サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す…。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
鷺島市、夜の上空
夜の鷺島市――
喫茶店Lily前を起点に、学生たちがそれぞれの担当区域へと歩き出していく。その様子を、はるか上空から静かに見下ろしている存在があった。

星の光をまとい、夜空を滑るように浮遊する魔法少女――
星彩のルミナ。
オレンジからピンクへと淡く揺れるツインテールが、夜風にたなびく。琥珀色の瞳は鋭く、しかしどこか優しさを宿したまま、地上の小さな人影を追っていた。
その左肩には、角のような赤い宝石を額に持つ黒い小動物――ブラックカーバンクルのクロエルが、ちょこんと座っている。
「……お兄ちゃんたちも、出発したみたいね」
ルミナはそう呟き、柏葉章介たちのチームが街路灯の下を離れていくのを見届けた。
クロエルは小さくため息をつく。
「いいのか、ルミナ? DRYADESの高校生以下、つまり年少組メンバーの自警団参加は禁止だったはずだが?」
「ふふん」
ルミナは得意げに胸を張る。
「参加が認められてないのは、あくまで“柏葉美佳”でしょ?
“星彩のルミナ”は別枠だもん!」
「……またそんな屁理屈を」
クロエルは苦笑しながら、細い尻尾を揺らした。
「じゃあクロエルは、私が自宅でじっとしてた方がいいって言うの?」
一瞬だけ、ルミナの声に真剣な色が混じる。
クロエルは地上を見下ろし、学生たちの小さな背中を見つめた。
「いや……」
低く、しかし重みのある声。
「街の治安を守ろうとする、彼らの心意気は本物だ。だが状況は正直に言えば――獰猛な狼が彷徨う森に、非力な羊の群れが放たれたようなものに等しい」
クロエルはルミナの肩の上で、しっかりと前を向く。
「こういう時こそ、星彩のルミナの出番だろう」
ルミナの唇が、にっと弧を描いた。
「フフッ……分かってるじゃない」
彼女は軽く膝を曲げ、空中で姿勢を整える。
「じゃあ――行くよ!」
次の瞬間、ルミナの身体が星の尾を引くように加速した。
クロエルを肩に乗せたまま、夜空を切り裂き、街の闇へと飛び去っていく。
その背後で、星の残光だけが一瞬きらめき、やがて静かに消えた。
鷺島市の夜を見守る、もう一人の“目”が、こうして密かに動き出したのだった。
不穏な電話
その夜、鶴牧家の二階にある菜花の自室には、机のスタンドライトだけが静かに灯っていた。
ノートと教科書を広げ、ペンを走らせていた菜花は、集中した表情で問題と向き合っていたが――
♪♪
不意に、机の上に置かれていたスマートフォンが着信音を鳴らした。
思わずペンを止め、画面を見る。
「……優からだわ。何かしら……」
鳳凰院優。
小さい頃から何でも話してきた、かけがえのない親友の名前に、菜花は少し首をかしげながら通話ボタンを押した。
「もしもし、菜花?」
受話口から聞こえてきたのは、間違いなく優の声だった。
「優、こんな夜遅い時間にいったいどうしたの?」
「ごめんね。実は……とっても大事な話があるの。ちょっとだけ、外に出て来れないかな?」
「えっ……?」
思わず声が漏れる。
菜花の脳裏に、あの忌まわしい拉致監禁事件の記憶がよぎった。
「ごめん。あんな事件があった後だから、両親も私のことを心配してて……夜は家の外に出してくれないの」
少し申し訳なさそうにそう告げると、電話の向こうで、優は一瞬息を詰めたようだった。
「そこを……何とかできない? 本当に二人きりじゃないと言えない、重要な話なの!」
その声は、いつもの優よりも明らかに切迫していた。
冗談や軽い相談ではないことが、菜花にもすぐに伝わってくる。
「そんなに……?」
菜花は唇を噛みしめ、机の上のノートに視線を落とす。
不安はあった。けれど、それ以上に、親友の「助けてほしい」という気持ちが胸に響く。
「……分かったわ」
そう答えた瞬間、電話の向こうで安堵したような気配が伝わってきた。
通話を切った菜花は、そっと部屋のドアを開け、家の中に気配を探る。
両親の部屋からは物音ひとつしない。
――今なら。
靴を手に取り、音を立てないよう慎重に階段を下りる。
そして、家の裏口を静かに開け、夜の闇の中へと身を滑り込ませた。
冷たい夜風が、菜花の頬をかすめる。
その時の彼女はまだ、この一歩が大きな罠への入り口であることを、知る由もなかった。
罠
夜の住宅街は、昼間の穏やかさを失い、静まり返っていた。
鶴牧家の裏口からそっと外へ出た菜花は、冷たい空気に身をすくめながら、周囲を見回す。
「……優?」
呼びかけても返事はない。代わりに、闇の中から不気味な影がいくつも現れた。
「キキ―ッ!!」
耳障りな奇声とともに姿を見せたのは、黒ずくめのネオブラックマフィア戦闘員たちだった。菜花の胸が凍りつく。
「……そ、そんな! 優は? 優はどこにいるの!?」
一人が、まるで見せつけるように携帯端末を掲げる。
スイッチが入った瞬間、そこから流れてきたのは――確かに優の声だった。
『もしもし、菜花?』
『ごめんね。実は……とっても大事な話があるの。ちょっとだけ、外に出て来れないかな?』
『そこを……何とかできない? 本当に二人きりじゃないと言えない、重要な話なの!』
優本人の声そっくりに生成されたAI音声――。
「……っ!」
それが本物ではないと理解した瞬間、菜花の背筋に寒気が走る。
「騙したのね!?」
「フフフ……捕まえろ!」
戦闘員たちが一斉に距離を詰めてくる。逃げ場はない。
菜花は必死に声を張り上げた。
「いやっ、誰か助けて――!」
その叫びを切り裂くように、鋭い風音が夜気を裂いた。
シュッ、シュッ――!
次の瞬間、数人の戦闘員が驚愕の声を上げ、その場に崩れ落ちる。倒れた戦闘員の背中や胸には、手裏剣が突き刺さっていた。
「な、何だ!?」
「どこからだ!?」
暗がりの屋根の縁から、白い影がひらりと舞い降りる。
月明かりに照らされて現れたのは、白いパーカーに黒いショートパンツを身にまとった、小柄な少女だった。
相模路香――小学六年生の天才少女忍者。
路香は一瞬で状況を把握すると、菜花の前に立ち、庇うように構える。
「大丈夫よ。ここは任せて」
「……あ、あなたは!?」
戦闘員たちがざわめく。
「貴様、何者だ!?」
「子供は引っ込んでいろ! 怪我をするぞ!」
路香は臆することなく、鋭い視線で敵を睨み返した。
「子供扱いすると、後悔するわよ」
静かな声だったが、その中には揺るぎない自信があった。
路香は軽く拳を握り、足を踏み出す。

ネオブラックマフィア戦闘員イラストは、りばーさいど様。
「さあ――どこからでも、かかってらっしゃい!!」
夜の闇が、一気に張り詰める。
菜花の背後で、白い影が風のように動き出そうとしていた。
(つづく)

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