サバゲ―サークル「DRYADES」の新規加入メンバーである上江洲紗樹は、夜に自宅近くで変質者に襲われたところを星彩のルミナに救われた。それ以来、紗樹はルミナの熱烈なファンとなる。
しかしその後、女子大生を狙った新たな拉致監禁事件が発生。アスカロン財団の加藤段十郎も喫茶店Lilyに姿を現し、またDRYADES代表を務める羽鳥瑠璃華の発案で学生たちによる自発的な夜間パトロールも始まり、事態は俄かに動き出す…。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
里恵、拉致される。
住宅街A地区の夜は、拍子抜けするほど静かだった。
街灯の下、整然と並ぶ家々の影がアスファルトに伸びている。
「何事もないみたいね」
上江洲里恵は周囲を見渡し、少しだけ肩の力を抜いた。
「そろそろ一息入れよっか?」
桜庭陽平が交差点の角を指差す。「あそこに自販機があったから、何か買ってくるよ。里恵さんはここで待ってて」
「うん、分かった。じゃあ私は炭酸で」
里恵は笑って頷いた。
軽い足取りで去っていく陽平の背中を見送り、里恵は街灯の下に立ったまま、腕を組んで待つ。
……だが、思ったより時間が経っても、陽平は戻ってこない。
「どうしたんだろう……。桜庭くん、遅いな……」
その瞬間だった。
背後で、空気がわずかに揺れた気がした。
「もうっ、桜庭くん、遅かったじゃな――」
振り返った里恵の視界に映ったのは、見知らぬ男だった。
三十代半ばほど、落ち着きのない目つき。夜の闇に溶け込むような、不気味な存在感。

「……!?」
次の瞬間、男の腕が背後から伸び、里恵の体を強く拘束した。
口を塞がれ、息が詰まる。
「んっ!? んんーっ!!」
「騒ぐな!」
低い声と同時に、冷たい金属の感触が視界の端に入る。
「大人しくしないと、どうなるか分かってるな」
里恵の頭は、驚くほど冷静だった。
ここで無理に暴れれば、相手を刺激するだけ。体力も削られる。
一瞬でそう判断し、抵抗をやめる。
「フフフッ…いい子だな」( ̄ー ̄)ニヤリ
男は満足したように鼻を鳴らし、里恵を引きずるようにして車へと向かった。
――その頃。
「いやぁ……お待たせ♪」
陽平は冷えた缶ジュースを二本手に、元の場所へ戻ってきた。
だが、そこに里恵の姿はない。

「……あれ?」
周囲を見回し、声を張り上げる。
「里恵さん? お~い! 里恵さ~ん!!」
返事はない。
街灯の下に残っているのは、さっきまで確かにそこにあったはずの、静寂だけだった。

一方その頃――
「んっ、んんっ…」
里恵は手足を縛られ、口にガムテープを貼られたまま、車の後部座席に押し込まれていた。
窓の外では、見知らぬ道路標識が次々と流れていく。
そして、その車が通り過ぎるのを、路肩に停めた一台の車の中から見つめる男がいた。
ハンドルを握る加藤段十郎だ。
「……さぁて」
彼は低く呟き、エンジンをかける。
「奴らのアジトにまで、案内してもらうとするか……」
段十郎の車は静かに動き出し、誘拐犯の車の後を追って、夜の道路へと溶け込んでいった。
怪しい尾行者?
C地区の住宅街は、ひっそりと眠っているかのように静まり返っていた。
街灯の白い光が、二人の足元を淡く照らしている。
その沈黙の中で、白鳥玲音はふと違和感を覚えた。
隣を歩く羽鳥瑠璃華の歩調が、わずかに変わっている。
「羽鳥さん、どうかしたのか?」
小声で尋ねると、瑠璃華は前を見据えたまま、さらに声を落として答えた。
「白鳥先輩……私たち、つけられてます」
「ええっ!?」
思わず声を上げかけた玲音を、瑠璃華が即座に制した。
「振り向かないで! 何事もないふりをして、そのまま真っ直ぐ前に進んでください」
「わ、分かった……」
玲音は心臓の鼓動を必死に抑えながら、平静を装って歩き続けた。
背後の気配は消えない。一定の距離を保ったまま、確実について来ている。
やがて二人は、古いブロック塀が続く路地の曲がり角に差しかかった。
「……今です」
瑠璃華の囁きと同時に、二人は右へと曲がった。
直後、慌てたように足音が近づく。
次の瞬間だった。

曲がり角のすぐ内側で待ち構えていた瑠璃華が、影の中から一気に踏み込んだ。
黒い半袖Tシャツにジーンズ姿の屈強な男は、反応する間もなく体勢を崩され、地面に押さえつけられる。
「不埒者! 観念しなさい!!💢」
「ま、待て待て! 私は怪しい者じゃない!💦」
男は慌てて片手を上げ、ポケットから何かを取り出した。
差し出されたのは、見慣れた革張りの手帳――警察手帳だった。
「……警察?」
瑠璃華は凍りついたように動きを止める。

「埼玉県警、刑事部捜査一課の則元幸洋だ」
名乗られた瞬間、瑠璃華はぱっと男から手を離し、一歩下がった。
次の瞬間、顔がみるみる赤くなる。
「け、警察の方でしたか!?
ど、どうも本当に申し訳ありませんでしたーっ!!💦」
深々と頭を下げる瑠璃華に、則元刑事は苦笑しながら立ち上がった。
「いや、反応としては間違ってないよ。
鷹松警……じゃなかった、喫茶店Lilyの優姫さんから頼まれていてね。君たちが無茶をしないよう、見守ってほしいって」
「そうだったんですか……」
玲音も胸をなで下ろす。
「さあ、ここから先は警察の仕事だ。君たちは速やかに帰りなさい」
だが、その言葉に瑠璃華は一歩も引かなかった。
「そうはいきません!
私たちだって、本気で街の治安を守りたいんです! 遊びじゃありません!」
真剣な眼差しに、則元刑事は頭をかきながらため息をつく。
「やれやれ……」
そのときだった。
玲音のスマホが、沈黙を切り裂くように震えた。
画面に表示された桜庭陽平の名前を見て、玲音の表情が引き締まる。
「……もしもし。桜庭か。どうした?」
一瞬の沈黙。
そして、受話口から聞こえてきた言葉に、玲音は息を呑んだ。
「……何だって!?
里恵さんが、いなくなった――!?」
夜のC地区に、不穏な緊張が一気に広がっていった。
(つづく)

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