BRAVERS EDITION　episode.135

安土市内で失踪した大学生の捜索・救出作戦を命じられた獅場俊一と寺瀬詩郎の二人は、地球連邦軍オメガ・ヴェール基地にあるディオドスシステムを使って、セレスティア=スパークル少尉（セリィ）と共に異世界タシェニュヴルアへと渡り、そこでグランベルミア王国の女騎士リュシエル・アストレア＝ヴァン＝グレイヴの協力を得る。山賊グロム一家に攫われたセリィを救うため、詩郎とリュシエルは一味のアジトに乗り込む。

※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。

セリィ救出

松明の赤い光が揺らめく山賊のアジト。
奥まった牢の中で、セリィは縄で縛られ、ぐったりとうつむいていた。

リュシエルは剣を握り直し、詩郎の肩越しに鋭い眼差しを向ける。
「……あそこだ。セリィ殿はあの牢にいる！」
「よし、突っ込むぞ！」
二人は目配せを交わし、同時に駆け出した。

見張りの山賊が気づいて叫ぶ。
「て、敵だァ！　侵入者だっ！」
「あの女騎士も逃げたぞ～！」
剣を抜き放つ山賊の一人に、リュシエルは一直線に踏み込み、鋭い突きで喉元を貫いた。
その横をすり抜けるように詩郎は手に入れた短刀を閃かせ、別の山賊の腕を斬り裂き、呻き声を上げさせる。

「詩郎殿、鍵は任せる！」
「任された！」
リュシエルが正面から敵を引きつける間に、詩郎は素早く牢の錠前に取りついた。
腰の袋から細工道具を取り出し、手早くピックを差し込む。
カチリ、と乾いた音が響いた。

「開いた！　セリィ、しっかりしろ！」
詩郎が駆け寄り縄を切ると、セリィは弱々しく顔を上げる。
「……詩郎さん……リュシエルさん……」
「よく耐えたな。もう大丈夫だ」
リュシエルは優しく声を掛けながら彼女を抱き起こす。

だが、奥の通路から怒声が轟いた。
「なにをしてやがるッ！　皆、かかれぇ！！」
グロムの手下たちが雪崩のように押し寄せてくる。

「まずい、数が多いぞ！」
詩郎が構え直した瞬間――
轟音と共に厚い扉が破られ、甲冑に身を固めた騎士団が突入してきた。
「リュシエル隊長、ご無事ですかッ！」
その先頭には、息を切らしながら俊一の姿もあった。
「詩郎！　間に合ったか！？」

「俊一殿……！」
リュシエルの胸に安堵の笑みが浮かぶ。
「全員、配置につけ！　この不届き者どもを一人も逃すな！」
彼女の号令が響き渡り、騎士団の剣が一斉に抜かれる。

山賊たちは怒号を上げながら突撃してくるが、騎士団の盾壁がそれを受け止め、鋼のきらめきが火花を散らす。
詩郎はセリィを騎士団に託し、再び短刀を構えた。
「さあ、決着をつけようじゃないか！」

こうして、セリィ救出を果たした詩郎たちは、山賊との最後の激戦へと突入していった。

グロムとの対決！

轟音と共に奥の間の扉が打ち破られた。
現れたのは、緑色の肌に分厚い筋肉を纏った巨躯――山賊の頭目にしてオーガの化け物、グロム=アイアンジョーである。
「グハハハッ！　ちっぽけな人間どもが、俺様の巣に入り込んで好き勝手やってくれたなぁ！」
その眼は血のように赤く光り、振り下ろす棍棒は一撃で床石を粉砕する。

騎士団の面々は後退を余儀なくされ、空気が圧倒的な威圧感で張り詰める。
リュシエルが剣を構えたが、俊一は前に出て手を制した。
「リュシエルさん、これは俺たちに任せてくれ。こいつは……人間じゃない」
詩郎も横に並び、鋭い眼光をグロムに注ぐ。
「そうだな。相手が魔物なら……俺たちは全力を解放できる」

二人は息を合わせ、同時に叫んだ。
「――ブレイブシフト！」

眩い光が彼らを包み込む。俊一の背からは黄金の鬣を模したエネルギーが迸り、獅子を象る鎧がその身を覆った。
ライオンレギウス・パワードモード。
一方、詩郎の身体を青白い光が走り抜け、鋭い牙の意匠を刻んだ装甲が形成される。
サーベルタイガーレギウス・パワードモード。

「な、なんだァ！？　人間が魔獣の鎧を纏いやがっただとッ！？」
グロムの驚愕の咆哮をかき消すように、ライオンレギウスとサーベルタイガーレギウスは同時に駆け出した。

ライオンレギウスが盾のような前腕で棍棒を受け止める。轟音と衝撃が空気を震わせる。
「詩郎、今だ！」
「了解ッ！」
ライオンレギウスが全身で受け止めた隙に、サーベルタイガーレギウスが低く身を滑り込ませ、双の刃を閃かせてグロムの脇腹を斬り裂く。血飛沫が緑色に弾け飛んだ。

