美少年美少女を拉致監禁してコレクションとしている魔宮夫人が、今度は武智探偵事務所の学生探偵たちに挑戦状を叩きつけた。その事件を背後で操っていたのはおかめの御前だったが、計画はいつの間にかディド恒星系第三惑星ボンド星からやって来たボンド星人に乗っ取られていた。
突如としてボンド星人が仕掛けた脱出ゲームに乱入して来た謎の女・黒百合とは何者か!?
放逐
監禁部屋から出された優姫は、スパルトイ兵から「この監禁城にはお前の仲間の婦警もどこかに囚われている。そいつを助け出して自力でここから脱出して見せるんだな!」と一方的に告げると、優姫を誰もいない廊下に一人放置してさっさと立ち去ってしまった。
「………(侑衣梨を助け出して見せろと言われても、こんな状態で一体私にどうしろってというの…?)」
絶望的な状況の中もとりあえず優姫は、手枷を嵌められたままの不自由に両手で口の猿轡を外そうとする。しかし口の猿轡は彼女の想像以上にきつく固く結ばれていた。
「んぐっ!!…んむぐぐっ…ん~っ!!(…は、外せない!?💦)」
手錠を掛けられたままの両手では、首の付け根の後ろにある猿轡の結び目に手が届かない。猿轡を口から外すことを一旦断念した優姫は、まずは侑衣梨を捜すべく廊下を歩きだしたが、足枷を嵌められたままのためなかなか移動が進まない。そうしているうちに足を躓き、床に転んで倒れてしまう優姫。
「んんんっ……!!(しっかりするのよ、鷹松優姫! こんなところで挫けてどうするの!? 侑衣梨が助けを待っているのよ!)」
泣きそうになるのを必死に堪えて、立ち上がろうとする優姫。だがそんな彼女の前に姿を現したのが、なんと黒百合だった! 新たな獲物を見つけた無邪気な子供のような歓喜の目つきで優姫を見下ろす黒百合と、そんな黒百合を刑事の勘ですぐに警戒するように睨みつける優姫。
「んんむむっ…!?💦」
「あらあら…こんなところにも可愛い子猫ちゃんがいたわ♪」( ̄ー ̄)ニヤリ
学生探偵、婦警と合流!
一方その頃、別の階の部屋に監禁されていた笹南侑衣梨は、たまたま近くを探索していた相馬晴彦とイサム=ルワン=ラーティラマートの二人に発見され、救出されていた。
「んん~っ!! んん~っ!!」
「こんなところに女の人が!?」
「待ってください。今助けます!」
晴彦とイサムに猿轡とロープを解いてもらう侑衣梨。
「ふぅーっ、ありがとう貴方たち。おかげで助かったわ」
「俺は相馬晴彦、そしてこっちはイサム=ルワン=ラーティラマート。武智探偵事務所の探偵です。それでお姉さんの名前は?」
「どうしてこんな場所で捕まっていたんですか?」
「私の名前は笹南侑衣梨。警察手帳を取り上げられちゃったんで身分を証明する術がないんだけど、こう見えても私は警察官です」
「えっ!? 警察の方なんですか?」
「何で私がここに捕まっていたかを説明すると話が長くなるから、それについては後でね♪ とりあえずあなたたちも探偵なら、是非私に協力して!」
「分かりました!」
「ここから脱出するため、力を合わせて一緒に協力しましょう!」
ここに学生探偵と特命婦警が手を組んだ。果たして彼らと彼女は、まだ囚われている仲間たちを救い出して、無事に監禁城から脱出できるのか!?
つづく。
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