BRAVERS EDITION episode.55

BRAVE SUCCESSION
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※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※掲載されている画像の無断転載を禁じます!
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※文章は、chatGPTで生成しております。

光平とレイチェル、幼き日の交流

――今から15年ほど前の出来事。

 まだ幼少だった牧村光平は、少し緊張した面持ちで広大な邸宅の庭を歩いていた。

 今日、彼は父の牧村陽一郎まきむら よういちろうに連れられて、この豪邸を訪れていた。ここはデビット=アスカロン氏の邸宅であり、世界有数の大富豪でありながら、多くの慈善活動にも尽力している人物だった。父とデビット氏が重要な話をしている間、光平はこの庭で時間を過ごすことになった。

 だが、どう過ごせばいいのかわからない。

 光平は当時、まだ内気で人見知りな性格だった。初めて訪れる場所、見知らぬ人々――それだけで、心がそわそわと落ち着かない。

 そんな光平の前に、彼から見て年上の中学生か高校生くらいの年頃に見える一人の少女が現れた。

「ねえ、君がコーヘーでしょ?」

 紺色の髪が陽の光を浴びてきらめく。活発そうな瞳を持つ少女が、まっすぐに光平を見つめていた。彼女こそ、この邸宅の主であるデビットの孫娘、レイチェル=アスカロンだった。

「え……あ、はい」

 思わず頷く光平。すると、レイチェルはにっこりと笑った。

「やっぱり! おじい様から聞いたわ。あなたのパパとおじい様が退屈な話をしてる間、君はここで自由にしてていいんだって」

 そう言って、彼女は光平の手を引いた。

「せっかく広いお庭なんだから、遊びましょうよ!」

「え……?」

 光平は戸惑った。誰かと遊ぶこと自体、久しぶりな気がする。ましてや、初対面の相手と遊ぶなんて――。

「ねえ、走るのは得意?」

「え、いや……その……」

「じゃあ、かけっこ勝負! よーい、ドン!」

 レイチェルは一方的に宣言すると、笑顔で駆け出した。戸惑いながらも、光平はその後を追う。彼女の後ろ姿を見ながら、少しずつ、心が軽くなっていくのを感じた。

 庭を駆け、花壇の間を抜け、噴水のそばで追いついたとき、レイチェルはくるりと振り返った。

「やるじゃない! コーヘー、もっと速く走れるんじゃない?」

「えっと……」

「次はこっちよ!」

 光平が答える暇もなく、レイチェルはまた別の方向へ走り出した。彼女の明るく積極的な性格に、光平は振り回されるばかりだった。

 でも――。

 嫌ではなかった。

 むしろ、こんなふうに誰かと無邪気に遊ぶのは、いつぶりだろう。

 その後も、二人は庭で鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、草花を観察したりと、時間を忘れて遊び続けた。最初こそぎこちなかった光平も、次第に緊張がほぐれ、自然と笑みがこぼれるようになっていた。

「コーヘー、笑うとかわいいじゃない!」

 そう言ってレイチェルが笑うと、光平は少し恥ずかしくなって俯いた。

 そのとき、遠くから父の声が聞こえた。

「光平、そろそろ帰るぞ」

 遊びに夢中になっていたが、どうやら時間が来てしまったらしい。光平は名残惜しそうにレイチェルを見た。

「もう行っちゃうの?」

「……うん」

 レイチェルはしばらく考え込んで――やがて、光平の手を握った。

「また遊びに来てね。約束よ!」

「……うん、約束」

 光平は小さく頷いた。

 こうして、彼にとって忘れられない思い出が、一つ増えたのだった。しかし光平とレイチェルは、この日以後しばらく再び会うことはなかった。15年後のあの日になるまでは――

