ブレイバーズの錦織佳代、クリストフォロ=エヴァルド=コルティノーヴィス3世(クリス)、寺瀬詩郎の3人は、アスカロン財団との定期会合のために、財団本部オメガ=タワーズを訪れる。佳代たちを出迎えるアルマ=ブラックバーンだったが、そのアルマが脱獄した黒百合によって拉致され、あろうことか詩郎にアルマ誘拐の容疑がかかってしまう。
黒百合のアジトに監禁されていたアルマは、ライトシーカーの三刀谷真玲と周翠琳のコンビによって無事に救出されたのだが、今度は行き違いで佳代が黒百合に捕らえられてしまう。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
アルマ到着
アスカロン財団本部「オメガ・タワーズ」。最深部に位置する技術開発研究部副本部長アーノルド=フックス専用ラボは、外界から隔絶された冷たい空気が支配していた。壁に埋め込まれた電磁装置が低く唸り、蛍光灯の白い光が、椅子に拘束された寺瀬詩郎のやつれた横顔を照らしている。

額を汗がつたう。息は荒い。だが眼の奥だけは折れていない。
フックス「しぶといガキだ。まだ認めんのか?」
詩郎は、乾いた喉から絞り出すように声を返した。
詩郎「何度言われようが……知らないものは、知らないッ……!」
副本部長フックスは鼻で嗤い、手元のスイッチを指先でなぞった。
フックス「フッ、その強情も果たしてどこまで持つかな?」
パチリ、と電極装置が再起動する気配を見せた――その瞬間。
ガチャッ!
重いドアが勢いよく開き、白衣やスーツの影が四つ、鋭利な気配とともに室内へなだれ込んできた。
フックス「……ブ、ブラックバーン!? なぜここに……?」
最前に立つアルマ=ブラックバーンは、冷たく光る銀の瞳でフックスを射抜いた。
アルマ「どうした副本部長? 私がここにいるのがそんなに不思議か?」
フックス「……い、いや……別に……」
フックスの声が震える。
その後方には、クリストフォロ=エヴァルド=コルティノーヴィス3世、三刀谷真玲、周翠琳。
全員がただならぬ空気を纏っていた。
アルマ「寺瀬詩郎は無実だ。黒百合に襲われるまで、この男はずっと私と行動を共にしていた。その身柄を拘束する理由はない。――すぐに彼を解放しろ」
有無を言わせぬ声だった。
クリスがすぐに詩郎の元へ駆け寄り、拘束具を外しはじめる。真玲と翠琳も素早く支えた。
クリス「詩郎さん、大丈夫ですか!? どこか痛むところは……!」
詩郎(憔悴しながら)「あ、あぁ……ありがとよ……。でも、なんでライトシーカーが……俺のために?」
詩郎の視線が、翠琳の端正な横顔へ向く。
彼を敵視していたライトシーカーが動くなど、常識では考えられない。
翠琳「勘違いしないで。私たちは与えられた任務をこなしただけ」
詩郎「……そっか。まあ、礼は言っとくよ」
詩郎は肩で息をしながら、クリスに振り向いた。
詩郎「それより……クリス、姐さんは? アルマを助けに行ったんじゃ……」
クリス「どうやらアルマさんが翠琳さんたちに助けられた時に、行き違いになったみたいです。こちらから連絡したんですが、携帯が繋がらなくて……」
その時――。
♪ピリリリリリ……。
静寂を裂く着信音が鳴り響く。
詩郎「――姐さんからだ……!」
全員が息を呑んだ。
詩郎は震える指で通話ボタンを押す。
詩郎「もしもし、姐さんか? 俺だ、詩郎だ」
直後。
黒百合の声「フフフッ……ハァ〜イ♪ 紫髪の坊や、元気してた?」
詩郎の全身から血の気が引いた。
詩郎「て、てめぇは……!?」
佳代の番号。佳代のスマホ。
しかし、聞こえるのは黒百合――ダークリリィの艶めいた声。
考えたくもない最悪の事態が、脳裏に閃いた。
黒百合の声「ねぇ、落ち着いて聞きなさい? あなたの大〜好きな“姐さん”ね……ちょっとしたトラブルに巻き込まれちゃってさぁ……」
通話越しの笑い声が、耳の奥に爪を立てる。
黒百合の声「続きは……直接、会ってから話そうかしら? 後でまた連絡するわ」
プツン。
通話が切れた。
凍りついた沈黙のなか、詩郎の握りしめたスマホが小刻みに震える。
怒りか、恐怖か、焦燥か――抑えられない感情の奔流が、胸の奥を灼いていた。
詩郎「姐さんに……何しやがった……黒百合……ッ!」
アルマが鋭い視線で詩郎を見据えた。
アルマ「状況は最悪だ。――すぐに追跡準備に入る。詩郎、動けるか?」
詩郎「……あぁ。やってやらぁ……!」
こうして、佳代奪還作戦は静かに幕を開けた――。
囚われの佳代
薄暗い倉庫の一室。
小さな窓からわずかに差し込む西日のオレンジ色が、コンクリ壁に長い影を落としていた。

