BRAVERS EDITION　episode.21

悪の組織ネオブラックマフィアの違法薬物取引の現場を偶然目撃してしまった、ごく普通の平凡な男子高校生・夏幹時生。その時生を警護するため、ブレイバーズの錦織佳代と甲賀流天才少年忍者・稲垣健斗は、ICPO特命捜査官・彩堂寺戒と3人でチームを組んで警戒に当たるが、何故か時生は非協力的な態度で戒たちを追い払おうとする。

※文章は、chatGPTで生成しています。

不穏な昼休み

昼休みの教室。窓際の席で昼食をとっていた夏幹時生の隣に、広田真衣が心配そうな顔をして近づいてきた。
「ねえ時生、あの人、さっきからずっとこっちを見てるみたいなんだけど…」
小声でそう囁く真衣の指先は、教室の窓の外を指している。

「えっ……？」
時生は不安げに顔を上げ、真衣が指し示す方向を見る。校門の近くに立つ一人の男が視界に入った。その鋭い眼光でじっとこちらを見上げている男――彩堂寺戒。

「チッ……アイツら、こんなところにまで」
小声で吐き捨てるように呟く時生。

「どうしたの？」
怪訝そうに首を傾げる真衣に、時生は慌てて取り繕った。
「いや、なんでもないよ。心配すんな」
わざと軽い口調で答えたが、明らかに様子がおかしい時生を真衣は不安げに見つめていた。

その時、教室の後方から声が響いた。
「おい、夏幹！」
同じクラスの男子生徒が急ぎ足で時生に近づいてくる。

「なんだよ？」
時生は少し面倒くさそうな表情を向けた。

「梶本が呼んでるぞ。今すぐ生活指導室に来いってさ！」
「ゲッ！ 梶本が！？ マジかよ……」

梶本――学校の生活指導担当の教師だ。校内でも恐怖の象徴のような存在で、体育会系特有の怒鳴り声と威圧感で、生徒たちからは「鬼梶本」と呼ばれている。

「お前、なんかやらかしたんじゃないのか？」
別の男子がからかうように言った。

「知らねーよ！ 全く身に覚えがないんだよなぁ……」
渋々腰を上げる時生。気が進まないものの、放っておけば梶本が教室に乗り込んでくるのは明らかだった。

「まったく、昼休みくらいゆっくりさせてほしいよ……」
愚痴をこぼしながら、時生は生活指導室へと向かった。

驚愕の光景

生活指導室のドアを開けた瞬間、時生の動きが止まった。目の前に広がる光景は、あまりにも異様だった。

「なっ……！」
声にならない声が喉から漏れる。

そこには、生活指導担当の梶本教諭がいた。いや、「いた」と言うのが正しいのかは分からない。
梶本は縄でぐるぐる巻きに縛られ、口には猿轡を噛まされている。そして、まるで粗大ゴミのように無造作に床に転がされていたのだ。

「な、なんだよこれ……！」
時生は額に汗を滲ませながら後ずさる。

その時、生活指導室の奥から低い笑い声が聞こえてきた。
「おや、ようやく来たか。待ってたぜ、夏幹時生くん……」

薄暗い部屋の奥から現れたのは、一人の男。鋭い目つきと不敵な笑みを浮かべたその顔には、冷酷さが滲み出ていた。

「お前は……！」
時生は驚きと恐怖で言葉を詰まらせた。

「話は簡単だ。おとなしくついて来い。それが嫌なら、この先生の命がどうなるか……分かるよな？」
その男の手には、梶本を盾に脅迫するかのように突きつけられたナイフが握られていた。

救援への失踪

校門前で待機していた彩堂寺戒は、じっと周囲を警戒しながら立っていた。鋭い目つきで校内や通りを見渡しながらも、その感覚は常に研ぎ澄まされている。戒の身体には、サイボーグとしての高度な機能が組み込まれており、その一つがマルチイヤー。人間では到底聞き取れない遠くからの微かな音も、彼には鮮明に捉えることができる。

