大の特撮ヒロインオタクでDIDマニアの中年男性サラリーマン・三田村次郎(仮名)は、ある日交通事故死して前世の記憶を持ったまま、過去に金曜夕方5時枠で放送されていた特撮番組『光銃戦隊ライレンジャー』の世界に、地球征服を企む敵組織「深海帝国デスパイザー」の首領「海皇ハメネス」として転生するのだった!
デモンドの企み
深海帝国デスパイザーの不穏分子である獣魔侯デモンド、実は彼もまた海皇ハメネスと同じく現実世界からの転生者であった!
「まさかこの儂以外にも現実世界からの転生者がいたとは……」
デモンドが口にした言葉――電甲戦隊アームブレイザー。光銃戦隊ライレンジャーの次の年度に放送された戦隊シリーズで、このアームブレイザー放送中に戦隊シリーズは金曜夕方から現在の日曜朝へと放送時間枠を異動させることとなる。
海皇ハメネスこと三田村次郎(仮名)と同様に、デモンドもまた現実世界では特撮ヒロインマニアであったが、ブラック企業に社畜として扱き使われた挙句に過労死してこちらの世界に転生して来たらしい。
「琴川玲奈をこちらに引き渡してもらおう」
「ダメだ。玲奈ちゃんは渡さんぞ。お前もDIDの趣味の持ち主なら、何もここで喧嘩せずとも仲良く玲奈ちゃんの拘束された姿を鑑賞すればよいではないか?」
「俺がいつDIDの趣味を持っていると言った? 俺の趣味はヒロインピンチ……すなわち変身スーツを着たままのヒロインをいたぶる凌辱リョナだ!」
「な、なんだとォォッッ!!」
デモンドの恐るべき発言に驚愕するハメネス。どうやらデモンドは大人しか見てはいけないようなビデオの内容的なプレイをやるつもりらしい。その種のビデオでよく見られる、変身スーツを装着したままのヒロインが拷問や触手などで○○○な動画を鑑賞するのがデモンドの持つ性癖らしい。
「…いや、儂そういうのに興味ないし💦、第一貴様、それは越えてはいけない一線だ! 由緒ある歴史を誇る戦隊シリーズ作品を、正しいよい子のみんなが見れなくなってしまうではないか!? 日本が誇る特撮ヒーロー番組を汚すことなど、特オタの一人として断じて許さんぞ!」
「じゃかぁ~しぃッッ!! いいから早く玲奈寄越せ!! さもないとお前の正体が異世界人の変態オタクだとお前の部下たちにバラすぜ」( ̄ー ̄)ニヤリ
「どうぞご自由に。確かに儂は前世の記憶を持ったまま転生して来た異世界人だが、同時にオリジナルのハメネスの知識と人格をも引き継いでいる、歴とした紛うことなき本物の海皇ハメネスその人なのだ! 仮に部下たちが儂の本性にドン引きして反旗を翻してきたとしても、余裕でまとめて返り討ちにしてやるわ! ライレンジャーの第46話で儂にボコボコにされた貴様のようにな!」
確かに光銃戦隊ライレンジャーの第46話『深海帝国の反乱』において、ついに獣魔侯デモンドは海皇ハメネスに対して反旗を翻すのだが、ハメネスの圧倒的戦闘力の前にクーデターは失敗。デモンドは敗退のうえ無残に始末されている。
「甘いぜハメネス、これでも食らいな!!」
デモンドはボウガンを取り出し、背後に回ってミスリル製の矢を発射、ハメネスの右足の踵に命中させた。
「ぐぉ…グォォォォォッッ!!!!!!」
激痛に耐えられずのた打ち回るハメネス。
「そうか…貴様ァァッッ、さてはライレンジャーの最終回を見ていたな!?」
「ハハハ…ご明察の通りさ。海皇ハメネス――すなわちお前の弱点は右足の踵。最終回のラスボス戦でライレッドが渾身のレーザービームをそこに打ち込んで、ライレンジャーはラスボスである貴様に奇跡の逆転勝利をすることが出来た。当時ライレンジャーを最終回まで見ていた特撮オタクなら、海皇ハメネスの弱点なんざ常識中の常識だww」
「お、おのれ~!!」
「今のうちに愛しの玲奈ちゃんはいただくぜ。アバよ!」
「待て! 待たんか! であえ~!であえ~!曲者だァァッッ!!」
「デモンドとライピンクを逃がすな~!!」
「追え~!!」
デスパイザー前線基地内を捕虜脱走の警報音が鳴り響く中、ハメネスの動きを封じた隙にデモンドは牢屋から連れ出すことに成功した玲奈を脱出ポットの中に放り込んだ!
