天岸アンジェリカ愛優美の友人・星愛怜美花が秘密傭兵部隊スパルトイによって誘拐された。これをブレイバーズへの挑戦と受け取った副長官の仲里深雪は、獅場俊一と稲垣千秋の両名に、県警と連携しつつ、犯人側から身代金の運搬役に指名された怜美花の彼氏・千隼祐一郎をガードするよう指示していたのだが、スパルトイに拾われ再生強化手術を受けた石鼠によってライオンレギウス(俊一)とスワローレギウス(千秋)は敗れ、俊一は重傷を負い、千秋も石鼠に連れ去られてしまうのだった。
※文章は、一部除いてchatGPTで生成しております。
セントリネル・ハブ 医療施設にて
俊一が目を覚ますと、そこは白い天井が広がる医療施設の病室だった。頭の中を揺らす鈍い痛みに眉をひそめながら、彼はすぐに状況を思い出す。
「くそっ……!」
俊一はベッドの上で拳を握りしめ、激しい自己嫌悪に襲われた。あの時、自分がもっと冷静に動けていれば、千秋を守れたかもしれない。しかし、結果は無惨だった――石鼠に敗北し、千秋は連れ去られてしまった。
「俺が不甲斐ないばかりに……!」
俊一は怒りに任せて体を起こそうとしたが、そこに副長官の仲里深雪の冷静な声が響いた。
「俊一くん! ダメよ、まだ動かないで!」
「副長官……でも、俺は……!」
「いいから横になっていなさい!」深雪は毅然とした態度で彼を制止した。「あなたの怪我は深刻なのよ。無理して動いたら、もっと悪化するわ!」
その隣で医療部門統括担当秘書官の沢渡優香が、心配そうに俊一を見つめていた。
「俊一くん、本当に無理はしないで。千秋ちゃんのことは私たちも心配してる。でも、今はまずあなたが回復することが最優先なのよ」
「…そういえば、尾行中だった犯人の車はどうなったんですか!?」
ふと大事なことを思い出した俊一が、深雪と優香にあの後どうなったのか?を尋ねるが、深雪は「残念ながら、警察の尾行は撒かれたそうよ…」と告げる。
「なんてこった…。千秋が…そして祐一郎さんと怜美花さんも…みんなはまだ敵の手の中だ。俺がこんなところで寝ている間に、何かあったら――」
俊一が再び体を起こそうとしたその時、優香が彼の肩にそっと手を置いた。
「俊一くん、落ち着いて。千秋ちゃんたちのことは必ずみんなで取り戻すから。だから、今は治療に専念して」
俊一は悔しそうに顔を伏せたが、それ以上は抵抗せず、再びベッドに横たわった。
* * *
優香は心配のあまり、国際平和会議に出席するためアメリカ・ニューヨークに出張中のブレイバーズ長官・牧村光平に連絡を取ることにした。スマホを取り出し、国際電話に繋げる。
「優香か。どうした?」光平の穏やかな声がスマホ越しに響いた。
「光平くん、俊一くんが……自分一人だけで動こうとしているの。怪我が治る前に、何か無茶をしそうで心配なの」
光平にこれまでの経緯を詳しく説明し、現状を報告する優香の声には、どこか焦りが滲んでいた。
「わかった。何とか予定を早めに切り上げて、今日の夕方の関空行きの便で日本に帰るよ」
「大丈夫なの? 国際会議がまだ続いてるんじゃない?」
「ああ、心配ないよ。こっちで必要な協議は大方済ませたからな」光平の声はどこか軽やかだったが、その背後には優香を安心させようとする配慮が伺えた。
優香は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに言った。
「無理言ってごめんなさい」
「気にすんなよ。とにかく俺が帰るまで、俊一が決して無茶をしないように、アイツの傍についていてやってくれ。お前がいてくれれば、きっと大丈夫だ」
「うん、分かったわ」と優香は短く答え、スマホを切った。
愛優美の苦悩
国際電話を終えた優香がスマホをポケットにしまい、ふぅっと小さく息を吐いたところで、病室の廊下から小さな足音が聞こえてきた。振り返ると、そこに現れたのは天岸アンジェリカ愛優美だった。
「愛優美ちゃん……」優香が驚いて声をかけると、愛優美は控えめな笑みを浮かべながら近づいてきた。
「優香さん……俊一くんがここにいるって聞いて。怪我したって聞いたから、お見舞いに来たんだ」
優香は少しだけ安堵したように微笑んだ。「そうだったのね。俊一くん、今は安静にしてるけど、無事よ。怪我は重かったけど命に別状はないから」
「……そっか。それなら良かった」愛優美は胸に手を当ててほっとしたような表情を見せた。しかし、その瞳にはどこか不安の色が浮かんでいる。