突然、その鋭敏な聴覚が微かな声を捉えた。

「……助けて――！」

遠くから響いた、少年の切迫した声。それは紛れもなく、夏幹時生のものだった。

戒の眉間に一瞬で緊張が走る。声の方向を即座に解析しながら、小型無線機に手を伸ばし、冷静だが緊急性を帯びた声で指示を出す。
「佳代、ボーズ！ 校舎内で異変が起きた。時生が助けを求めている。すぐに行動開始だ！」

無線からすぐに佳代の返事が返ってきた。
「了解。アタシは裏口から校内に入るわ！」
健斗も応じる。
「任せてくれ！ 俺は屋上から急行する！」

指示を出し終えた戒は、声の方向を正確に特定し、一瞬の躊躇もなく行動を開始した。

圧倒的な速度

戒の足は人間のものではない。その脚部に組み込まれた超高性能モーターが、異次元の速度で地面を蹴り上げる。風を切るような音とともに、戒の姿は一瞬で校門から消え去った。

「時生、持ちこたえろ……！」
呟くその声は冷静だったが、その眼差しには焦りと決意が宿っている。

数秒の間に校舎の入口に到着した戒は、迷わず校内に飛び込んだ。目指すのは時生の声が聞こえた方向――生活指導室だ。

廊下を疾走する中、戒は人目を気にする余裕すらなかった。生徒たちは何が起きたのか分からず、ただ彼の突進に驚いて避けるしかない。

緊迫の生活指導室

生活指導室のドアが見えた瞬間、戒は足を止めることなくそのまま突撃した。分厚い木製のドアが派手な音を立てて吹き飛ぶ。

「――時生！」
戒の鋭い声が室内に響き渡る。

目に飛び込んできたのは、床に転がる梶本教諭、そして時生の腕を掴む怪しい男の姿だった。その男の手にはナイフが握られており、時生を人質に取るべく動いている最中だった。

「お前は――！」
男が驚愕の表情を浮かべた瞬間、戒は躊躇なく駆け出した。

「放せ！」
戒の目が鋭く光る。その声には圧倒的な威圧感があり、男の動きが一瞬止まる。その隙を見逃す戒ではない。

戒の脚が床を蹴ると、あっという間に男との距離を詰め、その右手を正確に狙って手刀を叩き込む。ガシャン！ 鋼鉄のような力で握られたその一撃で、男のナイフが宙を舞い、床に落ちた。

「くっ……！」
男は怯んだが、それでも時生を引きずろうとする。

「時生、伏せろ！」
戒の指示に即座に反応した時生がその場に身を低くした瞬間、戒は追撃に入った。

男が次の行動に移る前に、その体を掴み、全身の力を込めて壁へと叩きつける。

ドンッ！
凄まじい音が室内に響き渡り、男は完全に動きを止めた。

救出成功

「大丈夫か、時生？」
戒は荒い息を整えながら、時生の元に駆け寄る。

「……な、なんでアンタがここに……」
呆然としながらも、助かったことに安堵の表情を見せる時生。

「理由は後だ。お前が無事ならそれでいい」
戒の声は冷静だったが、微かに安堵の色が滲んでいた。

その時、後方から急ぎ駆けつけた佳代と健斗が姿を現した。

「戒、状況は？」
佳代が鋭い目つきで室内を見渡す。

「時生は無事だ。この男はもう動けない」
戒が男を指差しながら答えた。しかし倒れていた男は、突然身体中から白い泡が噴き出したかと思うと、やがて溶けるように跡形もなく消えてしまった。

「バイオミュータントか…。おそらくは下っ端の雑魚だな」
戒が吐き捨てるように呟く

健斗が驚いた顔で時生を見た。
「よかった！ 怪我してないよな？」

「お前ら……何なんだよ……」
時生は困惑しながらも、全員の行動に対して何かを言いたげな様子だった。

「説明は後だ。今はここを離れるぞ」
戒は保護した時生の肩を軽く叩きながら、この場から移動するように促した。

物語は、さらに加速するかのように動き始めた――。

つづく。

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