ミラージュマスクの憂鬱　第3話

連れ去られた梨帆

シブルリックオーダーのメンバーである紫城心翔、美濃本敦、瀬尾梨帆に、総司令のフィリス=ミラ=エクセリアから指令を下った。「市内で発生しているテニス少女連続誘拐事件を捜査して極秘のうちに解決せよ」というものだ。心翔と梨帆、敦とフィリスの二組に分かれて囮捜査を行い、ついに犯人を追い詰めたかと思ったのだが…。

「じゃあ昨日のは結局ただの模倣犯だったのか…」
「やれやれ、捜査はまた一から振り出しだな」

学校からの下校中、住宅街の道を歩きながら立ち話をしている心翔と敦と梨帆の3人。

昨日、テニス少女を車に乗せて誘拐しようとした男は完全な模倣犯であり、一連の事件とは無関係であることがその後の警察の取り調べで分かった。敦とフィリスが追跡した後、男を取り押さえて警察に引き渡し、少女を無事に保護したまではよかったのだが、肝心の本命の事件に繋がる手がかりを得ることは出来なかったのである。

「とにかく、その女の子が無事に助かってよかったわ」
「そうだな。…あ、俺たちはこっちだから」
「うん、また明日学校でね」

分かれ道で行く先が違うため、心翔や敦とは別れて別の方向を一人で歩く梨帆。そんな彼女に背後から忍び寄る魔の手が…!!

「お前が瀬尾梨帆だな？」
「…!? あ、あなたは…!?」

それからしばらくして梨帆の「キャアアッ！！」という悲鳴が、彼女と別れて帰路を歩いていた心翔と敦の耳にも聞こえた！ 慌てて来た道を引き返す二人。そんな彼らを待ち受けていたのは、気を失っている梨帆をお姫様抱っこして遥か高く空中に浮いている、黒い甲冑に全身を包んだ謎の男だった！

「梨帆ーッ！？」
「貴様、何者だ！ 梨帆を放しやがれ！！」
「よく聞けシブルリックオーダー！ 吾輩の名はダークロード卿。大宇宙の大いなる悪の使者ダーク星人の栄えある一員だ！」
「ダークロード卿だとッ…？」
「吾輩はお前たち醜い地球の猿などに興味はない！ 吾輩の狙いはミラージュマスクの首一つ！」
「ミラージュマスク…?? 何だってあんな奴を！？」
「帰ってミラージュマスクに伝えろ！ 娘を返してほしかったら、明日の正午までに地獄谷にある廃工場まで一人で来いとな！」
「ま、待て！！」

用件を一方的に伝えたダークロード卿は、テレポートで捕らえた梨帆共々さっさと姿を消してしまった。

ビビるミラージュマスク

「お～い！開けろミラージュマスク！ いるのは分かってんだぞ！！」

梨帆を連れ去られてしまった心翔と敦は、すぐさまミラージュマスクが住んでいる市内のボロアパートへと乗り込んだ！

「何だお前たちは！？ びっくりさせおってからに！ てっきり大家が滞納してる家賃の催促に来たもんだとつい身構えてしまったじゃないか！💦」
「いいから邪魔するぜ！ 緊急事態なんだ！」
「…お、おい！？💦」

ミラージュマスクの部屋に強引に踏み込んだ心翔と敦は、先程のダークロード卿の一件を彼に説明した。するとミラージュマスクの表情はみるみるうちに顔面蒼白となり、汗を大量にダラダラとたらし始めたww

「ダークロード卿…ヤバイヤバイ、あいつはマジでヤバイよ！💦」((((;ﾟ;Д;ﾟ;))))ﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ〜
「あの黒い鎧野郎のことを知ってるのか！？」
「悪いが今回ばかりは私の手には負えん。君たちシブルリックオーダーだけで頑張ってくれたまえ」
「ふざけんな！ 向こうはアンタをご指名なんだぞ！」
「梨帆の命がかかってるんだ！」
「何と言われようと無理な物は無理だ。梨帆くんには悪いが諦めてもらうしかない」

「バ　カ　ヤ　ロ　ウ　!!」
(o`･д･)≡〇)`Дﾟ)ｸﾞﾊｯ

心翔の怒りのストレートパンチがミラージュマスクに炸裂！

「見損なったぜミラージュマスク。前から変な奴だと思ってたけど、そこまで堕ちた野郎だったとはな。ヒーローの風上にも置けない奴だ！」
「もういい…お前には金輪際頼まねえ！ 梨帆は俺たちだけで助けに行く!!」

ミラージュマスクに失望した心翔と敦はアパートを後にした。それをただ黙って無言のまま静かに見送るミラージュマスク。果たして彼の胸に去来する思いとは…？

「………」

待ち受けるダークロード卿

アジトとして構える地獄谷の廃工場にて罠を巡らし待ち構えるダークロード卿。すぐ傍では制服姿の梨帆が口にガムテを貼られて柱に縛り付けられている。そして部屋の奥の方でも、別の柱にこれまで捕らえて来たテニス美女たちが縄で縛られ拘束されていた。

「んんーっ！！んんーっ！！んんんーっ！！」
「フハハハハハ！！ 吾輩の復讐の悲願が成就する時も近い。ミラージュマスク、待っいるぞ！」

果たしてダークロード卿の語る「復讐」の意味とは！？
梨帆、危うし！

つづく。

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