安城重工の開発主任・棚池の突然の裏切りによって助けられた稲垣千秋、安城アリアドネ明日香と八雲睦美。人質に取られていた棚池の娘は、獅場俊一と寺瀬詩郎によって無事に救出された。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
紅き翼、再び翔ぶ
その朝、天舟島の海がにわかに騒がしくなった。
ブレイバーズ本部からの要請を受け、数隻の海上保安庁の巡視艇が港に接岸。隊員たちが次々と上陸し、安城重工装備実用化試験センターの制圧を開始していた。
巡視艇には、青いシャツ姿に白のショートパンツのカジュアルな服装の一人の若い女性がいた。長い黒髪のポニーテールを風に靡かせ、凛とした眼差しを島に向けるその姿こそ、ブレイバーズ長官・牧村光平の秘書官――錦織佳代である。
センター構内の通路に出てきた千秋が、駆け寄りながら大きく手を振る。
「佳代さん、こっちです!」
「千秋ちゃん!」
駆け寄る佳代の表情に、ふだんは見せない柔らかな笑みが浮かぶ。
「よかったわ、無事で…。それで、こちらの方々は?」
「はじめまして」
ブロンドのロングヘアを風に揺らしながら、明日香が一歩前へ出た。
「私、安城アリアドネ明日香と申します」
佳代の目が一瞬、大きく見開かれる。
「安城…まさか、安城グループの御令嬢!?」
「御明察です」
明日香はにっこりと笑って、気品ある会釈をする。
「そして私は八雲睦美。お嬢様のボディーガードを務めています。…あなたが、ブレイバーズの錦織佳代さんですね? お噂はかねがね伺っています」
「どうも、ブレイバーズ秘書官の錦織佳代です。……よろしく」
三人が握手を交わした、その瞬間だった。
――ズガァァァンッ!!
轟音が島の西側、裏手の滑走路方向から響き渡った。耳を劈くようなジェットの咆哮と共に、黒煙を吹き上げながら飛び立つ飛行メカが空に向けて跳ね上がる。
「きっと谷茂岡だわ!」と叫ぶ千秋。
佳代が咄嗟に通信端末を取り出す。「至急、滑走路上空を追跡――」
その横で、千秋は目を細め、拳を強く握った。
「逃がすもんですか……!」
そして――。
「ブレイブシフト!!」
その瞬間、眩い光が千秋の身体を包み込んだ。谷茂岡によって体内のレギウス因子を抑制され、変身不能だったあの時間は、もう過去のもの。
48時間――
薬の効力は、いまや完全に切れていた。
スパークする雷光。金属が噛み合うような変形音。
そして空へと羽ばたく銀とマゼンタの戦士の姿が、天高く舞い上がった。
スワローレギウス・パワードモード、発進!
「谷茂岡ァァァッ! 待ちなさいッ!!」
猛禽のように舞う機体が、逃げる黒い飛行メカを追い詰める。
絶海の孤島を舞台に、最後の空中決戦が幕を開けようとしていた。
紅翼の決断
「待ちなさい! 谷茂岡!!」
蒼き閃光が、裂けた雲間を貫いた。
スワローレギウス・パワードモードが、流星のように宙を翔ける。両翼のエネルギーフィンが広がり、銀と蒼の残光を引きながら敵機を追い詰めていた。
「クソッ! しつこい奴めッ!」
谷茂岡が操る飛行メカ――黒く無骨なフォルムの双発エンジン機が、乱暴に旋回したかと思うと、機体が軋む音と共に急変形を始める。
装甲がせり上がり、脚部が展開。コクピットを胸部に格納しながら、機体は戦闘ロボの姿へと変貌した。

「貴様ごとき、踏み潰してくれるわァ!!」
咆哮とともに、巨大な鋼の拳が宙を薙いだ。
だが――
「遅いッ!」
その一撃は空を切った。スワローレギウスは音速を超える勢いで機体を翻し、背後へと回り込む。
「閃光フェザーショット!」
翼から放たれる眩い光の粒子――エネルギー弾が無数に降り注ぎ、谷茂岡の機体の脚部関節を直撃。火花が散り、巨体が一瞬バランスを崩す。
「このッ…!」
