遥か遠い未来、核戦争で人類の文明が崩壊した地球では、人間に取って代わった猿族、狼族、蜥蜴族の3つの種族が世界の覇権を巡って争っていた。そんな時代にひょんなことからタイムスリップして迷い込んでしまった平凡な普通の高校生、夏幹時生と広田真衣の二人は、猿族や蜥蜴族から追われていたところを狼族に助けられた。そして狼族から人間の生き残りがいるという『死の谷』について教えられた時生と真衣は、元の時代に帰る手掛かりを求めて死の谷へと向かった。
死の谷の神殿
いろいろと紆余曲折や困難を経て、無事に死の谷の神殿へと辿り着いた時生と真衣。確かにそこには知能を持ち言葉を話す人類の生き残りがいたが、そこは核ミサイルを神と崇めるとんでもない連中の棲み処だった!
「それじゃあ、俺と真衣をこの時代にタイムスリップさせたのは、全てアンタたちの仕業だったのか!?」
「その通りでございます。我ら人間が野蛮な獣人どもから地球の支配権を取り戻すためには、それなりの大義名分が要ります。そのためにこのタイムマシンを使って、まだ人類が栄えていた時代から時生様と真衣様を、かつて人類こそが地球の支配者であったという生き証人として、この時代に召喚申し上げたのです」
「まもなく我らが神の天罰(核攻撃)によって、獣人どもは殲滅されることでございましょう」
死の谷の人間たちの恐るべき企みが明かされた。彼らは過去の文明人である時生と真衣を旗印として御輿に担ぎ上げ、核攻撃による獣人族殲滅を企てていたのだ!
「ふざけんな! アンタたちの身勝手な都合のせいで、俺と真衣は平穏な日常を奪われたんだぞ!!💢」
「獣人たちを核攻撃で皆殺しにするなんて間違ってるわ! 獣人の中には狼族の人たちのようにいい人だってたくさんいるのよ! どうかミサイルを発射するのはやめてください!」
「どうやら時生様と真衣様は、長旅の疲れで頭が混乱されていらっしゃる様子。別室にてしばらく頭を冷やしていただこう」
「…な、何しやがる!? 放せ!!」
「イヤァァァッ!! 放して―!!」
「んっ、んんーっ!!」
「んむむっ!! んんむーっ!!」
口に猿轡を噛まされて厳重に縄で縛り上げられた時生と真衣は、神殿の地下牢に放り込まれてしまうのだった。
その頃、狼族の里では…
一方その頃、狼族と友好・同盟関係にある鳥人族の斥候が、死の谷の上空偵察から戻って来た。
「やはり死の谷の人間たちは核ミサイルを隠し持っていたようだ。我々獣人に対して牙を剥くのも時間の問題だろう」
「核ミサイル……あの伝説に伝わる悪魔の兵器が実在していたとはな」
「お前たち狼族が懇意にしていたあの人間の少年と少女の二人も奴らに捕まったようだぞ。どうする?」
「時生…真衣…やはり行かせるべきではなかった!」
時生と真衣の身を案じる勇者シブードは、すぐさま同志を募って二人を助けに死の谷に向かおうとするが、それに里の長老が待ったをかける。
「ならぬぞシブード! あの二人を心配する気持ちは分かる。なれどお前たちがこの里から離れては、その隙に猿や蜥蜴どもが攻めて来るやもしれぬのだ」
「くっ、ならばいったいどうすれば…!」
守るべき故郷の里を取るか、それとも、ついこの間知り合ったばかりとはいえ自分の子供の命の恩人でもある友を取るべきなのか、シブードに究極の選択が迫られていた。
洗脳の儀式
神殿の地下牢から一人だけ連れ出された真衣は、魔法陣の上に立たされ鎖で両手両足を拘束されていた。これから彼女は、死の谷の人間たちの操る魔術によって記憶を書き換えられたうえで洗脳されようとしているのだ!
「さあ、楽になれ。そしてくだらん獣人どもとの思い出などもう忘れろ。お前はこれから我らの指導者、神聖なる巫女として生まれ変わるのだ」
「うっ…わ、わたしは……」
徐々に目が虚ろになり意識が遠のいていく真衣。果たして彼女の運命は!?
