鷹松優姫刑事とその後輩である笹南侑衣梨巡査は、二人だけの特命係である誘拐事件対策専門の特殊捜査班に所属している。二人は普段は警察官の身分をカモフラージュし、中高生の少年少女や大学生の若者が常連客としてよく訪れる喫茶店『Lily(リリー)』の店長とアルバイト店員に扮しており、彼女たちには日本の警察組織ではタブーとされている囮捜査を行う権限が認められている。しかしこの部署はあくまで非公式の存在であるため、正式な組織名などは存在しない。
今回彼女たちに与えられた任務は、日本政府が極秘裏に進めている超能力開発プロジェクトの被験者である少年・友貞稜太の護衛である。小学6年生である稜太は「テレパス」と呼ばれる相手の考えていることを読み取る能力を持っている。そのため西側と対立する独裁国家の諜報機関や多国籍企業傘下の非合法部門から、その身柄を常に狙われているのだ。
「やあ、友貞稜太君たね? 実は私は君のお父さんと同じ会社に勤めている……」
「おじさん、僕を誘拐するつもりなんだね? 僕には分かるんだ。
(突然大声で叫び)うわあああ!!!!! 誰か助けてェェッ!!!!!」
(稜太の悲鳴を聞きつけて野次馬が湧いて出て来て…)
「なんだなんだ…??」
「一体どうしたんだ?」
「くっ…くそっ!!💦」(誘拐犯は慌てて逃げていく)
稜太は常に接近して来る誘拐犯の意思を先読みして逃げるため、いつも誘拐作戦が失敗していることに業を煮やした某国諜報組織は、ついに切り札であるエージェントXを日本に派遣した。
「そ、そんな…心が読めないなんて!?」
「フフフ…小僧、俺は自分の心に鍵をかけることが出来るんだ。あまり大人を舐めるなよ」
エージェントXの心の中を読み取ることに失敗した稜太は、たちまち捕らえられてしまった。直ちに後を追った鷹松優姫も、稜太を人質に取られているため一緒に囚われの身となってしまう。
「んんーっ‼んぐぐぅーっ‼」
「んんぐっ‼んんむぅっ‼」
口をガムテープで塞がれ、手足をロープで縛られている優姫と稜太を尻目に、エージェントXは雇い主である某国諜報組織と取引の話を進める。
「さすがはエージェントX、いつもながら見事な手並みだ」
「約束の報酬は、こちらから指定した租税回避地(タックス・ヘイブン)にある銀行口座に振り込んでもらおう」
果たして優姫と稜太の運命は!?
(そういえば侑衣梨は何をしているんだろう…??)
コメント
出張お疲れ様でございました!
遠征出張とか我が方では、あまり縁がないためについつい小旅行的な魅力を感じます。
安定の稜太くんですね!!このあと無事に脱出できるのか。心が読めないエージェントXっていわゆる改造人間か、最近の言葉でいうと”外星人”なんでしょうか・・・
> 安定の稜太くんですね!!このあと無事に脱出できるのか。心が読めないエージェントXっていわゆる改造人間か、最近の言葉でいうと”外星人”なんでしょうか・・・
単に心を読まれないように訓練を積んだ普通の人間だと思っていましたが、そういう可能性もありますね。
おかえりなさいませ、早速のSSお疲れ様です。
稜太くんに凄い設定がつきましたね、まさかエスパー少年とは…
人の心が読める能力はある意味無敵ですが、人の嫌なところも見えてしまうために人間不信になって心が病んじゃったりしそうですよね…
そんな稜太少年の心を乱さないように護衛する優姫さんも苦労したでしょうね、そんな隙をエージェントXに突かれたのかもしれないですね。
心を読めないようにロックかけるとはエージェントXも精神系能力者なのでしょうか、優姫さんを助けにきた侑衣梨ちゃんが、エージェントXの催眠能力にかかり操られた優姫さんに捕まってしまうという展開とかもありですね。
> 稜太くんに凄い設定がつきましたね、まさかエスパー少年とは…
いえいえ、あくまで今回のストーリー限定の設定です。
> 人の心が読める能力はある意味無敵ですが、人の嫌なところも見えてしまうために人間不信になって心が病んじゃったりしそうですよね…
> そんな稜太少年の心を乱さないように護衛する優姫さんも苦労したでしょうね、そんな隙をエージェントXに突かれたのかもしれないですね。
本当はそこまでストーリーを掘り下げたかったのですが、執筆に時間がかかるのでやめました(;^_^A
出張お疲れ様でした。旅鴉様が仰るように読心術の使い手である稜太君には人間の醜い本心が色々と見えてしまいますので優姫さん侑衣梨ちゃんの苦労も並大抵のことではありませんね。
この後侑衣梨ちゃんも捕われてしまい、二人は独裁者への貢ぎ物にされそうになりそうなところで稜太君のサイコキネシス能力が発動‼なんてことになりそうです。
> この後侑衣梨ちゃんも捕われてしまい、二人は独裁者への貢ぎ物にされそうになりそうなところで稜太君のサイコキネシス能力が発動‼なんてことになりそうです。
解決編はそういうラストでもいいかもしれませんね。