反撃とばかりに放たれたミサイルをスワローレギウスは巧みに回避し、旋回しながらさらに距離を詰めた。
「次はこっち……! 風神翔撃ッ!」
青い光が旋風となり、スワローレギウスは回転しながら目にも止まらぬ連続斬撃を繰り出す。両翼をしならせ、全方位から鋼鉄の巨体を切り裂いていく。
谷茂岡の戦闘ロボがよろめいた、その一瞬――
「これで終わりよ! ツバメ疾風斬――ッ!!」
突如として、スワローレギウスの姿が視界から消えた。
次の瞬間には敵機の目前へと瞬間移動したかの如く現れ、紅く輝くエナジーブレードが、縦一閃――。
ズン――という鈍い音とともに、戦闘ロボの胸部装甲が弾け飛ぶ。内部に火花が走り、コクピットから煙が上がった。
「うおおおあああああッ!!」
谷茂岡の絶叫とともに、機体はバランスを失い、火を噴きながら旋回墜落。
旋回しながら海上へと傾いた機体が、遥か下の断崖の向こうへと墜ちてゆく――。
千秋は、翼をたたんでその場にホバリングしながら、断崖の向こうをしばし静かに見下ろしていた。
だが、爆発音はしなかった。
風が吹き、波が岩に砕けるだけの静けさ。
谷茂岡が乗っていたコクピットが、無事か、あるいは――その結末を知る者は誰もいない。
「……終わったわね」
マゼンタ色の翼をたたみ、スワローレギウスはゆっくりと雲間の中に姿を消していった。

黒い雨、白い邸
東京・港区。
重厚な鉄門と幾重にも張り巡らされたセキュリティの先に建つのは、政界のホープと呼ばれる男の邸宅――来島士門の私邸であった。
その門の前に、今にも崩れ落ちそうな一人の男がいた。
全身ずぶ濡れ。高級スーツは泥と血に塗れ、呼吸は荒く、目は血走っている。
「……た、頼む……! 来島先生に……会わせてくれ……!!」
谷茂岡泰利。
安城重工の常務で、同社の装備実用化試験センター所長。
天舟島での一連の不正工作が露見し、全てを失った男が、最後に辿り着いたのがここだった。
インターホン越しに応答した秘書は一瞬驚いたものの、すぐに館内の来島の執務室へと報告を入れる。
その頃――
邸内の広々とした大理石張りのバスルームでは、来島士門がシャワーを終えていた。
大きなバスタオルで髪を拭きながら、無駄のない筋肉を包むようにバスローブを羽織り、寝室のソファへと腰を下ろす。彼の表情は穏やかで、どこか退屈そうだった。
「先生、玄関に……谷茂岡常務がお見えです」
バスローブの襟元を整えながら、来島は一瞬だけ眉を寄せた。
「……谷茂岡? ふん、そんな名前の男は知らん。……会う必要はない」
「ですが、かなり切羽詰まった様子でして……この雨の中、服も身体もずぶ濡れで……」
「――ならば尚更だ」
来島は淡々と応じた。
その声には、情けも同情もかけらほども含まれていない。
「邸内に侵入した不審者は、邸の警備を担うSPが速やかに排除する。それが我が家のルールだ。……ああ、正当防衛の範囲内でな。報告書の筋は通しておけよ」
「は……っ、承知いたしました」
秘書は一礼し、無感情に部屋を後にした。
来島はゆっくりとワイングラスに赤を注ぎ、その深紅の液体をひとくち、口に含む。
「ふん……脆い男だった。やはり『器』ではなかったな、谷茂岡――」
静かな独白が邸の奥深くに響き、夜の闇にかき消されていった。
その外では、命乞いする谷茂岡の声が、雨音と何発かの銃声に紛れて遠ざかっていく。
「…ちきしょう!! 来島…っ、裏切ったなァァッッ!! 今までお前のために散々尽くして来てやったのに…ッッ!! ギャアアッ!!!!!」
まるで――最初から、そんな男など存在しなかったかのように。
エピローグ:夏風と制服と、また会う日まで
カフェ「フルール・ヴェール」の窓際席。
ガラス越しに差し込むやわらかな日差しが、ミントグリーンのテーブルクロスに淡い影を落としている。