つづく。
コメント
死の谷の人間達…身勝手で自らを神のごとく振る舞う、人間の悪い部分を体現したような奴らですね、やっぱり人間が一番恐い…
しかも、扱いきれずに持て余してしまった人類の過去の遺物にまた頼ろうとしてるところとかもう…滅んでしまえ…
>「どうやら時生様と真衣様は、長旅の疲れで頭が混乱されていらっしゃる様子。別室にてしばらく頭を冷やしていただこう」
いやお前らがまず頭を冷やせ…身勝手な奴らに無理矢理召喚された上に牢にぶち込まれると言った酷い扱いをされる2人…現実世界でも人間に割と酷い目に遭わされてるのに警戒を怠ってましたね…
そして、恩人の救出と里の安全を守るという選択の中悩まされる狼族の勇者シブード…って言うか長老…ちょっとシブードに頼りすぎちゃせんか?
狼族は少数部族なのかもしれませんが…同盟種族に鳥人族などいるみたいですし、他にも色んな動物が人化してる世界かもしれませんね、救出部隊として他種族連合が結成される展開とかもありそうですね!
さて…ところ変わって、今まさに洗脳されそうになっている真衣ちゃん…
魔術…?割と非科学的なものが発展してる世界なんですね、タイムマシンを使う奴らなので張科学かと思ったのですが、オカルトと科学の融合とかまるで第三帝国みたいですね。
なんか真衣ちゃんが、「終〇トレ〇ンどこへ行く?」某ヒロインみたいになりそうですね(見てなかったらスイマセン…
時生くんが次に会った時の真衣ちゃんは女王様って呼ばれる存在になってるかもしれませんね…
> 救出部隊として他種族連合が結成される展開とかもありそうですね!
主力の防衛部隊の大半は里に残しつつ、シブードと彼の他に選び抜かれた少数精鋭のチームだけで時生と真衣の救出に向かうかもしれませんね。そして「あの狼族の勇者シブードが死の谷に向かった!?」という情報が猿族や蜥蜴族にも伝われば、奴らも何らかの動きを見せるかもしれません。
> 魔術…?割と非科学的なものが発展してる世界なんですね、タイムマシンを使う奴らなので張科学かと思ったのですが、オカルトと科学の融合とかまるで第三帝国みたいですね。
魔術といっても、実態は9割は催眠術みたいなものですね。
> なんか真衣ちゃんが、「終〇トレ〇ンどこへ行く?」某ヒロインみたいになりそうですね(見てなかったらスイマセン…
見ていなかったので公式アニメサイトを覗きに行ったら、「緊急メンテナンス中」でした…。
KADOKAWAのサイトだったので、例のサイバー攻撃とやらの影響でしょうか?
ちょっと心配です。
>見ていなかったので公式アニメサイトを覗きに行ったら、「緊急メンテナンス中」でした…。
KADOKAWAのサイトだったので、例のサイバー攻撃とやらの影響でしょうか?
ちょっと心配です。
一週遅れてるっぽいですからその可能性ありますね、ニコニコ動画は完全にやられちゃってますね…
> いろいろと紆余曲折や困難を経て、無事に死の谷の神殿へと辿り着いた時生と真衣。確かにそこには知能を持ち言葉を話す人類の生き残りがいたが、そこは核ミサイルを神と崇めるとんでもない連中の棲み処だった!
某シリーズの元祖の二作目そのまんまの連中に見込まれてしまうとは二人とも災難ですね。人間たちが核ミサイルを隠し持っていたということを薄々と知りつつも行かせてしまった勇者シブードも迂闊のそしりを免れないでしょう。
元ネタでは核ミサイルの爆発で地球消滅という究極のバッドエンドでしたが、こちらではハッピーエンドになることを期待しておりますし、管理人様もその方向で進められると思いますがどのような紆余曲折を経るのかは気になるところであります。
> 元ネタでは核ミサイルの爆発で地球消滅という究極のバッドエンドでしたが、こちらではハッピーエンドになることを期待しておりますし、管理人様もその方向で進められると思いますがどのような紆余曲折を経るのかは気になるところであります。
ネタバレになりますけれども、プロトンロケットに乗り込んだ某ライダーマンよろしく、発射されてしまった核爆弾を積んだロケットに時生と真衣が乗り込んで、獣人たちを守るために軌道を逸らして安全圏で自爆させるという自己犠牲END——かと思いきや、気がついたら現代の地球に戻っていたという夢オチ?ENDにしようかと…。
真衣ちゃんの巫女スタイルに期待します!!
きっと袴が何故かミニスカ丈なのでしょう!!
巫女と言っても神道の巫女ではありませんので(;^_^A アセアセ・・・