ワームホールに呑み込まれ、異世界タシェニュヴルアのアルスネス島へと漂着した中村弘樹は、そこでシルカイ族の若きリーダー・レイヴンと出会う。シルカイ族に保護されていた女神官のエリュナは海賊ゲロム一家が放った密偵の本性を現し、レイヴンの妹セリーナを人質にとった!
この危機的状況の中、地球から橘拓斗、滝沢俊彦、レイラ=ジェーン=ウィルソンの3人がそれぞれの専用機アストラルロイドを駆って、時空と次元の壁を越えてタシェニュヴルアへと駆けつけて来た。連携してエリュナを捕らえ、セリーナを助け出すことに成功した拓斗たちだったが、脱獄したエリュナにレイラが捕まり、それを追って拓斗と俊彦はアストラルロイドに乗って出撃する。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
◆最終決戦――巨大クラーケン、海より現る
ゲロムの足取りを追っていたシルカイ族の戦士たちは、ついに海賊たちを岩場へと追い詰めた。
「も、もうダメだ!!」
「ボス、どうすんだよ!?」
海賊どもの叫びが響く中、ただ一人、ゲロムだけが不気味に笑っていた。
「こんなこともあろうかと……なぁ?」
その言葉を合図にするかのように――海がうねる。
地鳴りにも似た重低音が海底から響き、黒い影が巨大な泡と共に急速に浮上する。
そして。

巨躯。八本の禍々しい触腕。光を吸い込むような暗紫の皮膚。
海面を破壊する勢いで、巨大クラーケンがその全貌を現した。
ゲロムが万が一の事態に備えて、海中で飼い育てていたのだ。
「なっ……!」
「で、でけぇ……!!」
シルカイ族の戦士たちは、その圧倒的な存在感に為す術もなく後退する。
クラーケンは吠えるように咆哮し、八本の触腕を振り回した。
「うわああッ!!」
次々と地面に叩きつけられる戦士たち。
砂浜が陥没し、木々がなぎ倒され、逃げ場は完全に奪われた。
「こいつらを足止めしておけ、クラーケン!! アバよ、てめぇらぁ!!」
ゲロムが勝ち誇った笑い声を上げるが――
「その笑い、すぐ止めてやるよ」
冷静な声が空から降った。
白と青の閃光が空中で翼を広げ、海風を切り裂く。
「行くぞ、アクアライザー!!」
AE-78X アクアライザー、出撃。
続いて、海霧を裂いて青と黄色の影が姿を現す。
「滝沢俊彦、ブルーファントム、行く!」
XZ-5000 ブルーファントム、出撃。
ピンクの残光と軽やかな羽音。
「負ける気がしないわ! いくわよ、フェアリーライト!!」
そして最後に、海面から巨大な影が跳ね上がる。
蛇のようにしなやかなシルエットのアストラルロイドが、水飛沫と共に変形しながら砂浜に着地した。
「大暴れしてやるぜ、ティア・サーペント!!」
ALV-09 ティア・サーペント、出撃。
レイヴンの声と共に、最終決戦の幕が切って落とされた。
◆アストラルロイド4機 VS 巨大クラーケン
「来るぞ!!」
拓斗の警告と同時に、クラーケンの触腕が四方へと跳ね上がる。
アクアライザーはアダプティブテレインシステムを発動。脚部が滑らかな海上移動仕様に変わり、触腕をすり抜けて加速する。
「喰らえッ! マルチフェイズ・プラズマキャノン!!」
白青の光束がクラーケンの皮膚を焼いた。
「まだ効かないか……!」
すぐ横を影が走る。
ブルーファントムが海霧に溶けるように幻影を撒き散らしながら接近した。
「幻影戦法――『ブルーミラージュ』!」
複数のブルーファントムが映像のようにクラーケンを囲む。
触腕が空を切り裂き、本体を捉えられない。
その一瞬の隙――
「切り裂けッ!! レーザーソード!!」
俊彦の放つ光刃が、クラーケンの触腕の一本を深く裂いた。
怒り狂ったクラーケンが海へ潜ろうとした瞬間、光の雨が降り注ぐ。
「させないわよ!! フェアリーダスト!!」
フェアリーライトが宙を舞い、きらめく粉を撒き散らす。
その粉はクラーケンの方向感覚を乱す。
「レイラ、ナイスアシストだ!」
拓斗が声を上げた瞬間――

「今だッ!!」
ティア・サーペントが海中形態へ変形し、海へと潜った。
水中でこそ真価を発揮するその速度は、もはや魚を超え、雷のごとし。
海中から突き上げるような一撃。
「シーサーペントスラッシュ!!!」
鋭い咆哮と共に、ティア・サーペントがクラーケンの本体へ深い傷を刻む。
海が赤く染まり、クラーケンがよろめく。
「今だ、みんな!!」
拓斗の声に合わせ、四機が一斉にフィニッシュ攻撃を放つ。
「アクアビームサーベル!!」
「プラズマキャノン、最大出力!!」
「フェアリーロッド・フルバースト!!」
「ティア・スパイラルドリル!!」
轟音と閃光が爆発し、巨大クラーケンは絶叫と共に粉砕された。
海は静寂を取り戻し、砂浜には崩れ落ちたゲロムたち海賊一味が震えていた。
「ま……まさか、クラーケンがぁぁ……!」
もう逃げ場はない。
海軍が到着するまで、彼らの運命は決まったも同然だった。
◆事件の終結、そして別れ
「もうじきシーディングリア王国の海軍が来て、こいつら海賊どもの身柄を引き取ってくれるだろう」
海賊一味が一人残らずお縄になった傍で、ティア・サーペントの肩に腕を乗せながら、レイヴンが呟いた。
「一件落着だね」
弘樹が安堵の息を漏らす。
――そして翌日。
橘拓斗、滝沢俊彦、レイラ=ジェーン=ウィルソン、中村弘樹、滝沢美香の五人は、地球へ戻るため時空ゲート発生地点に集まっていた。
「もうちょっとゆっくりして行ってくれてもよかったのに……」
セリーナが名残惜しげに言う。
「そろそろ帰らないと、両親や姉ちゃんが心配すると思うんで」
弘樹が気まずそうに笑う。
「シルカイ族の皆さん、いろいろとお世話になりました」
美香が深く頭を下げた。
「気が向いたら、また遊びに来てくれ」
レイヴンが照れくさそうに笑う。
「ああ、必ず行くよ!」
拓斗が力強く頷いた。
三機のアストラルロイドが起動する。
弘樹は拓斗のアクアライザーに、美香はレイラのフェアリーライトに同乗する形で乗り込んだ。
「――時空ゲート、オープン!」
眩い光が大地を包み込み、三機はゆっくりと空へ舞い上がった。