「小癪なッ！」
グロムが巨腕を振り回すが、ライオンレギウスは獅子の咆哮と共に拳を叩き込んだ。
「ライオネット・スマッシュ！！」
その拳に宿る獣力が炸裂し、巨体がよろめく。

すかさずサーベルタイガーレギウスが跳躍し、蒼光を纏った双剣を交差させる。
「セイバークロー・クロス！！」
十字の斬撃がグロムの胸を抉り、悲鳴が洞窟を揺るがす。

「ぐぉぉおおおおおッ！！」
最後の力を振り絞り、グロムは棍棒を振り下ろす。しかし――

「とどめだ、詩郎！」
「おう、行くぞ俊一！」

二人の気迫が重なり合い、獅子と剣虎の光が融合する。
「――ダブル・レギウスインパクト！！」

黄金と蒼白の輝きが巨大な奔流となってグロムを直撃。
轟音と閃光が爆ぜ、オーガの巨体は断末魔の叫びを残して炎と化し、やがて灰燼へと消え去った。

静寂が訪れる。
俊一と詩郎は荒い息を吐きながら互いを見やり、拳を軽く打ち合わせた。
「やったな……」
「ああ、勝ったぜ」

その背後で、リュシエルと騎士団、そしてセリィが安堵の笑みを浮かべていた。
こうして、山賊グロムの脅威は完全に討ち払われたのであった。

思わぬ人物の登場

アサイグ砦の広間。
壁には松明の光が揺らめき、戦いを終えた緊張と疲労が未だ漂っていた。俊一、詩郎、セリィ、そしてリュシエルは机を囲み、次の一手を模索していた。

「結局、草川律希さんと桐尾史奈さんの行方は分からずじまいか……」俊一が唸るように言葉をこぼす。

詩郎が視線をリュシエルへと向けた。
「なぁリュシエルさん、さっきの山賊騒ぎで聞きそびれていたんだが……闇の王国って一体何なんだ？」

女騎士は真剣な面持ちで口を開いた。
「闇の王国ヴェロルホアセア――この世界〈タシェニュヴルア〉の地図のどこにも載っていない魔の国だ。魔界の邪悪な神々と契約を交わした闇の女王、通称“三本足の魔女”が統治していると伝わっている」

「都市伝説みたいな話だな」と俊一が眉をひそめる。
リュシエルは頷いた。
「だが最近、そのシンパによる暗躍や工作活動が確認されている。存在そのものは、もはや否定できないだろう」

「でも肝心の場所が分からないんじゃ、どうしようもないぜ」俊一の言葉に場が重く沈む。

その時、セリィが駆け寄り、水晶玉を両手に抱えた。
「みなさん！　地球のオメガ・ヴェール基地にいるイレイアナさんから緊急通信です！」

水晶玉が淡い光を放ち、その内部に銀髪のエルフ女性の姿が映し出される。
「ブレイバーズの皆さん、その後の状況はどうですか？」
イレイアナ=メロディス――グランベルミア王国の宮廷魔術師であり、駐地球代表の要職を担う彼女は、冷静な声で問いかけた。

セリィが報告する。
「闇の王国が背後にいる可能性までは掴んだのですが……そこから先が手詰まりでして」

「実は地球側の調査で進展がありました。今から日本に通信を繋ぎます」

「日本に？」俊一が目を瞬かせる。

水晶玉の映像が揺らぎ、場面が切り替わる。映し出されたのは警察署内と思しき部屋。白いジャケットにロングヘアを揺らす女性と、制服姿でポニーテールの婦警が並んでいた。

「へぇ～、これが魔導通信ってやつなんですか？　なんか不思議な感じがしますねぇ～♪」
好奇心たっぷりの声を上げたのは、笹南侑衣梨。

詩郎の顔が一瞬で驚きに変わる。
「優姫さん！？　侑衣梨さん！？」

にこやかに映像越しで微笑むロングヘアの女性が応じた。
「うふふっ、久しぶりね、詩郎くん」
鷹松優姫刑事。彼女は侑衣梨の先輩にあたる警察官だ。

俊一が目を丸くする。
「詩郎、お前の知り合いか？」

詩郎は少しばつが悪そうに頷いた。
「あ、あぁ……以前に世話になった女刑事さんと、その後輩の婦警さんだ」

思いも寄らぬ人物の登場に、場の空気が一気に変わる。
果たして彼女たちが掴んだという新たな情報とは――。

物語は次なる局面へと進もうとしていた。

（つづく）

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