BRAVERS EDITION episode.103

BRAVE SUCCESSION
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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
※アフィリエイト広告を利用しています。

ブレイバーズ稲垣千秋は、天舟島にある安城重工の装備実用化試験センターに一人出張していたが、そこで企業による政府補助金横領の不正事件に巻き込まれる。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

変身不能と貴き来訪者

暗く狭い通路を、足音が響き渡る。
ブーツの底が床を打つたび、稲垣千秋の息は荒くなっていた。
「はぁっ……はぁっ……っ、どこか……抜け道……!」

施設内を熟知した警備員たちに追われ、千秋は何度も角を曲がり、階段を上り下りしたが――

行き止まりだった。

前方に閉じたセキュリティ扉。背後から、懐中電灯の光がじわじわと近づいてくる。

(こんな所で捕まってたまるもんですか……!)

千秋は叫ぶように、腕を前に突き出した。

ブレイブシフト!

しかし――

沈黙。

眩い蒼の閃光も、装着音も、何も起こらない。

「……えっ?」

千秋はもう一度叫んだ。

ブレイブシフト!

……だが、やはり応答はなかった。デバイスは何の反応も示さず、ただの金属のように沈黙している。

「ど、どうして……!? なんで変身できないの……!?」

そのとき、不意に冷たい笑い声が廊下に響いた。

「フハハハハ……そういうことだよ、稲垣千秋くん」

千秋が振り向くと、そこにいたのは谷茂岡泰利だった。背後には、警備員たちが陣を組んで立ち並んでいる。

「お前がさっき飲んだコーヒー……あれに混ぜた薬はただの睡眠薬ではない。体内のレギウス因子を抑制する特製薬剤が仕込まれていたんだ。おかげで48時間、お前は変身不可能ってわけだ」

「な……んですって……!?」

愕然とする千秋の表情に、谷茂岡の顔が歪んだ笑みを浮かべた。

捕まえろ!

号令と同時に、警備員たちが雪崩のように押し寄せる。千秋は叫びながら、素手で必死に抵抗した。

「やめなさいッ! 離しなさいってばッ!!」

跳び蹴り、肘打ち、肩当て――
その場にいた数人を倒すも、多勢に無勢。やがて両腕を押さえられ、地面にねじ伏せられてしまう。

「やっ……放してよ!! 何すんのよ!!」

「てこずらせおって……地下倉庫にでも閉じ込めておけ!」

谷茂岡が吐き捨てるように命じると、千秋は引きずられるようにして連行されていった。

彼女の目には、口惜しさと怒り、そして牧村光平獅場俊一、仲間たちの顔がよぎっていた――。


谷茂岡は、すっかり満足気な顔で所長室へと戻ってきた。腕組みをしながら、つぶやく。

「これでブレイバーズの小娘一匹、始末完了……あとは記録を消して、事故死にでも見せかければ…」

だがその安堵を、無残に打ち砕く声が響く。

「じょ、常務ッ! 大変です!」

息を切らして飛び込んできたのは、開発主任の棚池悦男だった。

「何だ、棚池。騒々しい!」

「たった今、明日香お嬢様が、桟橋に到着されました!」

「……なに?」

谷茂岡の表情が一瞬で凍りついた。

「予定では明後日のはずだぞ!?」

「しかし、お嬢様の秘書の話では、今朝になって急に『天舟島のプロジェクトが気になる』『ブレイバーズの方が来ているなら、ぜひ直接会ってご挨拶したい』と……!」

「チッ……!」

谷茂岡は舌打ちした。口元を引きつらせ、苛立ちを隠そうともしない。

安城アリアドネ明日香
安城ホールディングスの社長令嬢にして、安城グループ全体の後継者候補。彼女が無邪気に“挨拶”などと言って突如現れたことで、今やこの島の空気は一変する。

「くそっ……あの世間知らずのお転婆が……! よりによってこんな時に……!」

だが、無視するわけにはいかない。明日香は、安城重工などという一介の子会社を遥かに超越する存在――“財閥”の権威そのもの。

「……仕方ない。出迎えの準備をしろ! 私もすぐ向かう!!」

「は、はい!」

棚池が駆け出していく中、谷茂岡はスーツの襟元を正しながら、心中で呻いた。

(まずい……このままだと、すべてが……明日香お嬢様に悟られたら……!!)