帰郷

そして15年後の現在――

 鹿児島の青く澄んだ空の下、牧村光平は静かに墓前に立っていた。

「父さん…母さん……」

 彼が小学6年生の時に起きた飛行機事故。その日、光平は両親――父・陽一郎と母・エメリアを失った。毎年、この日になると、彼は必ず故郷に戻り、墓前で手を合わせる。

 だが、今の彼はただの弔問客ではなかった。

 光平は今や、スーパーヒーロー「天凰輝シグフェル」として幾多の戦いを勝ち抜き、地球防衛組織ブレイバーズの若き長官として世界の平和を守る存在となっていた。前回のとある事件をきっかけに長官職の役職停止処分を受け入れていた光平は、その期間を利用して実家のある鹿児島に帰省していた。彼の父方の実家である牧村家は、江戸時代は薩摩藩主島津家に仕えていた薩摩藩士の家柄であり、戦後は二代に渡って国会議員を輩出した地元でも名士の一族である。

 静かに合掌し、両親への誓いを胸に刻んだ後、光平は墓地を後にし、ある場所へと向かった。

 彼が訪れたのは、地元(鹿児島5区)選出の衆議院議員、伊吹正和いぶき まさかずの事務所だった。

「おやっさん!」

 事務所の扉を開けると、懐かしい顔が振り向いた。

「やあ、光平くんじゃないか! 鹿児島に帰って来てたのか」

「おやっさんが地元に戻ってると聞いて、ちょっと顔を出してみました。お邪魔じゃなかったですか?」

「君と私との仲で水臭いぞ。たまには顔を出しなさい」

 伊吹正和――彼は長年にわたり、牧村家を支えてきた男だった。光平の祖父・靖臣、そして父・陽一郎の二代に仕えたベテラン秘書であり、陽一郎が不慮の最期を遂げた後、牧村家の地盤を守るために、光平が成人して被選挙権年齢に達するまでの中継ぎとして国会へと飛び込んだ。

「私としては一日でも早く光平くんに選挙区を引き継いでもらって、肩の荷を下ろしたいんだがねぇ……」

「またその話ですか? 前にも言ったはずですよ。そもそも俺は政治家の世襲には否定的です。それに、家業を継ぐことだけが、父の遺志を受け継ぐことではないと思ってますから」

「分かっとる。仮に今もし君の親父さんが――陽一郎さんが健在だったとしても、息子に自分の地位を引き継がせることを無理に押し付けようとはしなかっただろう」

 伊吹は一刻も早く「大政奉還」したい気持ちをぐっと堪えながら、光平の意思を尊重した。だが、そのまま話題は別の方向へと進む。

「光平くん、最近ある噂を耳にしてね……来島士門くるしま しもんのことだ」

「来島さんが? 何かあったんですか?」

 来島士門――現職の与党衆議院議員であり、かつては父・陽一郎の僚友だった男。光平も子供だった頃から彼をよく知っている。

「どうやら、ブレイバーズ長官の交代を画策して、水面下で暗躍しているらしい」

「まさか……」

 光平の表情が強張る。父の親友だったはずの男が、自分を引きずり降ろそうとしている――?

「信じられないかもしれんが、来島は油断のできない男だ。君の親父さんも生前、彼のことを隠れた野心家として警戒していた」

「……父さんが?」

「表向きは誠実な政治家に見えるが、何かを企んでいる可能性がある。光平くん、君も気をつけるんだぞ」

 伊吹の言葉が胸に重く響いた。

 父の旧友が、自分の敵となるかもしれない――。そんな現実が、静かに光平の心を締めつけていた。

思いがけない再会

 昼の鹿児島市街を歩く牧村光平の足取りは、先ほど伊吹正和から聞かされた話の重みを反映して、いつになく沈んでいた。

(来島士門がブレイバーズの長官の座を狙っている……本当なのか?)

 父・陽一郎の親友だった男がそんな野心を抱いているなど、にわかには信じがたい。しかし伊吹は「油断するな」と念を押していた。政界の暗闘など、光平にとっては縁遠い話のはずだったが、今や自分もその渦中にいるのかもしれない。

