仲間だったはずの平瀬倫生のまさかの裏切り!?によって、同じサークル仲間で幼馴染の岸本愛実共々捕まってしまった勢川理人。黒幕であるマダムは、倫生の苦渋の裏切り行為を褒め称える。
「でかしました倫生君。やはり理人君も愛実さんも面従腹背。私に忠実なお人形さんになったフリをして、隙あらばこの屋敷から逃げ出すつもりだったのですね」
「約束だ。あの二人を差し出す代わりに、俺と沙織はこの屋敷から出て自由の身にしてくれるんだったよな?」
「ええ、そうでしたね。よく覚えていますとも」
マダムがそう返事をすると、扉から二人組の戦闘員が突然現れて、倫生をロープで縛り上げた!
「な、何をするんだ! これはいったい何の真似だ!? …は、放せ!!」
「ごめんなさい。やっぱり貴方を手放すのはイヤになりました。これからも沙織さん共々、私の可愛いお人形として引き続きこの屋敷で暮らしてもらいます」
「フン、どうせそんなこったろうと思ったよ!」
約束を反故にされることをあらかじめ予測していたかのようにマダムに対して悪態をついた倫生は、戦闘員に別室へと連行されて行った。
「………(そうだ、これでいい。これでいいんだ! 理人、岸本さん、沙織と一緒に3人でどうか無事に逃げてくれ!)」
「んんんむぐっ!!」
「んんぐむぅんんぐぅっ!!」
屋敷内のとある洋室に縛られて閉じ込められていた勢川理人と岸本愛実。二人とも口にはガムテープをピタリと貼り付けられていて、マトモに声も出せない状態だ。二人は背中合わせになって、なんとかお互いに協力して両手を縛っている縄の結び目を解こうと必死だ。
そこへ現れたのは、何と同じく捕まっていたはずの藤永沙織であった!
「んんぐぅッ!?(沙織!?)」
「んんぐぅんんむぐ!?(藤永さん!?)」
「シーッ!静かにっ! …待ってて、二人とも今解いてあげるから!」
沙織に縄を解いてもらい、理人と愛実は手足の自由を取り戻した。
「ふーっ、ありがとう藤永さん!」
「おかげで助かったわ!」
「二人とも無事でよかった」
「さあ、さっさと3人でここから脱出しようぜ!」
「待って! まだとも君が捕まったままなの!」
「何言ってるんだ! アイツは僕たちを裏切ったんだぞ!! あんな奴ほっとけよ!!」
「違うの!そうじゃないの! とも君は――!!」
沙織の説明によると、やはり倫生が理人たちを裏切ったと見せたのは、敵の目を欺くための芝居だった。スパイとしてマダムの言いなりになり、信用を勝ち得たところで脱出のチャンスを掴むため。先に助け出した沙織に理人と愛実の救出を指示し、自分はマダムとその一味の注意を引き付けるために、あえて自分一人だけ捨て駒となるつもりだったのだ。
「…そうだったのか。僕はそんなアイツの気持ちにも気づかずに裏切者と罵っていたのか…! 許してくれ、倫生!!」
「お願い勢川くん! とも君を助けて!!」
「勿論だとも! ここから逃げる時は4人一緒だ! 愛実も協力してくれ!」
「ええ、勿論よ! 必ず平瀬くんを助け出しましょう!」
いよいよマダムとの決戦の時は近い!
コメント
やっぱり沙織ちゃんを助けたのは倫生くんでした、あえてネタバレしないように名前を出さなかったおかめ御前様、ナイスです!
まあゲ〇以下人外魔女マダムが約束なんざ守る筈がないですからね~、それを解った上であえて自分を犠牲に仲間を助けようとする倫生くんの男気は素晴らしいですが、このままバッドエンドは裏切者と思い込み見捨てようとまでした理人くんにどえらいトラウマ植え付けてしまいそうですからね…ここはハッピーエンドの大団円といきたいところですね~
ここまで頭に浮かんだストーリーを連々と書き続けて来て今更ながら気づいたのですが、タイトルにある「からくり監禁城」の「からくり」って一体何だろう…??
ハッピーエンドの大団円も勿論なのですが、完結までにきちんとタイトルを回収しなければならない!という重大な事実に気が付いてしまいました…。_| ̄|○