その裏で、地下の倉庫室に閉じ込められた千秋は手足を縛られて猿轡まで口に噛まされ、変身用のデバイスも、さっき脱出に使用したレーザー発生装置付きブレスレットも全て取り上げられてしまったが、まだ決して消えぬ火種のように心に闘志を灯し続けていた――。

稲垣千秋イラストは、KazuHanabi様。
背景は、Stable Diffusion Onlineで生成しました。

「んっ、んんっ…!!」

そして運命は、思わぬ形で再び動き始めようとしていた。

偽りの歓迎、真実の探訪

天舟島の小さな桟橋に、穏やかな海風と共に一艘の豪華クルーザーが静かに接舷した。
陽光を跳ね返すように白く輝く船体から、まず降りてきたのは、ふわりと風に揺れる白いベルト付きの半袖ミニワンピースに、白いショートブーツを履いたブロンドの美少女だった。

やわらかに微笑むその顔立ちは、年の頃こそ高校生くらいに見えるものの、纏う雰囲気はどこか王女めいて気品があった。

――安城アリアドネ明日香
安城重工を傘下に持つ巨大財閥、安城グループの令嬢であり、グループ全体の未来を担う存在だ。

安城アリアドネ明日香と八雲睦美は、無料AI画像ジェネレーター:テキストでAIアートを創造 – SeaArt AIのモデルNLイラストリアスで生成しました。

その後ろに続いたのは、冷たい視線をしたもう一人の女性。
黒いロングヘアに、黒革のミニスカートと膝下丈のブーツ、サテンの長袖ブラウスという姿で、冷ややかな鋭さを纏っている。

彼女の名は――八雲睦美
明日香の付き人兼ボディーガードであり、かつて諜報機関での訓練も積んだ才媛である。

二人の姿を迎えるべく、センター職員たちは桟橋に整列し、緊張した面持ちで頭を下げる。

「これはこれは明日香お嬢様……ようこそお越しくださいました。こんな辺鄙な島に足をお運び頂き、大変、光栄の極みでございます」

そう口を開いたのは、センター責任者である安城重工の常務、谷茂岡泰利
一見丁重な笑顔の裏に、彼の動揺が滲んでいた。

「お忙しいところ、突然お邪魔するようなことをしてしまって、大変申し訳ありません」

明日香は可憐に会釈しながら答える。だが、その笑顔はどこか探るような色を含んでいた。

「いえいえ、滅相もない! お嬢様のご訪問は我々にとって何よりの光栄。決して“お邪魔”だなんて……!」

谷茂岡は薄笑いを浮かべ、額の汗を拭って言葉を続ける。

「ところで、お嬢様……。予定では到着は明後日と伺っておりましたが……?」

「ええ。確かこちらに、ブレイバーズの方がいらしていると聞きました。お名前は、稲垣千秋さん…だったかしら? この際だから是非、ご挨拶をしたくて」

谷茂岡の眉が微かに引きつる。

(まずいな……なぜその名前を知っている……?)

だが、表情には一切出さず、極めて滑らかに答えた。

「稲垣さんでしたら、ちょうどテストが早く終わりまして……先ほど、お帰りになられました」

「……帰った? まぁ、それは残念。お会いできるのを楽しみにしていたのですけれど」

明日香はそう言いながら、ひとつ小さく首を傾げた。
その目の奥に、じっと水面を見つめるような知性の光が宿る。

「ともかく、お疲れでしょう。まずはセンター内のVIPルームへご案内させていただきます。きっとご満足いただけるかと」

「ありがとうございます。睦美さん、参りましょう」

「はい」

二人は谷茂岡に促されるまま、センターの奥へと足を踏み入れていく。
その背を見送りながら、谷茂岡は心中で呻いた。

(まさかこのタイミングで、あの小娘が現れるとは……。厄介なことになった)