「でも……ボク、どうしても思っちゃうんだ。詩郎が行方不明になって、祐一郎先輩や怜美花さん、千秋さんまで攫われて……俊一くんがこんな大怪我を負うことになったのも……全部、ボクのせいなんじゃないかって」
その言葉に優香は目を見開いた。「愛優美ちゃん、何を言ってるの?」
愛優美は唇を噛みしめながら続けた。「だって、みんなボクと関わりのある人たちばかりだよ。詩郎も、祐一郎先輩も、怜美花さんも、千秋さんも、俊一くんも……みんなボクと仲が良い人たちばかり。だから、もしかしてボクが何か良くないことを引き寄せちゃったんじゃないかって……そう考えちゃうんだ!」
その言葉には深い自責の念が込められていた。愛優美の肩が小さく震えているのを見て、優香は静かに彼女の肩に手を置いた。
「愛優美ちゃん、それは考えすぎよ」優香の声は優しく、それでいてしっかりとした響きを持っていた。「みんなが今大変な状況にあるのは確かだけど、それが愛優美ちゃんのせいだなんて、そんなことは絶対にないわ」
「でも……」
「大切な人が危険な目に遭ったら、心配になるのは当然よ。でもね、愛優美ちゃん、今一番大事なのは、自分を責めることじゃなくて、彼らを助けるために何ができるかを考えることだと思うわ。自分を責めても、みんなを救うことには繋がらないでしょう?」
優香の言葉は温かくも力強く、愛優美の心にじんわりと染み渡った。
「……優香さん……」
「俊一くんだって、あんな怪我を負いながらも、千秋ちゃんや他のみんなを助けたいって思ってる。でも、彼が前に進めるのは、仲間を信じてるからなのよ。愛優美ちゃんも、自分を信じてあげて。あなたは何も悪くないんだから」
愛優美はしばらく黙っていたが、やがて小さく頷いた。「……わかったよ。ボク、みんなを信じて、できることを考える。優香さん……ありがとう」
優香は微笑みながら愛優美の頭を軽く撫でた。「いい子ね。さ、俊一くんにも顔を見せてあげて。きっと彼も元気が出るわ」
愛優美は目を輝かせて頷き、病室の方へ向かう。彼女の背中には少しずつ力強さが戻りつつあった。優香はそんな彼女を見送りながら、今の状況の中でも確実に繋がる希望の光を感じていた。
その日の夜
そしてその日の夜、帰宅して気を紛らすように机に向かい勉強に集中していた愛優美。そこへ突然彼女のスマホの着信音が鳴る。
「こんな時間に誰だろう…?」
愛優美がスマホを開いてみると、なんと送信者の名前は「稲垣千秋」と表示されていた。
「千秋さん!? どうして…!!」
慌てて電話に出る愛優美。しかし聞こえた来た声は、聞き覚えのない女の声だった。
「フフフッ…天岸アンジェリカ愛優美さんね?」
「誰だよアンタは!? 千秋さんはどうしたの!?」
「チアキ…?? あぁ…あの三つ編みおさげの娘のことね。彼女なら無事よ。その他に、貴女の尊敬しているサッカーの先輩とそのガールフレンドの女子大生もね」
「みんなをどうするつもりなの!? みんなを今すぐ返して!!」
「いいわよ。そんなにお望みなら会わせてあげるわ。その代わり条件があるの」
「条件…?」
電話の声の女は、愛優美に今すぐ一人で家から抜け出して表通りまで出て来るように要求して来た。
「えっ…!?」
「あら、もしかして怖いの? まあイヤなら無理強いはしないわ。ただしこのチャンスを逃したら、こちらの手中にある3人には二度と会えなくなるでしょうけどね…」
愛優美は暫し無言で考え込む。その時に彼女の脳裏に思い起こされたのは、優香の「今一番大事なのは、自分を責めることじゃなくて、彼らを助けるために何ができるかを考えることだ」という言葉だった。
「分かった。今出かける支度をするから待ってて!」
母のソフィアは今シエロ・アスール共和国に滞在しており、父の明彦は今日は仕事で帰りが遅い。幸いと言っていいのかどうか、今自宅の中にいるのは愛優美一人だった。愛優美はすぐに身支度を整えると自宅から外出し、指定された夜道の表通りまでやって来た。たちまち全身に武装強化服を着込んだ人間たちに取り囲まれてしまう愛優美。
「天岸アンジェリカ愛優美ダナ?」
「我々ト一緒ニ来テモラオウ!」
それに対して愛優美は、全く臆することなく「いいよ。ついて行ってあげる。どこへでもボクを連れて行きなよ!」と言い放ち、特に抵抗せず気丈に振る舞う。初めから罠を承知の上で敵の懐へと飛び込んだ愛優美の決断と行動は、果たして吉と出るのか? それとも凶と出てしまうのか!?