テラスに面したその席で、稲垣千秋はカフェラテを一口すすると、向かいに座る親友の霧崎麗香へと語りかけた。
「……でね、その後、センターの所長室にあった帳簿と証拠データが押収されて、谷茂岡の手下たちは一網打尽。安城ホールディングスのお偉いさんたちも、ようやく重い腰を上げて徹底調査を始めたのよ」
「それで、棚池さん父娘はどうなったの?」
カップを手にした麗香が、少し眉を寄せながら尋ねる。
「……起訴はされなかったわ。事情が事情だったからね」
千秋は少し目を細めて、遠くを見つめるように続けた。
「娘さんを守るためだったってことも検察で考慮されて、不起訴処分に。棚池さん、今も安城重工に残って、奥さんと美沙さんと一緒に暮らしてる。多分、これからはちゃんと胸張って生きていけると思うわ」
「……そう、それはよかったわね」
麗香はふっと微笑んで頷いた。
その瞬間、店の入り口に小さな鈴の音が鳴り響いた。
二人がそちらに視線を向けると、そこに立っていたのは――
「……えっ?」
千秋の目が大きく見開かれる。
白い半袖のブラウスに胸元の赤リボン、青白チェック柄のミニスカート。陽光をはね返すブロンドの長髪。
夏の風にスカートの裾をふわりと揺らしながら、少女はにこやかに微笑んだ。
「フフッ……お久しぶりですね、千秋さん。そちらの方はお友達ですか?」
「あなたは……明日香さん!? どうしてここに?」
麗香が席を立って軽く頭を下げる。
「霧崎麗香と言います。安土大学の医学部に通っています。千秋とは高校時代からの付き合いなんです。あなたのお噂は、ちょうど今聞いたところでした。どうぞよろしく」
「安城アリアドネ明日香と申します。こちらこそよろしく、麗香さん」
明日香はお淑やかに礼を返すと、くるりと一回転してスカートの裾をふわっと踊らせた。
「どう? 似合いますか? 実は今日から、安土市内の高校に転校して来たんです」
「転校って……この街に!?」
千秋は半ば呆れながらも、微笑ましいというように苦笑する。
その時だった。
「明日香さ~ん! どこにいるんですか~っ!?」
明らかに切羽詰まった様子の声が、カフェの外から聞こえてきた。
その声に明日香は「あらヤダ」とでも言いたげに肩をすくめると、いたずらっぽくウインクして言った。
「それでは皆さん、ごきげんよう♪」
千秋と麗香が何か言う間もなく、彼女はくるっと踵を返し、すばやく店の裏口へと消えていった。
どうやらボディーガードの目を掻い潜って、ここまで一人で来たらしい。
数秒後、カフェの扉が勢いよく開く。
「千秋さんっ! 明日香さんを見かけませんでしたか!?」
駆け込んできたのは、長袖のサテンブラウスに黒の革ミニスカートという派手な装いの美女――八雲睦美であった。
千秋は苦笑混じりに応じた。
「さっき裏口から逃げて行きましたけど……」
「ええっ!? もう……っ! 明日香さーん! 待ちなさーいっ!!」
そう叫びながら、睦美も裏口から慌てて駆け出していく。
騒然とする店内。
麗香はくすっと笑って言った。
「……ふふっ、楽しい人たちね」
「まったく……また騒がしくなりそうだわ……」
千秋は額を押さえながらも、どこか楽しげに小さくため息をついた。
窓の外には夏の青空が広がり、
新しい日常の幕が、静かに上がろうとしていた。
(完)
コメント
棚池氏の娘美沙ちゃんも無事救出され、更に海上保安庁の隊員も佳代ちゃんと共に島に上陸、万事解決…ってそう簡単に終わる筈もなく、悪あがきする奴が1人…
>轟音が島の西側、裏手の滑走路方向から響き渡った。耳を劈くようなジェットの咆哮と共に、黒煙を吹き上げながら飛び立つ飛行メカが空に向けて跳ね上がる。
なんかサイコ〇ダムのようなものに乗った谷茂岡が飛び立つ…ってなんで会社役員のお前がそんなもん操縦出来るんだよ、お前の過去の経歴なんだよ?
