ワームホールに呑み込まれ、異世界タシェニュヴルアのアルスネス島へと漂着した中村弘樹は、そこでシルカイ族の若きリーダー・レイヴンと出会う。シルカイ族に保護されていた女神官のエリュナは海賊ゲロム一家が放った密偵の本性を現し、レイヴンの妹セリーナを人質にとった!
この危機的状況の中、地球から橘拓斗、滝沢俊彦、レイラ=ジェーン=ウィルソンの3人がそれぞれの専用機アストラルロイドを駆って、時空と次元の壁を越えてタシェニュヴルアへと駆けつけて来た。連携してエリュナを捕らえ、セリーナを助け出すことに成功した拓斗たちだったが、脱獄したエリュナにレイラが捕まり……。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
海賊ゲロムのアジト
シルカイ族の屯所から脱獄したエリュナによって、レイラは無人島へと連れて来られた。
濃い霧が海岸を覆い、海面から突き出す黒い牙のような岩礁が不気味に林立する。低く垂れ込めた雲が天空を圧迫し、島全体が巨大な怪物の腹へ飲み込まれたかのような陰鬱さを放っていた。
その荒涼とした砂利浜に、ピンク色の光尾を引きながらフェアリーライトがゆっくりと着地した。
操縦席から半ば引きずり降ろされるレイラ。背後には、鋭いナイフの切っ先が、まだ背中へぴたりと貼りついている。
エリュナ「さあ、歩くんだよ。アンタの仲間たちも、さすがにここまでは来れないさっ」
レイラは一度だけ小さく息を整え、恐怖を装った表情のまま歩を進めた。
(……いいえ。来るわ。拓斗たちは必ず)
自分が“わざと捕まった”のだとエリュナに悟られるわけにはいかない。
その瞬間――木々の奥から複数の気配が蠢いた。
???「おいおい……ラヴィニア。帰って来たと思ったら、珍客を連れてきたじゃねぇか」
茂みを割って現れた大柄な男たち。筋骨隆々の身体に、海賊特有の雑な刺青。腰に提げた短銃やカトラスがギラつき、粗暴な雰囲気を隠そうともしない。
顎髭をむさくるしく生やした男が中央に立ち、嗄れた笑いを漏らした。
レイラ「……ラヴィニア?」
エリュナ「幻蛇のラヴィニア。それがアタイの本当の名前さ。この界隈じゃちっとは知られた名前なんだけどねぇ」
海賊たちが薄笑いを浮かべながら取り囲む。
海賊A「“仕事”はどうした? 例のガキ(レイヴン)を狩り損ねたって聞いたぜ?」
ラヴィニア「うるさいね! あんたらの“助言”どおりにやったら逆に捕まるところだったんだよ!」
言い返しながら、ラヴィニアはレイラの肩を掴んでグッと引き寄せた。
ラヴィニア「だけどほら、代わりにこんな珍しいモンを拾ってきた……“異世界の技術者”なんだってさ。きっと高く売れるよ」
海賊たちは一斉にレイラを舐めるように見た。
海賊B「おお……牢に閉じ込めてる小娘と同じ異世界の人間か。こりゃ価値が高い。船団長(ボス)も喜ぶぜ」
レイラ「異世界の人間……? じゃあやっぱり、美香ちゃんはここにいるのね!?」
ラヴィニア「フフフッ、会いたいかい? なら今すぐ会わせてやるよ」
海賊たちに囲まれたまま、レイラは島内部の洞窟へと連行された。暗く湿った通路を進むと、粗末な鉄格子が現れる。
そこには――
レイラ「美香ちゃん!?」
縛り上げられ、猿轡を噛まされた滝沢美香がいた。
美香「んんっ!? んんーっ!!」
海賊C「さてと、お前も同じように大人しくしてもらうぜ。大事な“商品”に舌でも噛み切られたら困るからな」
抵抗すれば美香を危険に晒す。レイラは覚悟を決め、海賊たちに両手を後ろで縛らせ、足を絡められ、口に固い布を押し込まれる――。
レイラ「……っ、んむっ……!」
美香の隣に座らされ、背中を冷たい岩壁へ押しつけられる。二人とも声は出せない。

