地底人の陰謀
地下深く広大な空洞に人知れず築かれた礼拝堂にて、邪神アルドーへの祈りを捧げる怪しげな白ローブの集団。実は彼らは地上征服を企む地底人である! 地底人たちは来るべき地上侵略の日に備えて、大比良山の地下に巨大な迷宮ともいうべき前線基地(地底迷宮)を建設していたのだった!
そんなことなど露知らず、のこのこと大比良山にドライブがてらピクニックにやって来たのが、同じ大学に通う親友同士でもある織市奏陽、天帆美空、千隼祐一郎、星愛怜美花の大学生4人組である。晴天の下に芝生にシートを敷いて、今朝美空と怜美花が作って来たお弁当を美味しそうに頬張る奏陽と祐一郎。食後の腹ごなしにと近くの森の中を二人で散策して来ると言って、祐一郎&怜美花から一時離れる奏陽と美空。しかしそんな二人の動きは、地底人が周辺に仕掛けた基地のレーダーにキャッチされていた!
「隊長、怪しい地上人が基地の入り口に近づいてきます!」
「すぐに捕獲しろ!」
まさか森の散策路のそんなすぐ近くに悪の地底人たちのアジトの出入り口があろうなどとは気づくはずもなく、たちまち奏陽と美空は地底人たちに補足されてしまった。
「な、何なんだお前らは!?」
「騒ぐな地上人! 大人しく我々と一緒に来るんだ!」
「抵抗すれば命はないぞ?」
「美空! 逃げろ! 逃げるんだッ!!」
「誰かッ! 誰か助けてェェッ!!」
美空の悲鳴が、奏陽と美空の帰りを待っていた祐一郎と怜美花の耳にも届いた。何事か!?と慌てて森の中へと駆けつけた二人が見たのは、気を失っている奏陽と美空がそれぞれ地底人たちによって肩に担がれてどこかへと運ばれる様子であった。
「大変だ! 早く警察に連絡しないと!」
「…ダメ。圏外で110番に繋がらない! どうしよう祐一郎?💦」
「ここで慌てたらダメだ。ともかく奴らに気づかれないように後を追おう」
迷宮の入り口
やがて祐一郎と怜美花は、地底迷宮の入口へと辿り着いた。
「信じられない…。こんな場所に洞窟の入り口があったなんて!? 何かの遺跡かしら?」
「怜美花、お前は一人で今来た道をスマホの電波が繋がるところまで戻って、警察に連絡してくれ」
「祐一郎はどうするの?」
「俺はあの洞窟の中に入って、奴らに捕まってる織市や天帆さんを探してみる」
「分かったわ。くれぐれも無茶はしないでね」
しかし、ここで怜美花を一人で帰したのが祐一郎の大きな判断ミスとなる。一人で森の中を歩く怜美花は案の定、木々や繁みに姿を隠して待ち構えていた地底人たちに襲われてしまう。二人の尾行は最初から地底人たちには筒抜けだったのだ!
「地上人の娘、そんなところで何をしている?」
「お前の行くべき先はそっちではない。さあ来るんだ!」
「キャアアッ!! だ、誰かァァッッ!!」
囚われの奏陽と美空
「ぐむぅぅ! んむぅぅッッ!!」
奏陽は両手両足をロープで縛られて、口にも猿轡を施されて喋れない状態で地下牢に監禁されていた。そして一方の美空はと言うと…?
「地上人の娘、我々の秘密基地に近づいて何を探っていた!?」
「知りません! 私は本当に何も知らないんです! どうか家に帰してください!」
「嘘をつくな!」
「強情な女め。ならばお前の体にでも直接聞いてやるか。ぐへへ…」
「…な、何をする気なの!? い、いやっ…やめてください! イヤァァァッ!!!!!!」
楽しいはずのピクニックが一転。
とんでもない事態に巻き込まれてしまった大学生4人組の運命は!?
次回へと続きます!
コメント
>実は彼らは地上征服を企む地底人である! 地底人たちは来るべき地上侵略の日に備えて、大比良山おおひらやまの地下に巨大な迷宮ともいうべき前線基地(地底迷宮)を建設していたのだった!
もはやこれはワン〇ンマン案件じゃないのかと思える強大な相手、そんな奴らの巣に知らずとやってきてしまった運の悪い仲良し大学生達…別に冒険したくて森に入ったわけでもないのに巻き込まれる一般人…もはやここまでくると無事に帰ってこれた次の日に宝くじ買ったら逆に当たるんじゃないかって程悪い方に運が傾いてますね…
地上人のエージェントか何かと勘違いされ捕らわれてしまった奏陽くんと美空ちゃん、
それに気づき後を追う事が出来た祐一郎くんと怜美花ちゃんだが、ここで痛恨のミス!
こうゆう時にヒロインを1人にするとほら…はいフラグです、スマホの電波を追っていた怜美花ちゃんも捕らわれの身に、そして知らぬ間に1人残される祐一郎くん、相手は人智を超えた存在と思われる地底人の大群…もう無理ゲーじゃないですか?
普通だったら最初に〇害されてしまう一般人のポジションですよねこれ、とりあえず命は無事であろうが自由を奪われた状態の3名と残された無力な大学生…外部との連絡とれず…
ここで残された祐一郎くんがどんな活躍を見せてくれるのか逆に楽しみです、捕らわれの3人を救いだし、無事にこの山から脱出することが出来るのか、次回の祐一郎くんの活躍に期待です!
> もはやこれはワン〇ンマン案件じゃないのかと思える強大な相手、そんな奴らの巣に知らずとやってきてしまった運の悪い仲良し大学生達…別に冒険したくて森に入ったわけでもないのに巻き込まれる一般人…もはやここまでくると無事に帰ってこれた次の日に宝くじ買ったら逆に当たるんじゃないかって程悪い方に運が傾いてますね…
確かに平和ニッポンで生まれ育った非戦闘員の大学生だけで対処するには、さすがに荷が重すぎますね。何かしら正義の味方的な存在を登場させる必要はあるかもしれないですね。