――そして、明日香と睦美は、センター内の豪奢な内装が施されたVIP専用ルームへと通される。

「それでは、どうぞごゆっくりお過ごしください」

谷茂岡がドアを閉めて姿を消す。

……だが、彼女たちがこの島に来た真の目的は、まだ誰にも知られていない。

盗聴と偽装の密談

扉が静かに閉まると同時に、空気が切り替わる。
豪華なソファとガラステーブル、壁には現代アート風の装飾画。まるで高級ホテルのスイートルームのような内装のVIPルーム。

「ふぅ、さて……ようやく二人きりですね」

明日香が微笑を浮かべてソファに腰を下ろす。
その傍らで、八雲睦美がすぐに立ち上がり、部屋を見回し始めた。

(小声で)「話すのはまだ早いです。どうせこの部屋、盗聴されてますから」

鋭い視線で観葉植物、調度品、天井のライト、壁の時計と、順番に精査していく睦美。
指先には細密な金属製ツールが仕込まれており、見た目にはわからない巧妙な動作で探知機を操作していく。

「……やっぱりね。ここ、マイクが二つと、カメラが一つ仕掛けられてます」

明日香はまったく動じず、紅茶のカップに手を添えたまま微笑む。

「うふふ、やっぱりそうだったのね。怪しいとは思ってたの」

「こういう時だけ鼻が利くのは感心しますけど……。さて、と」

睦美はツールで盗聴器と監視カメラの配線を器用に操作し、仕掛けられていた盗聴マイクと隠しカメラに偽の音声と映像を流し始める。

画面には、明日香がソファで眠たそうにうとうとしている様子と、睦美がスマホをいじっているだけの映像がAIでリアルタイム生成され、カメラを通じて外部へ送られるようになった。

「さ、これでもう安心ね。谷茂岡も、きっと馬鹿正直にこの偽映像を信じるでしょう」

「すごいですわ、睦美さん。まるでスパイ映画のようですのね」

「スパイじゃなくて、正式な社長命令による極秘調査です」

明日香は茶目っ気たっぷりに言う。

「でも、本来ならあなた一人が命じられた極秘任務に、わたくしも“無理やり”同行しているんですもの。ちょっとは役に立たなくちゃ」

「“無理やり”って……。社長があなたに泣きつかれて根負けしただけでしょう。私の任務なのに」

「それでも、パパ……じゃなくて、父は最後には『睦美がいるから大丈夫だろう』って許してくれましたわ。つまり、睦美さんの責任重大ですのよ?」

睦美はため息をつく。

「……やれやれ。明日香さん、何があっても決して危ないことはしないでくださいね。あなたにもしものことがあれば、私は社長に顔向けできません」

「わかっています。でも、ちゃんと調べないといけませんもの。安城重工で、父の知らないところで何か重大な問題が起きている可能性がある。……わたし、そんなの放っておけません」

明日香の表情が、普段の天真爛漫な笑みから少しだけ引き締まる。

「……ところで、睦美さん」

「なんです?」

「さっき谷茂岡常務が言っていた、ブレイバーズの稲垣千秋さん。あの人……本当に帰ったと思います?」

その問いに、睦美はわずかに目を細めた。

「……どうも臭いますね。私たちを稲垣千秋と会わせたくない意図がありありと見えました」

「つまり、千秋さんは――」

まだこの島のどこかにいると考えるべきでしょうね」

二人の視線が静かに交わった。

天真爛漫な令嬢と、冷静沈着な護衛。
しかし今この瞬間、二人は誰よりもこの島の“真実”に近づこうとしていた。

「では、行きましょうか、睦美さん」

「ええ。扉の向こう側に、“嘘”が待ってます」

――部屋の外は既に、見せかけの安全な世界ではない。
だが、それでも彼女たちは進む。真実に手を伸ばすために。

安城アリアドネ明日香と八雲睦美の“探偵劇”が、静かに幕を開けた――。

(つづく)


