夏合宿に向かうテニスサークル「TEAM FRIENDS」のメンバー、勢川理人、岸本愛実、平瀬倫生、藤永沙織の4人は、仲の良い後輩の女子高生・星本有理紗を誘って、目的地である鬼哭山のキャンプ場にやって来たのだが……。
凶悪犯によるキャンプ場襲撃事件も無事に解決したかと思いきや、理人たちは再び謎の集団に捕らえられてしまった!
再捕獲
「待っててください! 倫生さん! 沙織さん! 今助けますから!」
見張りの男たちが所用で部屋から出て行ったのを見計らって、先程から隠れて様子を窺っていた有理紗は、ついに倫生と沙織が捕らえられている部屋の中へと踏み込んだ!
「んんーっ!?(有理紗ちゃん!?)」
「んんん、んんーっ!?(どうしてこんなところに!?)」
突然のことに驚く倫生と沙織。まずは倫生から縛られている両手の縄を解こうとするが……。
「どうしよう…硬くて解けない…。あっ、そうだ! これがあったわ!」
何かを思い出した有理紗は、ショートパンツのポケットからさっき拾ったカッターナイフを取り出した。
「もう少し待っててください。これで今ロープを切りますから!」
だがカッターナイフを握る有理紗の手から、背後に立つ何者かがカッターナイフを取り上げた!
「は~い!ストップ! そこまでだお嬢ちゃん、残念だったなww」
「Σ(゜ω゜)ビクゥ!! あ、あなたは…そんな!?」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
先程部屋から出て行ったように見えた見張りの男たちは、実は有理紗が隠れているのにとっくに気づいていて、わざと部屋から出て行ったようなふりをしていたのだ!
「んんっ、んむむぅぅー!! んんーっ!!」
有理紗はせっかくさっき拾ったばかりのカッターナイフを当然の如く取り上げられ、まだ拘束されたままの倫生と沙織の目の前で縛り上げられて床に転がされてしまった!
「バカなお嬢さんだ。このカッターナイフはな、わざとあそこに置いてあったんだよ。ちょいとお嬢さんをおちょくって遊んでみるためになww」
「だが鬼ごっこゲームは一旦終わりだ。しばらく3人まとめてここで大人しくしていろ!」
再び捕らえられた有理紗、そして倫生と沙織の運命は!?
生贄の儀式
さて、囚われのヒロインと言えば、相性?がいいシチュエーションが邪神へ捧げられる生贄の儀式である。古くはギリシャ神話のアンドロメダしかり、また日本神話のクシナダヒメしかり。そしてTEAM FRIENDSの岸本愛実も例外ではなかった。
「助けて―!! 誰か助けて―!!」
生贄の祭壇の上に拘束されている愛実を、2人の神官が見上げている。
「娘よ、お前は我らが神ハント星人への生贄として捧げられることが決まったぞ!」
「光栄に思うがいい!」
どうやら統帥教団を裏で操る黒幕は、あのハント星人だったようである。「異星人を神として崇める」というのは、いかにもインチキ宗教にありそうなことではある。宗教組織でありながら理人を使って実験していたハイテク科学部門があったのも、ハント星人からの技術提供があったと考えれば納得だ。
現状で唯一捕らわれていない理人(に憑依しているミラージュX)は、果たして愛実を生贄の儀式前に助け出すことができるのであろうか!?
つづく。
コメント
男達がいなくなったのを見計らって、持っていたカッターナイフで倫生くんと沙織ちゃんを助けようとした有理紗ちゃんでしたが…
だが全てお釈迦様の手の平の上、あっさり再捕獲されて真実を告げられた時、有理紗ちゃんの絶望感はいか程のものか、その表情を想像するだけで興奮しますね(外道
そして、まさに生贄として捧げられようとされている愛実ちゃん…
「娘よ、お前は我らが神ハント星人への生贄として捧げられることが決まったぞ!」
とうとう神にまでなったのかあのポンコツ宇宙人ども…まあ無駄にハイテクでしたからね…
高度な文明と力を持つものが神として崇められるのは自然なことなのでしょうけど、よりによってあいつらですか…いきなりポンコツ臭が漂ってきましたねこの教団…
> 高度な文明と力を持つものが神として崇められるのは自然なことなのでしょうけど、よりによってあいつらですか…いきなりポンコツ臭が漂ってきましたねこの教団…
「創作上の悪党はポンコツ程度がちょうどよい」というのが管理人の持論ですが、かと言ってポンコツが過ぎると物語に緊張感や緊迫感がなくなってしまいますからね。SSを書いててそこら辺のバランスが難しいところです。