背景は、Stable Diffusion Onlineで生成しました。
だが――視線は交わる。
“必ず助けが来る”
“怖くない、耐えるのよ”
言葉を交わせずとも、レイラと美香は互いの瞳だけで強く励まし合った。
そして二人は確信していた。
――拓斗たちは、必ずこの島に来る。
フェアリーライトの操縦法
無人島の海岸に放置されたフェアリーライトの周囲では、ゲロム一家の海賊たちが苛立った声を上げていた。
海賊A「ちきしょー、どうなってやがる! 全然動かねぇ!!」
海賊B「俺たちの知るどのゴーレムとも内部構造が違う! どこを押しても引いても、うんともすんとも反応しやがらねえ!」
見慣れない異世界技術を理解できない海賊たちは、操縦席に座り、レバーを乱暴に引き、ボタンを片っ端から押してみる。だが、フェアリーライトは微動だにしない。まるで無数の牙に囲まれた巨大な獅子が、ただ眠るかのように沈黙していた。
海賊C「クソッ、せっかくの異世界の巨神だってのに……このままじゃ鉄くず以下だろ!」
ラヴィニア「――だから言ったろ? あの女に聞くしかないんじゃない?」
皮肉な笑みを浮かべたラヴィニアの一言で、海賊たちは顔を見合わせた。
海賊A「……連れてくるか。縛ったままでな」
こうしてレイラは牢から引きずり出され、縄で両腕を後ろに固定されたまま、海賊たちの本拠地の中心――ゲロム船団長の前へ立たされた。

幻蛇のラヴィニアと海賊たちは、Leonardo.Ai App – Generate AI Images, Videos & DesignsのモデルLeonardo Anime XL(Anime General)で生成しました。
天井から吊るされた油ランプの下、巨大な木製の机の陰に座る男。顔には獰猛な笑み、片目には古傷で潰れた跡が残る。これがゲロム船団長だった。
ゲロム「――あのゴーレムの動かし方を教えろ」
低く重い声が響く。
口から猿轡だけを外されたレイラは顔を上げ、静かに見返した。
レイラ「無理ね。あなた達みたいな野蛮人に、フェアリーライトは動かせないわ」
海賊A「このアマ、自分の立場が分かってんのか!?💢」
殴りかかろうとする海賊をゲロムが手で制した。余裕の笑みを浮かべる。
ゲロム「教える気はねぇってわけか……だがな、イヤならいいんだぜ」
レイラの髪をつかみ、顔を無理やり上げさせる。
ゲロム「操縦法を素直に教えるか……それとも娼婦館に売り飛ばされるか……。どっちか好きな方を選びな」
ラヴィニア「いっそ娼婦になるのもいいんじゃない? 磨けば上玉になりそうだし」
レイラ「くっ……!」
唇を噛みしめるレイラ。
当然だ。フェアリーライトは専属パイロットである自分の生体認証がないと起動すらしない。だがそれを海賊たちに知られてはならない。
(……耐えるしかない。時間を稼ぐのよ。拓斗……俊彦……)
そのころ、島の沖合い――。
波に半ば沈むようにアクアライザーとブルーファントムが、霧の向こうから無人島を見据えて待機していた。

拓斗「くそっ、アイツら……!!」
海賊の映像を偵察ポットから受信した拓斗は、拳を握りしめ、悔しさで震えていた。レイラの怯えた顔、美香の苦しげな表情。怒りが胸を熱くする。
俊彦「落ち着け拓斗。今僕たち二人だけで突っ込んだら、レイラも美香も危険だ」
拓斗「だけどよ……ッ!」
俊彦「もうじきレイヴンさんたちシルカイ族の船も到着するはずだ。それまで待とう。必ず、全員で助けるんだ」
拓斗は何も言えなくなり、顔を伏せたまま拳を握りしめる。
拓斗「…………くそ……絶対に助けるからな……レイラ……美香ちゃん……!」
霧深い海の静寂の中で、彼らはただ機会を待っていた。
海賊たちが最も油断し、最も脆くなるその瞬間を――。
(つづく)

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