その中央のパイプ椅子に、錦織佳代は後ろ手にされ、胸と腹の2ヵ所を太い麻縄でしっかり固定されていた。
ロープは重く、肌に食い込み、少し動くだけでも固く締まる。
――くっ、動けない……。
佳代は奥歯を噛み締めた。
縄抜けの術なら自信があった。
くノ一として鍛え、どんな拘束からも数秒で抜け出せる自負がある。
だが、今身体に巻きつくこの縄はまるで「生きている」かのように隙がなく、結び目の位置や締め方には覚えのない独特の癖があった。
佳代(黒乃巣流捕縛術……やっぱり解けないか……!)
その時、コツ、コツとヒールの音が近づいてくる。
黒百合「フフッ、目が覚めたみたいね? ブレイバーズの可愛い子猫ちゃん」
影が差し、黒百合が姿を現した。
妖艶な笑みを浮かべながら、佳代の前にしゃがみ込む。
佳代「……あたしをどうするつもり?」
黒百合はその質問に、まるで待っていたと言わんばかりに喉の奥で笑った。
黒百合「“どうする”もなにも……あなた、使い道は山ほどあるのよ?」
その後ろから部下の百合鴉が現れ、楽しげに口笛を吹いた。
百合鴉「そーそー。アルマ=ブラックバーンに逃げられちゃった時は焦ったけど……代わりにブレイバーズの秘書官サマが転がり込んできたんだもん。むしろこっちの方が当たりかもね?」
百合鴉は佳代の頬の横すれすれでしゃがみ、覗き込む。
百合鴉「ねぇ、佳代ちゃん。あなたが捕まって一番嘆いているのは誰かしら?」
百合鴉は立ち上がり、佳代の背後をゆっくり歩きながら言葉を続けた。
百合鴉「もちろん――寺瀬詩郎よ。きっと今頃”俺のせいで姐さんが捕まった!”と自分を責めてるでしょうね」
佳代「詩郎を……どうする気?」
黒百合「簡単な話よ。あなたを“餌”にして、寺瀬詩郎をこの街の裏の裏まで引きずり出すの」
影のような笑み。
黒百合「あの坊やにはね……ちょーっと聞きたいことがあるのよ」
佳代「詩郎は関係ない! あんたたちの目的に巻き込まないで!」
百合鴉「はは、言うねぇ」
百合鴉はロープを軽く指で弾く。
百合鴉「でも黒百合様の“黒乃巣流捕縛術”の縄から抜けられるやつなんて、この世にいないよ? くノ一のアンタでもね」
佳代は歯を食いしばった。
術を使おうとすればするほど、縄は逆に締まり、逃げ道を完全に塞いでくる。
黒百合は佳代の目の前に立ち、その顎を指先で軽く上げた。
黒百合「寺瀬詩郎を呼び寄せる。
そして――旧おかめ党の遺産、ブレイバーズの機密情報、アスカロン財団の動き……知ってることはぜんぶ吐いてもらうわ」
視線は残酷なほど冷たい。
黒百合「あなたはその“切り札”。
詩郎があなたを助けに来れば、情報を吐かせる材料になるし……来なければ来ないで、あなたを利用する手はいくらでもあるわ」
佳代「卑怯よ……!」
黒百合「フフ、忍者に言われたくないセリフだけど?」
百合鴉がポケットから佳代のスマホを取り出し、ひらひらと振った。
百合鴉「とりあえず、さっき詩郎くんには“お電話”してみたよ。すっごく驚いてたぁ」
佳代の心臓が跳ねる。
黒百合「さあ、準備は整ったわ。
“狩り”の時間よ――佳代ちゃん。あなたにはしばらく、ここでおとなしくしていてもらう」
黒百合のヒールが遠ざかり、重い鉄扉が閉じられた。
残されたのは、固く縛られた佳代と、じっとりとした薄暗闇だけ。
佳代(詩郎……来ないで!)
葛藤する胸を押さえ、佳代は小さく呻いた。
黒乃巣流捕縛術――
その異名は伊達ではなかった。
(つづく)

コメント
黒乃巣流・・・そういえば、黒百合様の詳細設定とか殆ど考えていない大首領JUDOでありました(‘◇’)ゞあくまで、おかめ様世界における黒百合様だけかもしれませんが(;^_^A
Sea-Artでの加工にもそろそろチャレンジしてみたいですね。