BRAVERS EDITION　episode.58

闇の忍び集団・弥御影一族に誘拐されたレイチェル=アスカロンを救出するため、牧村光平は追跡の末に辿り着いた山中の敵のアジトへと単身乗り込む。

※文章は、一部chatGPTで生成しております。

忍者との戦い

忍びたちが一斉に襲いかかった。

　光平はすぐに地を蹴って後方へ跳躍、襲い来る刃を紙一重でかわした。次の瞬間、目の前に迫る忍者の腕を掴み、巧みに体重を乗せて投げ飛ばす。叩きつけられた忍びが呻き声を上げる間もなく、別の二人が左右から鋭い斬撃を繰り出してきた。

　光平はその動きを見切り、体をひねって刃をかわしながら、右の忍者の懐に飛び込む。強烈な肘打ちが相手の顎を直撃し、次いで左足を払ってバランスを崩させた。倒れかけた忍者の背を蹴り上げ、その勢いで後方にいたもう一人の忍びへとぶつける。

　「なっ……おのれッ！」

　残った忍びが焦りを滲ませた声を上げる。しかし光平は答えず、一気に間合いを詰めると、拳を鋭く突き出した。その一撃は見事に忍びの腹部を打ち抜き、苦悶の声を漏らしながら相手は崩れ落ちた。数分も経たぬうちに、忍者たちは全員沈黙した。

　その時、場の空気が一変した。

「ほう……なかなかの腕前よのう」

　低く響く声と共に、重々しい足音が響く。現れたのは、漆黒の頭巾を被り、隆々たる筋肉を誇示する巨漢の僧兵――闇牙坊あんがぼうだった。彼の手には長大な錫杖が握られている。その鋭い装飾の先端が鈍く光り、禍々しい気配を放っていた。

「次はお前が相手か？」

「力こそ正義、強者こそが掟よ。お主がどれほどのものか、試させてもらおうか！」

　闇牙坊が地面を踏み鳴らすと、廃工場の床が揺れた。そして、錫杖を大きく振るい、風を切る唸りを上げながら光平へと襲いかかる。

　光平は素早く身を翻し、かろうじて攻撃を回避。しかし、次の瞬間、闇牙坊が驚異的な速さで錫杖を振り下ろす。光平は腕をクロスさせて防御するが、その圧倒的な力に弾き飛ばされ、背後の鉄骨に激突した。

「ぐっ……！」

　激痛が走る。闇牙坊の力は並外れている。生身のままでは分が悪い。光平は歯を食いしばり、立ち上がる。

「どうした？ もう終わりか？」

　闇牙坊が嘲笑う。光平は拳を握り締め、静かに呟いた。

「いや、むしろ――ここからが本番だ！」

　彼の全身が炎の光を帯びる。右腕を大きく天に掲げ、「翔着シグトランス!!」と力強く叫んでシグフェルの姿に変身しようとした、まさにその時――　

　「そこまでだ！」

　奥から鋭い声が響いた。光平が反応して振り返ると、まだ残っていた闇牙坊配下の忍者の一人が忍刀の切っ先を縛られているレイチェルの喉元に突きつけていた。

「これ以上無駄な抵抗をすると、この女の命はないぞ！」

「卑怯なッ！！」

「フハハ！！バカめ！ 忍びに卑怯もへったくれもないわ！」

「んんんぐむぅー‼ んんむぅっんぐむぅっ‼」
「コラッ!! 大人しくせんかッ!!」

　レイチェルは「私には構わないで！」と訴えるように懸命に首を横に振り、必死に口に貼られたガムテープ越しに呻き声を上げている。

「くっ、分かったよ。降参だ。煮るなり焼くなり好きにしろ…」

　光平を両手を上げ、投降の意思を示す。それを見て、闇牙坊はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。

「フフフッ…さすがは天凰輝シグフェル、いい覚悟だ！」

光平、絶体絶命！

捕らえられた光平は、特殊な拘束台で四肢を大の字に拘束されてしまった。

「くっ！ 俺を一体どうするつもりだ！？」

「お前のためにわざわざ特注で造らせた、特殊合金製の拘束台よ！ いかにお前でもシグフェルに変身前の姿では、この拘束から自力で抜け出すことなど出来まい！」

　そう言うと闇牙坊は、部下の忍者に時限爆弾をセットさせた。

「10分後に爆発します」
「よしっ、引き上げるぞ」
「待て！ レイチェルはどうした！？」
「あの女なら、あの部屋に縛ったまま放置しておるわ。二人仲良くあの世に行け！」
「俺はどうなってもいい！ せめて彼女だけでも解放してやれ！」
「そうはいかぬわ。アスカロン財団の重要人物をみすみす生かしておく理由はない。忍びに情けなど期待せぬことよ！」
「貴様ァァッッ!!」

　光平の怒りの叫びを無視して、闇牙坊たちはさっさと廃工場から引き揚げてしまった。刻一刻と迫る爆発までのタイムリミット。果たして光平は、この窮地を乗り切ることが出来るのか！？

つづく。

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