本編
事件の目撃者として悪の組織に追われ、必死に森の中を逃げる千隼祐一郎と星愛怜美花の2名。しかし追ってはもうすぐそこまで迫っている。走り疲れて怜美花はもう息絶え絶えだ。
「祐一郎、アタシもう無理……」
「バカッ、諦めるな! このままだと2人とも捕まっちまうんだぞ!」
祐一郎は怜美花を叱咤激励するが、疲労困憊の彼女はその場に座り込んでしまい、もう少しも動くことが出来ない様子。
「お~い!いたかッ!?」
「こっちを探せ!!」
「くっ…!!」
自分たちを探す追手の男たちの声が聞こえて来る。もうすぐ近くまで来ている証だ。祐一郎にはもう迷っている時間はなかった。窮余の一策として、自分が囮となり、せめて例美花一人だけでも逃がすことにしたのだ!
「いいか例美花、俺が囮になって奴らを引き付ける。その間に人里を目指して走るんだ。森を抜けるまでもうそんなに距離は無いはずだ!」
「そんな……そんなことをしたら祐一郎がッ!?」
「真っ直ぐ人里を目指して駆けるんだぞ!!」
祐一郎が追手の前に躍り出る!!
「お~い!こっちだこっち!!」
「おっ!? あんなところに居やがったか!!」
「捕まえろッ!!」
祐一郎は追手たちを出来るだけ怜美花のいる場所から遠い方向へと誘い出す。
「祐一郎……ごめんッ!!」
怜美花は泣きながら断腸の思いで再び必死に走り始めた。
一方、ついに追手に追いつかれ取り囲まれてしまった祐一郎は?
「参った。降参する。抵抗はしないから、どうか殺さないでくれ」
祐一郎は自分に銃口を向ける男たちに対して、投降の意思を示して両手を上げる。
「てこずらせやがって。よし、そのまま動くなよ」
「今のうちに縛り上げろ!」
追手の男は徐に白い布とロープを懐から取り出し、無抵抗の祐一郎の口に猿轡を噛ませ、逃げられないように両手をロープで縛り上げた。
「んっ、ンンッ…んぐぐッッ!!」
「ジタバタするな、大人しくしろ」
「そういえば一緒にいた女がいないな? 女はどうした?」
「………」
無言のまま、プイっと顔を横に振る祐一郎。どうやら怜美花の行先について話すつもりは全くないようだ。
「フン、強情な奴だ。可愛いガールフレンドを守る騎士様気取りか?」
「まあいい、アジトに着いたらたっぷりとコイツの体に直接聞いてやろう。覚悟しておくんだな」
男たちが用意していた車に乗せられ、連行されて行く祐一郎。
「……(怜美花、どうか無事に逃げ延びてくれ!!)」
果たして追手に囚われてしまった祐一郎の運命は?
そして怜美花は無事に逃げおおせることができたのであろうか?
おまけ
ごめんなさい。本日は男の子だけです🙇
でも「女の子もいないとイヤだ!」という物足りない人のために、こちらの画像も挙げておきます。
怜美花ちゃんも結局逃げ切れず、祐一郎くんと一緒に捕まってしまったifルートの世界線でしょうか?
コメント
流れ的にそろそろ星本有理紗ちゃんかな~って思ってたんですけど、久々のストーリー!?
…いや、途中からそうゆう流れになるんじゃないかと…はい…野郎単独ですか…
女の子を逃がして自分が犠牲になる…確かに格好良い…だが傍から見る方(特に悪人など)からすると、「なに格好つけとんねん、このリア充超許さん」ってなりますよね…
>「まあいい、アジトに着いたらたっぷりとコイツの体に直接聞いてやろう。覚悟しておくんだな」
これは八つ当たり拷問が待っているのか、ここで「ぐへへ」付け加えてしまうととんでもない展開に…いやこれ以上はやめておきましょう…
さて、祐一郎くんの自らの身を犠牲にした行動により助けられた怜美花ちゃん、ここから祐一郎くんを助ける映画のような展開が始まるのか…って色々妄想してしまいますね、
…っとおもったら、おまけで祐一郎くんと一緒に捕まってしまっている怜美花ちゃん、助けを求めた先がまさかの犯罪組織の仲間だったってパターンでしょうか、ゲームでいう選択肢を間違ってしまったのかもですね(セーブはこまめにしましょう
> …いや、途中からそうゆう流れになるんじゃないかと…はい…野郎単独ですか…
ちなみに両手を上げている千隼祐一郎イラストは、本当は十字架と合成して磔になっているポーズを流用してみたものです。
祐一郎を乗せた車は神殿風の建物の中へと入っていった。二人達が目撃したのはこの神殿を総本山としたカルト教団の不法行為の一つであった。
車から降ろされた祐一郎は男に縄尻を持たれて廊下を歩いていた。
(どんなに痛めつけても無駄だぞ…。絶対に喋らんからな)
祐一郎の胸の内を見透かすように男が口を開いた。
「安心しろ。最初はそのつもりだったがもうその必要はなくなったからな」
「ううう~っ(どういう意味だ)」
「部屋に着けば意味は分かる。さっさと歩け」
男は縄尻を祐一郎の背中に当て歩くように促した。そして、目当ての部屋と思われるドアの手前で祐一郎を引き立てるのを止めた。
「ここだ」
男は部屋のドアを開けた。その中を見た時、祐一郎は驚愕の表情になった。逃がしたはずの怜美花が自分と同じように上半身を縛られ、猿轡を噛まされた上に女に縄尻を持たれていたのだった。
「んん~っ(祐一郎、ごめん)」
怜美花の目には涙が浮かんでいた。
(ど、どいうことだ)
先の疑問に対する答えを最悪の形で見せられた祐一郎に新たな疑問がわいた。そしてそれを待っていたかのように男が口を開いた。
「この女は助けを求めようと集落に入り込んだわけだが、そこは我が教団の生活ブロックの一つでな、こうして引き渡してもらえたというわけだ」
経過を聞かされた祐一郎は自分でもわかるくらいに気力が萎えていくのを感じていた。
「数日後には我が教団の神聖な儀式がある。そこでお前たちを生贄として捧げる。さあ、行くぞ」
二人は男女それぞれに縄尻を持たれて地下牢へと引き立てられていくのであった。
この後の展開を以下のようにまとめてみました。新ブログ初のSSお気に召していただければ幸いです。
bakubond様、初SSありがとうございます!
どうやらヤバイ教団に捕まってしまった祐一郎と怜美花。
2人を救出するのは、やはり鷹松優姫刑事と笹南侑衣梨婦警のコンビですかね。
流石bakubond様、相変わらずの繋ぎの上手さ感服いたします。
カルト集団ですか、鷹松優姫刑事と笹南侑衣梨婦警のコンビも良いですが、呪術を悪用して生贄の儀式をも行うカルト集団のアジトに孝森祐宜氏と椿姫絢那ちゃんのコンビが乗り込み、霊能対決というのも、想像すると面白いですね。
祐一郎君に銃を突きつける米花町やら不動高校学区にいそうな真犯人なお二人・・・
本来の姿は、車の後部座席にいるようなグラサン+黒服な方ですかね?はたまた全身正体現すと全身タイツに奇声発する人たちか怪人か・・・
> 本来の姿は、車の後部座席にいるようなグラサン+黒服な方ですかね?はたまた全身正体現すと全身タイツに奇声発する人たちか怪人か・・・
ご想像にお任せいたします(^^♪