プロローグ
※bakubond様の強制最終章でのコメントより引用。
洋間に設えられたTVモニターに画像が入ってきた。
「これはどなたですかな?」
洋間の主である老人は言った。TVモニターに映った明らかに地球人とは異なる顔をしつつも変形した背広を思わせる宇宙人と思しき人物が答えた。
「これは失礼。私はディド恒星系第三惑星ボンド星から来たボンド星人という者。もしかしたら以前地球人に身をやつしてお金を稼がせていただいた時にお会いしていたのかもしれないので初めましてというのは少し言いかねますが…」
老人は笑いながら返した。
「いえ、私の方も少し記憶が曖昧なのでお気になさらないで結構ですよ宇宙人の方がどのようなご用件ですかな」
ボンド星人は答えた。
「実は私どもはこの地球で一定期間に若い男女を何人誘拐できるかというゲームを計画しておりましてね。あなたにも少しご協力をいただければと思いましてこうして挨拶をさせていただいておりますが、正体をさらしている上にこんなTVモニター越しという不躾な形になったのはお詫びします」
老人の目が光った。
「まあ、そこはお気になさらずに。で、どのような協力をすれば?」
ボンド星人は言葉を続けた。
「実はあなたのところになかなか優秀なメイドがいると聞いておりまして、進行役として彼女をお借りできないかと」
老人は少し拍子抜けしたように答えた。
「そんなことでしたか。よろしいですが、現在彼女はちょっとしたイザコザで負傷して療養中の身です。回復を待っていただくということでよろしいでしょうか?あ、そうそう、申し遅れましたが、私のことはMr.Unknownとでも呼んでいただいて結構です」
「分かりました。ご協力感謝いたしますMr.Unknown」
ボンド星人の感謝の挨拶が終わるとともにTVモニターから画面が消えた。Mr.Unknownは画面の消えたモニターをしばし見つめながら呟いた。
「面白いことを考える宇宙人ですな。あの宇宙人のことですからあちらにも挨拶回りに行っていることでしょうな」
最初のターゲット
とある日の朝、北関東大学対抗バドミントン大会に出場するべく、星愛怜美花はボーイフレンドの千隼祐一郎に付き添われ、会場の体育館へと向かっていたのだが、その道の途中、素性不明の黒服男たちに襲われた!
「な、何だお前ら!? 怜美花をどうしようってんだ!?」
「キャアアッ!! 祐一郎、助けてェェッッ!!」
「怜美花ァァッッ!! ぐはっ!?」
祐一郎が黒服男たちにボコボコにされているうちに、怜美花は男たちに無理やり車に乗せられどこかへと連れ去られてしまった!
「…くっ、ま、待ちやがれ! くそっ……こうなったらミラージュマスクを呼ぼう! ミラージュマスクゥゥッ!!」
満身創痍の祐一郎の助けを呼ぶ声にこたえて現れたのは、遥か宇宙の彼方のシルバーミラージュ星から地球にやって来た正義の使者・ミラージュマスクである!
「トォォッ!!」
上空から飛んで来て、祐一郎の前で華麗に着地するミラージュマスク!
「祐一郎君、どうした!?」
「怜美花が黒服の奴らに攫われた! 怜美花を助けてくれ!」
「むむっ…きっとそれはボンド星人の仕業に違いない!」
「ボンド星人…?」
「奴らがこの地球で誘拐ゲームを始めたという銀河警備隊本部からの情報は本当だったようだな。ともかく話は分かった。怜美花ちゃんは必ず私が助け出す! 任せておきたまえ! トォッっ!!」
怜美花を乗せたという黒服男たちの車を追跡すべく、ミラージュマスクは飛び去って行った。祐一郎はその姿を「頼んだぞ~!」と大声で叫びながら大きく手を振って見送るのであった。
「ん~っ!ん~っ!」
「………」
「………」
不気味に無言を貫く黒服男たちに両脇に挟まれる形で、手足を縛られ走行中の車の後部座席に乗せられている星愛怜美花。口は助けを呼べないようにガムテープでピッタリと塞がれている。しかし車を運転している黒服男が、上空を飛行するミラージュマスクに追尾されていることに気がついた!
「あっ、ミラージュマスクだ!」
「振り払え! 何としてでも巻くんだ!」
怜美花の右隣に座っていた黒服男は窓から身を乗り出し、マシンガンを取り出して空にいるミラージュマスクめがけて乱射する! 果たして、ミラージュマスクは怜美花を助け出すことが出来るのか!?
管理人よりコメント
今回はフリー素材を使ってスーパーヒーローキャラを出してみました。無論、そのモデルは昭和特撮マニアの中では知る人ぞ知るあの鬼畜ヒーローですww
最初は「ミラージュマン」という名前にするつもりでしたが、すでに『キン肉マン』で同名のキャラが出ていたんですね…💦
価格:2,200円 |
コメント
さすが管理人様仕事が素早い‼早速私の提案を入れていただいて誠にありがとうございます。今回のゲームは難易度の低い美男美女の一定数の無差別誘拐でしたので祐一郎君も攫っていただいてもよかったのですが、プレイヤーは女性限定と決めていて進行役の天山桜桃ちゃんにゲーム達成を危ぶまれそうですね。
ミラージュマスク、新旧ブログを通じてオリジナルの正義の味方というのは初めてという気がします。(失礼ながらおかめマンは番外とさせていただきます)名古屋の某ローカルヒーローに勝るとも劣らない鬼畜ヒーローをモデルにしているということでボンド星人としましてはプレイヤーに注意喚起を促したいところです。
> さすが管理人様仕事が素早い‼早速私の提案を入れていただいて誠にありがとうございます。
今回のポンド星人の誘拐ゲーム編は、原則としてコメント欄に続きのあらすじが投稿されたら管理人がそれを更新していく形で行きたいと思います(すなわち、誰も続きを書かなければ、永遠に続きが読めない場合も…)。管理人が書いたSSの続きに繋げる必要は全くございません。せっかくの誘拐ゲームなのですから、各自、好きな娘を好きな場所で勝手に片っ端から誘拐して行きましょう!(←オイッ!?)
珍しく野郎がボコボコにされとりましたね…
ミラージュマスク…いったい何者なんだ…鬼畜ヒーローっていうのも気になるところですね~
ボンド星人との関係も気になるところですね、そのあたりの因縁もこれから解ってくると面白そうですね。
でもこのまま取り返されちゃうと、後々の楽しいゲームに支障をきたしそうですし、ここは黒服どもに頑張って欲しいものですね。