どうする優姫?
反社組織『雷霆連合』の残党によって誘拐された綾塚音祢と鷹松優姫の2人だったが、優姫の機転で見張りの男たちを殴り倒して監禁部屋から抜け出すことに成功!
しかしアジトの中の警備は厳重で、音祢と優姫はたちまち袋小路に追い詰められてしまう。
「くそー、あの二人…いったい何処に行きやがった!」
「もっとよく探せ!!」
雷霆連合のヤクザたちが血眼になって逃げた音祢と優姫の行方を探している。その様子を当の本人たちは物陰に隠れながら窺っていた。
「どうしよう優姫さん、せっかく逃げ出せたのに……このままだとまた二人とも捕まってしまいます」
「私が囮になるわ。その隙に音祢ちゃんだけでも逃げて!」
「そんな……優姫さんを見捨ててなんて行けません!」
「迷っている時間はないの! わたしが飛び出したら、すぐに横の階段から上の階に駆け上がるのよ。いいわね!?」
「――あ、優姫さん!?」
廊下へと飛び出した優姫は、ヤクザたちの前に姿を晒した。
「わたしはこっちよ! 捕まえてみなさい!!」
「あっ、このアマッ!!」
「待ちやがれ!!」
優姫が囮になってヤクザたちを引き付けておいてくれたおかげで、上へ上る階段の周辺はがら空きになった。音祢は泣きじゃくりながら必死に階段を上へと駆けあがる。そして彼女を捜していた逢沢彩人&寺瀬詩郎と運よく合流することができたのである。
「綾塚さん!?」
「逢沢くん、無事でよかった…」
「寺瀬に助けてもらったんだ」
「でも詩郎くん、どうしてここに…?」
「それよりもLilyの女店長はどうした? お前と一緒にいたんじゃなかったのか?」
「……お願い! 優姫さんを助けて!!」
その頃、喫茶店Lilyでは?
無人となった喫茶店『Lily』。埼玉県鷺島市の学園通りにある、学生たちに大人気の喫茶店(カフェ)だが、実は青少年を誘拐犯罪から守るために結成された警察の非公式秘密組織の拠点という裏の顔を知る者は少ない。そこに研修先から戻った笹南侑衣梨がようやく帰って来た。
「ただいま~♪ 先輩、今帰りましたよ~♪ お土産もたくさん買ってきましたよ~! あれっ、誰もいないのかな…?」
店の出入り口には鍵はかかっておらず、「先輩にしては不用心だなぁ~」などと暢気に考えていた侑衣梨だったが、おかめ党の戦闘員がいきなり現れてその場の空気は一変した。
「おかめ党!? まさか…アンタたちが先輩を!?」
「待て、勘違いするな笹南侑衣梨。今日は我々はお前と戦いに来たのではない」
身構える侑衣梨に、戦闘員たちは交戦の意思はないことを示す。
「鷹松優姫を拉致したのは雷霆連合の残党だ。彼女が監禁されているアジトの場所はこれに書いている。受け取れ!」
戦闘員は丸めた紙切れを侑衣梨めがけて投げつける。キャッチして受け取った侑衣梨が紙を拡げて中身を見て見ると、優姫の居場所を記した地図が書かれてあった。
「どうしてわざわざわたしに教えるの? さてはわたしを罠に嵌める気ね!?」
「フッ…せっかく親切に教えてやってるんじゃないか」
「まぁ信じる信じないはそちらの勝手。別に信じてくれなくても、我々は全く困らん」
「ではさらばだ!」
「あっ! 待ちなさい!!」
戦闘員たちは瞬く間に姿を消してしまった。そして侑衣梨の手には、先程の地図一枚のみが残された。
「先輩、待っててください! すぐに助けに行きます!」
再度囚われた優姫
「んんっ!!んんぐぅっ!!」
やはり優姫は再び捕まってしまっていた。
「このアマッ、手こずらせやがって」
「こうなったらコイツを人質にして、綾塚の娘をおびき出してもう一度捕まえるんだ!」
「綾塚の娘は、ムショに服役中の我らが親分、雷霆連合三代目総長との身柄交換のための大事な人質だ! まだこのアジトから外へは出ていないはず。必ず捕まえてやる!」
果たして優姫、そして音祢たちの運命は!?