だが、やっぱり所詮は正規のパイロットではない男が操縦する巨大ロボなどただの張りぼて、力を回復させた千秋ちゃんことスワローレギウスの敵ではなく…今までの鬱憤を晴らすがごとくのスワローレギウスの猛攻を受け、あっさり撃沈、谷茂岡の乗る巨大ロボも海の中へ…まあ散々な目に遭わされてきましたからね千秋ちゃん、これで少しは溜飲も下がったでしょう。
でも、水ポチャは基本生存フラグ、藁をもすがる気持ちで来島邸にやってきたのは、あの状況からどうやってここまで来たのか谷茂岡、だがここで下手なヴィランよりも非情に谷茂岡を切り捨て正当防衛と称して抹殺する来島、今までの小物っぷりが嘘のような貫禄を見せてくれますね~…って気づけばプロフィールが出てる…誰このイケメン…自分の想像ではもっと汚い顔のオッサンを想像してたのですが…
そして再び友人の麗香ちゃんと語り合う平穏な日々が戻った千秋ちゃん…の筈が、とある人物の登場によってぶち壊される、なんと島で出会ったお転婆御令嬢、明日香嬢再登場!
なんと安土市の高校へと転校してきたらしい、これはまた一波乱起きそうな予感がしますね…💦
等身大ヒーロー(ここではヒロインですが…)vs巨大ロボという戦隊ロボが定着してからは見られなくなった展開でクライマックスを彩って下さいました。赤い彗星の一言ではありませんが、
「付け焼刃で何ができる」
状態の谷茂岡でした。
>だがここで下手なヴィランよりも非情に谷茂岡を切り捨て正当防衛と称して抹殺する来島、今までの小物っぷりが嘘のような貫禄を見せてくれますね~…って気づけばプロフィールが出てる…誰このイケメン…自分の想像ではもっと汚い顔のオッサンを想像してたのですが…
私も脂ぎったオヤジをイメージしておりましたが、なかなかにスマートな姿で驚きました。
安城アリアドネ明日香ちゃんと八雲睦美さんペアのデビューを鮮烈な形で飾っていただき非常に頭が下がります。さらにここで明日香ちゃんが安土市内の高校に転校するという衝撃の展開が‼睦美さんとの微笑ましい関係を思わせる締め方までしていただいて誠にありがとうございました。明日香ちゃんは津雲露華ちゃん張りの小悪魔ぶりで三バカレベルなら軽く振り回してくれそうな気がします。最後になりますが、明日香ちゃんの通う高校は私学という設定にしていただければ、と思います。安城グループの不動産部門所有のタワマンから通うイメージですかね。
とりあえず、谷茂岡常務非業の殉職?以外はハッピーエンドに終わってホッとしてます(⌒∇⌒)
谷常務機(名前はまだなし?)も、漆黒の機体というなかなかのカッコ良さを備えているので、チューンナップしての再登場もありでしょうか?
お前中抜きした金でこんなもん作ってたんか?というのは冗談ですが、いきなり現れた巨大ロボット、しかし皆様のおっしゃる通り所詮は付け焼き刃でしたね。危惧していた棚池氏の身にも何事も無く、来島に逃げ切られた以外はまずまずのハッピーエンドで何よりでした。
さていよいよレギュラー入りの明日香ちゃんですが、このお嬢様行動力と好奇心が有り余っていますね。放っといても自分から事件に首を突っ込んで悪党に攫われそうで、巻き込まれること必至の睦美さんも大変そうです😅ともあれ色々なシチュエーションで2人のDIDが見れそうで大いに楽しみです。麗香ちゃんも今後本格的にストーリーに絡んできそうでこちらも期待しています。