「んんーっ!?💦」
「少々狭いだろうが、暫くの間だけ大人しくしてろよ!」
「んんっ……(どうしてデモンドが私を…!? もしかして仲間割れなの!?)」
こうしてライピンクこと琴川玲奈の身柄は、まんまと獣魔侯デモンドの手に落ちたのだった。
停戦交渉
獣魔侯デモンドと琴川玲奈が一緒に姿を消した翌日、深海帝国デスパイザーの海皇ハメネスは熟慮の末に、光銃戦隊ライレンジャーを所管する国際海洋機構(United Ocean Organization 略称はUOO、ユー・ダブル・オー)日本支部の都築清四郎博士との極秘のホットライン会談に臨んだ。この温厚そうな老紳士の都築博士こそがライレンジャーの長官でもあるのだ!
「……という訳で事は急を要し一刻を争うのだ。儂も敵とはいえ好敵手の女戦士が謂れのない辱めを受けるのは忍びない。そこで都築博士よ、ここは共通の敵であるデモンドを倒して琴川玲奈を救出するまで一時休戦して共闘といかんか?」
「うん、いいよ♪」(^^)
あっさり快諾の返事を得られて拍子抜けするハメネス。てっきり「元はと言えばお前たちが玲奈を誘拐したりするからだろうが!」と嫌味の一つや二つくらい言われるかと思ったのだが……。
「その代わり条件がある」
「フフフッ…やはりな。我が腹心たる宰将ギルーザをして油断のならぬ古狸と言わしめたお前のことだ。何かあるとは思っていたよ。いいだろう。そちらの条件を聞いてやる!」
「うちの若いもんでライブルーこと織市奏陽君のことは当然知っているな?」
「うむ…」
「彼をそちらで誘拐監禁して人質にしてくれんか?」
「ハァ!?」(*´Д`)
都築博士のあまりに突拍子のない発言に、ハメネスは驚愕した。
「…すまん。よく聞こえなかった。もう一度言ってくれんか?」
「だ~か~らぁ~! うちの奏陽君をそちらで攫って縛って監禁してくれって言ってるの!」
「貴様どういうつもりだ? 我々に同盟の証しとして人質でも差し出そうというのか?」
「まあその意味合いもあるけどね。実は僕はね、この世界の出来事が子供向けテレビドラマとして放送されている異世界からやって来た転生者なんだよ」
「お前もかよ!?💦」
何の前触れもない、いきなりの都築博士の爆弾発言に仰天するハメネス。
「Guys in Distressって言葉を知ってるかな? 実は僕は前世の頃から美少年拘束フェチでね。前世の世界でも女性ファンから特に人気のあったイケメンの奏陽君が猿轡されて縛られる姿を一度でも見て、この目に焼き付けておきたかったんだよ」
「つまり何か? お前は自分の性癖と自己満足のために大事な部下を敵に売ろうというのか? 見下げ果てた奴め。貴様それでも正義のヒーローの司令官か!?」
「世界征服そっちのけで玲奈君の誘拐に地道を上げたお前に言われたくはない」
「え~い! 黙れッ!! ともかくその提案は断る! 悪いが儂は野郎が縛られてるのを見て楽しむ趣味はないのだ。他を当たってくれ」
「いいのかなぁ~そんなこと言って? こうしている間にも現実世界で毎週の放送を楽しみにしている日本全国の子供たちのとって憧れのお姉さんであるライピンクは、大人の汚い欲望によって汚され……」
「うっ……💦」
海皇ハメネスこと三田村次郎(仮名)は、DIDマニアである前に特撮ファンである。「特撮ファンは紳士たれ!」というのが前世からの彼の持つ矜持なのだ。
一、特撮ヒーロー番組は、アニメと並ぶ日本の宝である!
一、特撮ヒーロー番組は、大人のオタクたちの物である前に、よい子の子供たちの物である!
一、特撮オタクは、特撮に関わる俳優さんや全スタッフのプライベートを尊重しなければならない!