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コメント

  1. 旅鴉 より:

    「ブレイブシフト!」

    大切なことなので二度繰り返す千秋ちゃん、しかし、なにもおこらなかった!
    なんかギャグっぽいシーンですね、危機的状況ですので緊迫感のあるシーンの筈なのですが…

    そこに悠々と現れる谷茂岡、

    >「お前がさっき飲んだコーヒー……あれに混ぜた薬はただの睡眠薬ではない。体内のレギウス因子を抑制する特製薬剤が仕込まれていたんだ。おかげで48時間、お前は変身不可能ってわけだ」

    と下卑た笑いを見せる谷茂岡、48時間ってのがキーワードっぽいですね、でもこの薬って対レギウス兵器に転用出来ませんか、変身解除させるのとかに?

    変身出来なければただちょっと強いぐらいの女の子、善戦するも多勢に無勢、取り押さえられてしまう千秋ちゃん、このままでは事故死に偽装され始末されてしまう…
    …っと思ったら、突然親会社の御令嬢、安城アリアドネ明日香嬢が、予定を早め、急遽抜き打ちのご訪問!
    そのお蔭で、とりあえず〇されずに監禁されるだけで済んだ千秋ちゃん、だが脱出道具は取り上げられ縛られ猿轡をされ、最悪な状況、まあこっちとしてはその方が楽しめるのですが。

    さて、暢気に視察に来られた御令嬢…っと思いきや、この明日香嬢はなかなか強かな御人のようで、
    部屋に案内された途端…さっそく見つけ出した監視カメラと盗聴器に偽の音声と画像を流すという細工をする睦美さん、流石かつて諜報機関で働いていただけのことはありますね。

    これはただの視察で来たのではなく、社長直々に命じられた極秘調査のようで…って本来は睦美さんだけで、お嬢様無理矢理ついてきたのか、思った以上にお転婆お嬢のようですね…

    次回はこの2人の活躍がメインのようで、その間千秋ちゃんは少しは足掻いてくれるのでしょうか?

  2. S-A より:

    お待ちかねの明日香ちゃん登場、ですが見かけと違って非常に行動的でポジティブなお嬢様でした。睦美さんはボディガードであると同時にお嬢様が暴走してやらかすのを防ぐためのお目付け役でもあるのかな?という気もします。ともあれこの状況で歓迎される訳も無く、これは早速2人のDIDシーンが期待できるでしょうか?
    一方予想通り再捕獲された千秋ちゃんですが、「体内のレギウス因子を抑制する特製薬剤」なんて谷茂岡は一体どこで入手したんでしょうね。最初から千秋ちゃんを罠に嵌める気だったようですが。さてこれから千秋ちゃんの脱走→捕獲のループになるようですが、案外早く明日香ちゃん達と合流できそうでもありますね。その後3人揃って捕まったりするかもしれませんが。

  3. bakubond より:

     皆様の御期待を受けて遂に明日香ちゃんと睦美さんが登場しました。キャラクターの考案者として恐悦至極に存じます。

     睦美さんが明日香パパの密命を受けて内部調査に乗り出すのは予想通りではありましたが、明日香ちゃんはどう絡んでくるのかと思ったら無理矢理ついてきたという形にしましたか。睦美さんを信頼して同行を許した明日香パパも懐の深い御仁のようで…。

     千秋ちゃんに会いたくて急遽予定を繰り上げた明日香ちゃん、怪しい空気を敏感に感じとったりする辺りなかなかにしっかり者のようですね。この後二人は千秋ちゃんを発見、救出に乗り出すものの睦美さんは明日香ちゃんを人質に取られて抵抗できず。三人一緒に縛られてしまうということになるんでしょうね。

     睡眠薬と一緒に盛られたレギウス因子抑制剤、これもまた本編における霧崎総合病院におけるレギウス因子研究の成果の一つと言えるでしょうね。こうした派生物はほかにも色々とありそうな気がします。

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