近年ラノベ市場を席巻している異世界ものですが、死亡して前世の記憶を持ったまま生まれ変わる異世界転生はともかく、一方的な片道切符の異世界召喚って、あれってどう考えても誘拐そのものですよね💦
そんな異世界ラノベから着想を得ました(^^♪
異世界召喚誘拐
「…なに? いったい何なのこれはァァッッ!!」
海外旅行中の宿泊先のホテルにて、突然足元から謎の光に包まれたと思ったら、次の瞬間には見知らぬ部屋の円形の魔法陣の上に立っていた中村友美さん。彼女の周囲には、いかにも人相が悪い黒いローブを纏った魔法使い風の男たちが3人。
「おおー! 時空魔法陣の実験は成功したぞ!」
「その異世界人の娘は貴重なサンプルじゃ。すぐにひっ捕らえろ!」
「キャアアッ!! 何するんですか!? 放してください!!」
縄を打たれた友美さんは、王城へと連行されることに。
王城へ連行
「いやっ、お願い!放してください!」
「喋る余裕があるならとっとと歩け。何ならここで切り捨ててもいいんだぞ」
王宮兵士の非情な言葉に脅されて、泣きながら懸命に歩く友美さん。そんな彼女を待っていたのは傲慢な王との謁見だった。
「控えろ! 王の御前だぞ!」
「ううっ…!!」
友美さんは王宮兵士によって強引に頭を抑え込まれる。
「王よ、異世界から召喚した娘を連れて参りました」
「素晴らしい! 魔導の実験は成功したようだな。時空魔術師には褒美を与えねば…」
異世界から人間を召喚する実験成功の報告を受けた王は、いかにもご満悦の様子だ。友美さんは王に対して自分を元いた世界に返してもらえるよう懇願する。
「お願いです! 元の世界に帰してください!」
「コラ貴様ッ! 下賤の身分の分際で、王に対した奉り直接口を利くとは何事か!?」
「大臣よ、一度異世界から召喚した者を元の世界に戻す術はあるのか?」
「時空魔術師からの報告では、まだそこまでの方法は確立されていない由にございます」
「そんな…ひどい! もう家族にも友達にも会えないなんて! わたしのいた世界では自国民が外国に拉致されたら国際的なテロとして非難されるんですよ!」
「大臣よ、この娘はいったい先程から何を言うておるのだ?」
「さあ、私めにもさっぱり分かりませぬ。所詮は卑しい身分の者の戯言。王がお気になさる必要はございません」
「それもそうじゃな。ではその娘をしばらく牢に閉じ込めておけ! ただし殺してはならぬぞ。自害されぬように口に轡も噛ませておくのじゃぞ!」
「畏まりました。ほら娘、こっちへ来い!」
「いやっ、やめて! 放して!! 何を……んぐ、んむむぅぅー!!」
舌を噛み切られないように猿轡まで口に噛まされ、縛られたまま牢屋の中に放り込まれてしまい絶望に打ちひしがれる友美さん。
「んっ、んんっ…(どうして…どうしてわたしがこんな目に? 助けて、ヒロくん…!!)」
今まで何度も誘拐監禁のピンチを切り抜けて来た友美さんだったが、異世界に連れて来られた今回ばかりはさすがにもうダメかもしれない。思わず心の中で最愛の弟の名を呟くのであった。
ヒロくん参上!
天は決して友美さんを見捨ててはいなかった!
どういう経緯かは不明ながら姉が異世界に連れ去られたことを知った弟の弘樹くんが、姉の時と同じ魔法陣を使って異世界の城に乗り込んで来たのだった!
どうやってヒロくんが異世界までやって来たのかって?
細けーことはいーんだよ!!
「く、曲者だァァッッ!! 出あえー!!出あえー!!」
「姉ちゃんをどこにやった!? お前ら、もし姉ちゃんを泣かせていたら容赦しないぞ!!💢」
すっかりバーサーカーモードになった弘樹くんの前では、武装した王宮兵士たちと言えども敵ではないはず。さあ行け弘樹よ! 囚われの姉を救い、ついでにあの胸糞悪い王様一味を思う存分にぶちのめしてくれ!!
END
コメント
すっかりこちらでもレギュラー化した友美さん、こちらの友美さんの活躍(?)を見て、産みの親の亡八者様の活力になって頂けると良いですね!
友美さんの不幸はとうとう時空を超えた!!
友美さんはまだサービニア島にいるですね、なんか連日不幸に遭ってませんか…今更ですがよく今まで生きてこれましたね…
確かに異世界召喚って、拉致ですよね…同意なしとかマジ最悪です!
別に勇者を求めていたわけでもなく、ただの魔法の実験で召喚され、何がなんだかわからない状態で国王の前に引っ立てられる友美さん、
必死の訴えも、意味が解からないで一蹴、ここで友美さんに意外な能力が発動…
国王「おお、そなたはもしや…」…って展開もなく、牢屋に放り込まれる友美さん、しかも話の流れでどうやら元の世界に帰る術も確立されてないとか…なんたる無責任!!
とにかく傲慢な奴らですね、たしかに胸糞です…友美さんを何故か自害されないように猿轡を噛まして捕える国王、この後友美さんをどうするつもりなのか、もしかして…ぐへへ…
>どういう経緯かは不明ながら姉が異世界に連れ去られたことを知った弟の弘樹くんが、姉の時と同じ魔法陣を使って異世界の城に乗り込んで来たのだった!
シスコンパワーが時空を超える!
シスコンこええ、閉じようした魔法陣に気づいた弘樹くんが、ATフィールドをこじ開けるヱ○ァ初号機の如く、無理矢理入ってきたのでしょうか?
それとも反国王派によって召喚されたのか、とにかく今から弘樹くん無双が始まりそうですね~
> とにかく傲慢な奴らですね、たしかに胸糞です…友美さんを何故か自害されないように猿轡を噛まして捕える国王、この後友美さんをどうするつもりなのか、もしかして…ぐへへ…
物珍しさから友美さんを側室にしようとか考えていた可能性はありますね。
> シスコンこええ、閉じようした魔法陣に気づいた弘樹くんが、ATフィールドをこじ開けるヱ○ァ初号機の如く、無理矢理入ってきたのでしょうか?
後になってから思いついたのですが、たまたま通りすがったミラージュマスクに力を貸してもらって次元の壁を突破したのかもしれませんね。…となると、当然あのポンコツヒーローも弘樹くんに同行して来た可能性も💦
これまた秀逸な1話完結の短編(^▽^)/
某異世界チート魔術師(マジシャン)的な展開に・・・と思いきや(;^ω^)
でも、ある意味これも異世界チートですね。
弘樹くんの暴れっぷりを見た誰かが「おおー! そなたはもしや伝説の!?」とか言い出して、この後彼が勇者に祭り上げられちゃって魔王征伐に行かされる展開もアリかと。姉のピンチが絡まないと力を発揮できない弘樹くんとしてはマズいことになりそうですね。