これらの掟を破ることは、名もない一特撮オタクであった三田村次郎(仮名)の良心が咎めるのだ。もし戦隊ヒロインの貞操が作中において〇〇されるような事態にでもなれば、もう自分は特撮ヒーロー番組に対して顔を向けることが出来ない。
「…わ、分かった。そちらの要求を全面的に呑もう」
「フフフッ…同盟締結だな」( ̄ー ̄)ニヤリ
こうして前代未聞、戦隊ヒーローと悪の組織が一時的にとはいえ同盟を結ぶことになった。
つづく。
コメント
DIDどころかG〇G〇の作品世界を彷彿とさせるヒロイン凌辱愛好者とは…。これまたとんでもないキャラですねえ。
そして、ライレンジャー長官の都築博士もまたGID愛好者の転生者。カオスここに極まれりといったところでしょうか。健全な(笑)DID、GID趣味を持つ者同士が手を組んで獣魔侯デモンドのグへへな趣味の魔の手から玲奈ちゃんを救出するべく立ち上がる。シュールでもあり胸熱な構図になりましたね。この勝負の行方がどうなるのか、見守っていきたいと思います。
> DIDどころかG〇G〇の作品世界を彷彿とさせるヒロイン凌辱愛好者とは…。
G〇G〇とかZ〇Nピクチャーズとかの作品は、管理人もたまーに検索して探したりするんですが、DID好きな人向けの作品は少ない印象です。全身変身スーツ姿のヒロインの拷問なんか見せられても、管理人は全く食指は動きません。出てくる女優さんは(演技は棒でも)美人で可愛い人が多いんですけどね。
まさか凌辱リョナという言葉をこのサイトで聞くとは思わなかった…
三田村次郎と同じく転生してきた「獣魔侯デモンド」、同志と思われた男がまさかの外道…玲奈ちゃんを日曜朝には放送出来ないようなエロ同人誌のようなことをしようと考えていた、このままでは玲奈ちゃんの貞操が…
だがここは絶大な力を持つ海皇ハメネス能力をそのまま引き継いでいる三田村氏、たかがアウトローの一匹始末するなんて…
海皇ハメネス「踵に矢を受けてしまってな…」
ライレンジャーの最終回をがっつり見てた獣魔侯デモンドに奇襲攻撃を受け、弱点を突かれあっさり敗北を期す海皇ハメネスこと三田村氏、転生してこんな痛い思いするとか悲惨すぎる…
挙句玲奈ちゃんを奪われ獣魔侯デモンドにあっさりとんずらされてしまうし、このままでは良くて18禁、悪くてGがついてしまうじゃないか、それだけは嫌だ!
ここは敵の敵は味方、恥を殴り捨て宿敵、国際海洋機構日本支部の都築清四郎博士に協力を求めると…あっさり了承…まさか…
こいつもか…3人目の転生者現る…そして今度は…GID愛好者か…
協力の条件が仲間の奏陽を誘拐して猿轡を噛まし縛り上げることで、その条件を飲まないと玲奈ちゃんがぐへへ展開になっちゃっても良いと…駄目だこいつも外道だ…
健全な特撮ヒーローモノの裏で、不健全な大人どもの、ど汚い駆け引き…
とてもじゃないが見せられないよ
http://blog-imgs-44-origin.fc2.com/j/o/h/johnlenoso/miserarenaiyo.jpg
まったく相容れない2人の転生者、しかしこのままでは玲奈ちゃんの身が本当にピンチ、果たして呉越同舟同盟は成立するのか、いやはやカオスな転生者同士の戦いはどうゆう結末を迎えるのか気になりますね~
> 健全な特撮ヒーローモノの裏で、不健全な大人どもの、ど汚い駆け引き…
メイン視聴者層の子供たちを完全に置いてけぼりにしたこの展開、書いてて何だかDIDよりもギャグに寄り過ぎているような感じも実はしていますが、最後はどんなオチに持って行こうか考え中です。
デモンズとハメネス・・・悪の同盟成立・・・
お二人の嗜好を足して二で割ったものが我が大首領JUDOの嗜好といったところでしょうか?w
凌辱リョナ・・・ある意味DIDやGIDの先に求めてしまったりする究極の嗜好なんですが、命を奪う寸前で止めるのが、大首領JUDOのポリシーだったりするという噂も・・・( ̄▽ ̄)
> デモンズとハメネス・・・悪の同盟成立・・・
いえ、同盟成立してませんよ!💦 決裂してますから!💦
手を組んだのはライレンジャーの方です(;^_^A アセアセ・・・
> お二人の嗜好を足して二で割ったものが我が大首領JUDOの嗜好といったところでしょうか?w
やはり我がおかめ党では、大首領JUDO殿の嗜好をよしとすることはできません。
おかめ党の考える(そして目指す)DID・GID・CIDとは「ゴールデンタイムでよい子も安心して見られる」シチュエーションのことなのです。
凌辱リョナなどというものは、少なくともおかめ党ではDIDとは全くの別物と考えており、忌み嫌うべき存在、共存不可能、不倶戴天の敵とまで言い切ってしまっていいもの、決してあってはならぬものなのです。
やはりおかめ党とJUDO軍は「同盟」よりも「敵同士として対決」の方が似合っていると思います。
不快な思いをさせてしまったとしたら、大変申し訳ございません。
おかめ党とJUDO軍が敵対関係にあれど、今後ともお互いのブログを通した交流は続けさせていただきたい所存でございます。
重ね重ね申し訳ありませんでした。
えっ!?
何も不快な思いなんか全然していませんよ。
確かに管理人は凌辱リョナは嫌いですし、我がおかめ党と大首領JUDO軍団とは目指す方向性が違うように見受けられましたので「同盟」は組めないとは申し上げましたが、JUDO様のブログの内容にまで直接批判をしたつもりまではございませんでした。誤解させるような言い回しがあったとしましたら、こちらこそお詫び申し上げますm(_ _)m