 考え込んでいたその時、突然、何かにぶつかった。驚いて顔を上げると、目の前には長い紺色の髪を風になびかせた若い女性が立っていた。

レイチェル=アスカロンは、Leonardo.AiのモデルLeonardo Anime XL(Anime General)で生成しました。

「助けて!」

 息を切らせた彼女は、光平の腕を掴んで訴えた。「追われているの!」

 次の瞬間、黒服の男たちが数人、通りの向こうから現れ、たちまち光平と女性を取り囲んだ。彼らの鋭い視線が彼女に向けられている。

「そのレディをこちらに引き渡してもらおう!」

 男たちのリーダー格らしき屈強な男が、威圧的な態度で光平に迫る。だが光平は一歩も引かなかった。

「この状況で素直に渡すっていう方が無理な話だな。彼女が嫌がってる以上、お前たちに渡すわけにはいかない」

「ならば、力づくででも……!」

 黒服の男が拳を振り上げた。次の瞬間、光平は一瞬の隙を突いて、その腕を取り、華麗に投げ飛ばした。路上に転がる黒服の男たち。しかし彼らも只者ではない。すぐさま立ち上がり、今度は数人がかりで光平を襲う。

 だが、彼はスーパーヒーローだ。そして幼少期からずっと、祖父と父から薩摩示現流の剣術と琉球空手の極意を叩き込まれて育った武術の達人でもある。

 一撃、また一撃と正確無比な拳が男たちを捉え、次々と戦闘不能に追い込んでいく。やがて最後の一人が倒れ込むと、光平は女性の手を取り、路地裏へと駆け込んだ。

「こっちだ!」

 雑踏の中に紛れ込みながら、光平は息を切らせる彼女を見た。

「大丈夫か?」

「……ええ。助けてくれてありがとう」

 彼女の声はどこか懐かしさを感じさせた。だが、そんなことを考えている余裕はない。

「事情を聞かせてほしい。君は、一体何者なんだ?」

 ビル街の隙間の暗がりの中で、女性は微笑を浮かべた。その顔を見た瞬間、光平は不思議な既視感を覚えた。

 彼女は一体何者なのか。

 そして、なぜ追われていたのか。

 ――答えは、まだ霧の中だった。

つづく。


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コメント

  1. S-A より:

    光平君過去に既にレイチェル本部長と会っていたとは…この頃は小学校低学年くらいかな?この時の出会いが今後の伏線になってきそうな気が大いにします。それにしてもレイチェルさん若々しいですね(まあ私は三十路美女も守備範囲ですが)。さて現在の彼女ですが、単に観光旅行で日本に来たとも思えませんが何か思惑があるのでしょうか。
    一方の来島士門、ただのモブかと思っていましたが以外とキーパーソンになってきそうですね。

    • > 光平君過去に既にレイチェル本部長と会っていたとは…この頃は小学校低学年くらいかな?

      あえてこの当時の年齢はボカシてますが、今の光平の年齢が20代前半だと考えると、当時は大体それくらいの年齢だったとお考えいたたければOKだと思います。

      > まあ私は三十路美女も守備範囲ですが

      最近の女性声優さんや特撮ヒロイン出身の女優さんは、本当に30代になっても(中には下手をすると40代になっても!?)若々しくて可愛い人が多いですよね。管理人みたいな特撮&アニメファンの目に「補正」がかかっているのか? 女優さんの日頃からの若さと美を保つための努力の賜物なのか? 昔に比べて今の化粧品や美容技術が著しく進歩しているのか?(;^_^A アセアセ・・・

      > 一方の来島士門、ただのモブかと思っていましたが意外とキーパーソンになってきそうですね。

      このままヴィランとしてセミレギュラー化しそうです( ̄ー ̄)ニヤリ

  2. 旅鴉 より:

    まさか牧村氏とレイチェルが昔に出会っていたとは、これが牧村氏の初恋だったら面白いですが、まあ多分この頃にはもう優香ちゃんと出会ってるでしょうから。

    そして、15年後に意外な形での再会!

    おい、レイチェル、なんだその恋愛漫画のパンを咥えて「遅刻遅刻~」みたいなベタなぶつかり方は!
    これがレイチェルじゃなければ敵と疑ってるところですが、これで牧村氏と接触完了ってところでしょうか、多分部下であろう追っての男ども…ご愁傷さまです…いやガチで追われてたってことはないですよね?