つづく。
コメント
ううむ・・・やはり、必死に抵抗するも手足取り押さえられた挙句に口をハンドギャグされて連行される愛優美ちゃんを見たかったですぞ・・・(´;ω;`)
今回は愛優美ちゃんが気丈にカッコよく振る舞う重要シーンですので、どうかここは我慢してください🙇
でもJUDO様からのご指摘のおかげで、迷っていた次にココナラで依頼するイラスト内容をどうするか決まりました。
次はクロロシーンのイラストとかをお願いしてみようかな?と思いついた次第です( ̄ー ̄)ニヤリ
詩郎くん生〇不明、俊一くん重傷で入院、千秋ちゃん捕らわれの身…レギウスチームほぼ壊滅状態…
しかも肝心の牧村氏は…現在アメリカに出張中…結構まずい状態じゃないですか…
佳代ちゃんは…佳代ちゃんはどこ!?ひょっとして牧村氏と一緒か!
怜美花ちゃんと祐一郎くんはそして敵の手に、なんだか副長官の深雪さんが可哀想になるほどの大変な状況ですね…
そしてこの件に責任を感じる愛優美ちゃん、それを諭すのは大人の包容力を見せる優香さん、そうだよ、こんなことで責任なんて感じちゃ駄目だ、勝手に厄介事に首突っ込んではトラブルに巻き込まれ迷惑をかけまくるどこぞの報道部の奴らとなんかより全然可愛いよ!
なにはともあれ、納得した愛優美ちゃんだったが…
夜中に千秋ちゃんの番号から電話が…声の主は千秋ちゃんではなく、サイコサイボーグビッチだった!
結局罠と解っていながらも、捕まった人達を助けるためにアレクシアの指示に従う愛優美ちゃん、状況はどんどん悪い方向に…残されているのは手負いの俊一くんのみ…おい、いつまで海で泳いでんだよ、とっとと戻ってこい虎野郎!
> 佳代ちゃんは…佳代ちゃんはどこ!?ひょっとして牧村氏と一緒か!
そういえば佳代ちゃんもいないし、千秋ちゃんの弟の健斗くんの姿も見えませんね。姉の一大事だというのに、一体どこをほっつき歩いているんでしょうか?
> 勝手に厄介事に首突っ込んではトラブルに巻き込まれ迷惑をかけまくるどこぞの報道部の奴らとなんかより全然可愛いよ!
そういえばどこぞの報道部(特に優ちゃん&亜沙美ちゃん)も、そろそろまた拉致監禁してぎっちぎちに拘束してみたいですねぇ。でもシブルリックオーダーや学生探偵社の方にも平等に出番を回して行かないと💦
実は今回のエピソードが終わりましたら、次は学生探偵社を絡める形で、以前のシナリオである「文秋砲」のリメイクをやろうと思っています。
「闇のプロダクション」とやらについても、ついにその詳細が暴かれることになるのかも…?
> いつまで海で泳いでんだよ、とっとと戻ってこい虎野郎!
もう十分引っ張りましたし、それではそろそろ次回辺りでその虎野郎くんにも帰って来てもらうとしますか( ̄ー ̄)ニヤリ