手がすべっちゃっただけで!」セリィは慌てて操作を直し、顔を真っ赤にして笑った。
ジープは赤土の大地を蹴り上げ、ナミビアの空の下を駆けていく。
その行き先は――陰謀と謎に包まれたオメガ・ヴェール基地であった。
砂の中の目
ナミブ砂漠の大地を四輪駆動車で数時間。赤褐色の砂丘が地平線の果てまで続く中、ようやく一行は人造の影を目にした。
鉄柵と監視塔に囲まれたセキュリティゲート。そこには地球連邦軍の軍事施設らしい厳重な警備が敷かれていた。

運転席のセリィが胸を張って身分証を提示する。
「地球連邦軍統合参謀本部、セレスティア=スパークル少尉です。任務のため二名を随伴しています!」
「ご苦労様です」
警備兵は敬礼し、あっさりと通行を許可した。
ゲートを抜けると、整然と並んだ施設群が広がっている。砂漠の只中とは思えぬほど整備された敷地内の一角――その建物の入口で、一人の白髪の初老の軍人が待っていた。鋭い眼光と堂々たる風格。
「地球連邦軍・統合参謀本部、ジェームズ=T=マシューズ大佐だ」
その声に促され、俊一は一歩前へ。
「ブレイバーズ・シグフェル隊所属、獅場俊一です」
「同じく、寺瀬詩郎だ……じゃなくて、です」
ついいつもの癖でタメ口で話しかけそうになり、慌てて敬語に言い直す詩郎に、大佐の口元がわずかに動く。だが咎める様子はなく、重々しく頷いた。
「中へと案内しよう。ついて来てくれたまえ」
そう言うと、大佐は懐から数枚の書類を取り出した。
「……だがその前に、今この場でこの書類にサインしてもらう」
俊一が目を通し、眉をひそめる。
「大佐、これは……?」
「ここで見聞きしたことを一切口外しないとする守秘義務を記した誓約書だ。この基地の実態を詳しく知る者は限られている。日本政府はもちろん、アスカロン財団すらも知らない。知っているのは、地球連邦政府の首脳部と、ごく一部の官僚、そして我々統合参謀本部の選ばれた軍人、それに君たちブレイバーズの長官くらいのものだ」
俊一と詩郎は顔を見合わせ、すぐにペンを取り、迷いなく署名した。
地下へと向かうエレベーターに乗り込むと、大佐は低い声で続けた。
「前の大戦――堕神戦争の折、地球は未知の異星文明や異世界とファーストコンタクトを果たした。それはもはや公然の秘密だ。だが地球連邦政府は、いまだにそれを公式には認めていない」
「知っています」俊一は頷き、さらりと告げた。
「俺も……魔人銃士団ゼルバベルとの戦いで、異世界に渡ったことがありますから」
「――なに!?」
思わず声を上げたのは詩郎だった。
「おい俊一、それ本当か!?」
「……あれっ、まだ詩郎には言ってなかったっけ?」
俊一の何気ない爆弾発言に、詩郎は目を剥く。横で聞いていたセリィも、ぱちくりと瞬きを繰り返し、口をあんぐりと開けていた。
「まあ、詳しいことはいずれ暇なときにでも話すよ。長くなるからさ」
俊一は二人の反応に肩をすくめて笑った。
その瞬間、マシューズ大佐がわざとらしく咳払いをした。
「コホンッ……」
エレベーターは静かに停止音を鳴らし、重々しい駆動音とともに、エレベーターの扉が左右に開いた。
次の瞬間、俊一と詩郎の視界に飛び込んできたのは、想像すらしていなかった光景だった。
地下都市
「……こ、これは……!」
そこに広がっていたのは、地底の空洞全体を覆う巨大なドーム都市。人工太陽のような光源が天井に輝き、昼のような明るさを地上から数百メートルは下にあるこの空間へと注いでいる。
広大な居住区には近代的なビル群が立ち並び、その合間を縫うように広場や緑地が配置されていた。だが目を引いたのは建物や街並み以上に、そこに暮らす人々の姿だった。

地球人と思しき市民に混じって、背の高い異星人が悠然と歩き、透明な鱗を持つ種族が露店で買い物をしている。そのすぐ傍らでは、剣と鎧に身を包んだ騎士風の青年がパンを齧り、 細長い耳を持つエルフの少女が談笑していた。魔導師らしいローブ姿の老人は、地球人やエイリアンの子供たちに光の魔法を披露して拍手を浴びている。
「こ、こんな……異世界の住人と、エイリアンと、人間が……一緒に暮らしているなんて……!」
詩郎の声は震えていた。
マシューズ大佐は腕を組み、静かな誇りを込めて言った。
「見たまえ。これがオメガ・ヴェール基地の真の姿だ。ここは地球連邦政府が密かに築いた〈共存実験都市〉――異世界と宇宙、そして地球の住人が交わり、平和裡に共に暮らすための拠点なのだ」
俊一は目の前の光景に息を呑み、胸の奥に熱いものがこみ上げるのを感じた。
「……これが、本当の意味での“未来”なのかもしれないな」
(つづく)
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