    そして…とうとう来島氏の野心を牧村氏が知ってしまいましたね、盟友と思っていた相手が自分の敵と知ってしまった今、これからどうするべきなのか、
    う~ん、名前が出たってことは今回も来島氏が出てきそうですね、でもあんな裏でネオブラックマフィアとつるんでたような奴が新たなブレイバーズの長官ですか、一応アーロン・ギブソンも身辺調査はしているでしょうから、怪しい動きをする奴を新たな長官にはしないとは思いたいですが…

    • > まさか牧村氏とレイチェルが昔に出会っていたとは、これが牧村氏の初恋だったら面白いですが、まあ多分この頃にはもう優香ちゃんと出会ってるでしょうから。

      いや、案外初恋かもしれませんよ!
      光平が優香ちゃんと知り合うのは中学生の高校受験時(高校への進学直前)のタイミングですから、まだこの頃は光平は優香ちゃんとは面識はないですね。光平と優香ちゃんの出会いに関するエピソードを、管理人が昔やっていた『闘争の系統』という企画で投稿した記憶があるのですが、どこに書いたか忘れてしまいました(;^_^A アセアセ・・・

      https://tousounokeitou.jimdofree.com/
      https://jbbs.shitaraba.net/anime/411/

      もし光平とレイチェルの関係を知ったら、優香ちゃん嫉妬待ったなし!💦

      > う~ん、名前が出たってことは今回も来島氏が出てきそうですね、でもあんな裏でネオブラックマフィアとつるんでたような奴が新たなブレイバーズの長官ですか、一応アーロン・ギブソンも身辺調査はしているでしょうから、怪しい動きをする奴を新たな長官にはしないとは思いたいですが…

      いよいよ次期ブレイバーズ長官の座を巡る暗闘が水面下で蠢き始めたようです。アーロン会長が光平の後釜にどんな人物を擁立して据えようとしているのか?も気になりますね。

  3. JUDO より:

    光平くん過去パート・・・年齢換算すると、台詞にもあるようにもう少しで被選挙権取得となる20代前半?ヒーローとしては、ちょうど適齢期といっていいんでしょうかね?
    となると、レイチェル女史の年齢は適齢期越えのさらに上に・・・(;^_^A

    公的組織?故にブレイバーズの一筋縄ではいかない一面がまた見れた気がしますね。いつか、壮大な対立劇が・・・!?

    • > 光平くん過去パート・・・年齢換算すると、台詞にもあるようにもう少しで被選挙権取得となる20代前半?ヒーローとしては、ちょうど適齢期といっていいんでしょうかね?

      牧村光平、沢渡優香、錦織佳代の3人は、BRAVERS EDITION編では大学は卒業済みという設定ですので、大体20代前半ですね。お酒も飲めます(^_^;)

      > となると、レイチェル女史の年齢は適齢期越えのさらに上に・・・(;^_^A

      後ろから誰か来ますよ!((((;゚Д゚))))ガクガク

      > 公的組織?故にブレイバーズの一筋縄ではいかない一面がまた見れた気がしますね。いつか、壮大な対立劇が・・・!?

      光平たち主要メンバーは一枚岩ですが、問題は外部からの干渉ですね。
      アスカロン財団のアーロン会長や加藤段十郎のように方針やイデオロギーの違いから懐疑的に見られて対立したり、来島士門のように政界に巣くう醜い大人たちの欲望に振り回されそうになったりと、いろいろ大変みたいです(;^_^A アセアセ・・・
      JUDO様のブログの「ゼウス」の方は、もうすでに上層部自体が完全に腐っているようですが、(この場で尋ねていいのか分かりませんが…)いずれゼウスに見切りをつけたヒーローたちが独自に新組織を立ち上げる展開とかあったりするのでしょうか?

      • JUDO より:

        果たして、ゼウス上層部自体が腐っているのか、一部の反乱分子勢力がいるのか・・・それとも、それとも、既にゼウス自体が大首領JUDOに・・・げふん、げふん!!
        とりあえず、時空を越えた野望に立ち向かっているヒーローたちの活躍にご期待くださいませ!!

        • > 既にゼウス自体が大首領JUDOに・・・げふん、げふん!!

          正義の組織が悪側に乗っ取られてるじゃないッスか!?((((;゚Д゚))))ガクガク
          平成令和ライダーでちょくちょくあるパターンですな。
          もうゼウスの組織正常化が望めないとなると、新組織の設立計画待ったなしですね。

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