レイヴンとセリーナは手を振る。
「またなーっ!!」
「元気でねーー!!」
光が収束し、三機はゆっくりと次元の彼方へ消えていった。
こうして、拓斗たちの異世界での大冒険は幕を下ろし――
新たな日常へと、再び帰っていくのだった。
◆地球帰還 ― その静けさの裏で
まばゆい陽光が照りつけるブライトバレー市の海岸線に、光の粒が散った。空間のゆがみがふっと消え、そこから三つの影が姿を現す。拓斗のアクアライザー、俊彦のブルーファントム、そしてレイラの乗るフェアリーライトである。
「……ふぅ~~っ!! やっぱり地球の空気が一番いいぜ♪」
着陸したアクアライザーのコックピットから勢いよく地表に飛び降りた拓斗は、両手を思い切り広げ、深呼吸しながら笑った。潮風が心地よく肌を撫でる。
「そうだね……」
弘樹も、胸に手を当ててほっと息をついた。けれど彼の眉はどこか曇っている。美香と無事に再会できた安堵は大きいが、心の片隅に何かがひっかかっていた。
(大事な…大事な何かを忘れてる気がするんだけど……)
あの時、自分と美香を飲み込んで異世界へと連れ去った、あのワームホールだ。
その横で俊彦も腕を組み、険しい顔で海を見つめていた。
「……拓斗。あれは本当に自然発生だったのか…? 弘樹くんと美香を飲み込んだ、あのワームホールのことだ。あるいは誰かが何かの目的で人為的に引き起こして――」
拓斗は肩をすくめ、くったくのない笑顔で答える。
「今それ考えたってしょうがないんじゃないか? ともかくみんな無事に帰って来たんだ。とりあえず今はそれでよしとしようぜ」
「……そう、だな」
俊彦も苦笑し、ようやく肩の力を抜く。
静かな波の音が寄せる。五人はゆっくりと歩き出す。
しかし彼らの知らぬところで――その“発端”は、まったく別の場所で生まれていた。
◆パシフィックゲートウェイ島 ― 暗黒大博士の研究所にて
鬱蒼とした山中。
そこにぽつんと建つ古びた怪しげな研究所。その内部――奇妙な配線が張り巡らされ、黒光りする機械が唸りを上げている。
「ぐぬぬぬぬ……!!」
金属質な軋みを鳴らしながら、ひとりの老人が暴れていた。
長い白髪。黒いマント。片目は赤く光り、腕や足は完全な金属製。
世界征服を目論む悪の老マッドサイエンティスト――その名も 暗黒大博士!
「くそっ! 実験は失敗か! また失敗かぁぁ!!」
博士は足を振り上げ、目の前の巨大な筒状装置に思い切り蹴りを入れた。
ガンッ!!
「ふごぉっ!? い、いてぇぇえ!! ちょっと強く蹴りすぎたわい!! わしのサイボーグレッグがミシッと言ったぞぉ!!」
自分のサイボーグ足をさすりながら、博士は怒りに震える。
「ワシの最高傑作“ダーク・ワームホール・ジェネレーターDX(仮)”に何の反応もなかったとは! 時空を超える大実験に注ぎ込んだ資金がまたパァじゃぁ!!」

その後ろで助手のアンドロイド・ポチローが足音を立てて近づく。
《博士。実験ログを見る限り、発生波形に異常値が……》
「どうせ誤作動じゃ! ワシが見て失敗と思ったら失敗なんじゃ!!」
《でも博士、ブライトバレー市の座標に――》
「知らん!! ワシは忙しいのじゃ! 次は“世界征服装置β版”を作らねばならん!!」
博士はとんでもなく危険そうな設計図を広げ始める。
《博士。もしかしたら先ほどのワームホールで何者かが……》
「だから失敗と言っとるじゃろうがぁぁ!! あーもうお主は黙っとれ、ポチロー!!」
暗黒大博士は勝手にスイッチを押し、また別の装置が爆音と共に煙を吐く。
「ぎゃぁぁああ!? ま、まぶしっ……けほっ、けほっ……なんで押しただけで爆発するんじゃこの装置は!!」
《博士が昨日“適当に部品つけとけー!”と言ったからですが》
「言うな!! バラすな!!」
研究所の中で、博士の怒号が響き続ける。
――だが博士は全く知らない。
自分が“失敗した”と思っているその実験のせいで、一般の高校生たちが異世界の大冒険を経験する羽目になり、そしてつい先ほど、無事に帰還したということを。
そしてその出来事が、やがて拓斗たちをさらにとんでもない大事件へと巻き込む“前兆”となるのであるが、そのお話についてはまた別の機会に…。
(つづく)

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