つづく。
コメント
逃げ出したものの雷霆連合の構成員どもに追い詰められてしまう優姫さんと音祢ちゃんの2人、ここでやはり勇敢な優姫さんが自ら囮になって構成員を引きつけ、何とか音祢ちゃんを逃がすことに成功する、
2人捕まってしまうよりは良いですが、優しい音祢ちゃんにとっては辛い選択だったでしょうね…
それでも詩郎くんと彩人くんと合流できたので、この選択肢は良いルートに進んだようで…
>「それよりもLilyの女店長はどうした? お前と一緒にいたんじゃなかったのか?」
なんでその優姫さんのことまで知ってんだよ、お前もう正体隠す気ないだろ…
そしてその頃…
喫茶店『Lily』に研修を終えた侑衣梨ちゃん帰還…てっきりどこかの流浪人のごとく買い出しにでも出てたのかと思ってました…
喫茶店が無人…こんなん侑衣梨ちゃんじゃなくても何か起こったのかと、こんな怪しい状況で…おかめ党の戦闘員登場!更に状況が不穏なものに…
だがこの度は戦う意思はなく、それどころか優姫さんの監禁場所を教えると…そりゃ怪しまれる、日頃の行いを考えろ!
でも、ここは敵の敵は味方、手掛かりはこれしかなく、とりあえず行ってみるしかないのか…
>「先輩、待っててください! すぐに助けに行きます!」
👺<判断が早い!
そして…結局捕まってしまった優姫さん
地下室のような部屋のソファーに縛られ転がされ、それでも強気な目をしてるのが良いですね~
>「こうなったらコイツを人質にして、綾塚の娘をおびき出してもう一度捕まえるんだ!」
>「綾塚の娘は、ムショに服役中の我らが親分、雷霆連合三代目総長との身柄交換のための大事な人質だ! まだこのアジトから外へは出ていないはず。必ず捕まえてやる!」
ああ、一応ただのお礼参りじゃなかったんですね、そりゃ目的がないとこんな大層なことやらかさないですよね~、でも半壊してもまた結束して親分を取り返そうとするなんて、ガッツだけはある奴らですね。
> 👺<判断が早い!
かえって足手まといにならなければよいのですが…(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
> 地下室のような部屋のソファーに縛られ転がされ、それでも強気な目をしてるのが良いですね~
管理人もKazuHanabi様のこのポーズのイラストは、強気な目つきのヒロインがかえって健気に見えて可愛くて好きです。
>なんでその優姫さんのことまで知ってんだよ、お前もう正体隠す気ないだろ…
ということは侑衣梨ちゃんのもとにメッセンジャーとして差し向けられた戦闘員は詩郎君の差し金なんでしょうかねえ。
雷霆連合も一時はおかめ党の配下でしたので優姫さん、侑衣梨ちゃんの情報も来ていると思いますので侑衣梨ちゃんに音祢ちゃんを渡すように呼び出しをかけてくる可能性はありますね。責任感から応じようとする音祢ちゃんを止めようとする侑衣梨ちゃんとの間に詩郎君が…、ということになりそうです。この場合、侑衣梨ちゃんが音祢ちゃんに変装してというのが定番ですが、スタイルからすぐに正体がバレて(以下略)ということになりそうです。
> ということは侑衣梨ちゃんのもとにメッセンジャーとして差し向けられた戦闘員は詩郎君の差し金なんでしょうかねえ。
はい、勿論詩郎の命令によるものです。でも侑衣梨ちゃんも案外ポンコツなところがありますので、詩郎が良かれと思ってやったことが後々裏目に出る可能性も…💦
> 雷霆連合も一時はおかめ党の配下でしたので優姫さん、侑衣梨ちゃんの情報も来ていると思いますので侑衣梨ちゃんに音祢ちゃんを渡すように呼び出しをかけてくる可能性はありますね。
おかめ党と優姫&侑衣梨コンビとの腐れ縁は、雷霆連合壊滅以後の出来事ですので、おそらく雷霆連合の構成員たちは優姫&侑衣梨の正体が警官だとは知らないと思われます。
> この場合、侑衣梨ちゃんが音祢ちゃんに変装してというのが定番ですが、スタイルからすぐに正体がバレて(以下略)ということになりそうです。
あれっ、侑衣梨ちゃんに変装スキルの設定ってありましたっけ?
おかめ党に潜入した時に戦闘員から身ぐるみ剥いで全身タイツ姿になることはありますが。