霧崎麗香誘拐事件

本日は一話限りの短編です。

霧崎麗香、拉致される。

「どうしよう…。すっかり遅くなっちゃった…。急いで帰らなきゃ！」

その日、大学からの帰りが遅くなった霧崎麗香は自宅への帰路を急いでいたが、背後から何者かの尾行の気配を感じ取った。怖くなった麗香は徐々に歩くスピードを速めて段々と走り出した。しばらく走ったところで足を止め、慎重に後ろを振り返る。

「…なんだ、誰もいないじゃない。やっぱり私の勘違いか…。最近疲れてるのかな？」

だが突然、麗香の目の前に一台の黒塗りの乗用車が停まり、中から二人組の黒ずくめの男が飛び出して来た。

「…な、なに！？💦 何なのッ！？💦 や、やめて…んむぐぐーっ！！」

男たちは麗香の口元を押さえ、羽交い絞めにして強引に彼女を車の後部座席の中に引きずり込むと、車は急発進してどこかへと走り去って行ってしまった。

脅迫

その日の内に霧崎邸に「娘は預かった」との脅迫電話が掛けられて来た。犯人の目的は金ではなく、麗香の父が院長を務める霧崎総合病院がこれまでノウハウを蓄積して来たレギウスの医療用生体データだ。

「んっ、んんっ…!!」

麗香は犯人たちのアジトで、ロープではなく固く冷たい金属製の鎖と手錠で厳重に拘束されていた。縄で縛った程度では、レギウスに変身されて簡単に縄を引き千切られて逃げられると警戒しているのだろう（つまり犯人は、麗香がイーグレットレギウスだということを知っている…？）。犯罪者ではあるが一般の人間が今も抱く、レギウスに対する偏見と差別、そして恐れの深さが垣間見える。

「お前の親父は取引に応じるとさ！」
「姉ちゃんよぉ、綺麗な身体のままで帰りたかったら、もうしばらくそこで大人しくしてるんだぞ」

「………（私のせいで、お父様の研究が悪い奴らの手に…）」

とはいえ、拘束されていてはどうすることも出来ず、彼女は悲嘆にくれるばかりであった。

「………（千秋、ブレイバーズのみんな！ 早く助けに来て！！）」

取引

麗香の父からレギウス研究データの納められたアタッシュケースを託され、取引の場所として犯人側から指定された廃墟跡地へと向かう獅場俊一、稲垣千秋、寺瀬詩郎の3人。

「約束のブツは持って来ただろうな？」

「お前たちの欲しい物なら、このケースの中だ！」
「それより麗香はどこ！？ 麗香を返して！！」

「フフフッ…あれを見な！」

犯人の指し示した方向には、石柱に鎖で縛り付けられた霧崎麗香の姿があった！

「んんーっ！！ んんーっ！！」

「麗香！ 待ってて！ いま助けるから！！」

「よぉーし、それじゃあそのアタッシュケースを持って、一人でゆっくりとこちらに歩いて来い！」
「くれぐれもおかしな真似はするなよ？」

まずは俊一がアタッシュケースを持って、一人でゆっくりと慎重に麗香と犯人のいる側へと近づいて行く。だがその時異変が起きた！　別の何者かの集団が突然ここを襲撃して来たのだ。たちまち現場は俊一たち、麗香を誘拐した犯人一味、謎の武装集団による三つ巴の銃撃戦の様相を呈する。

「おい！ コイツはいったい何の真似だ！？💦」

「こっちが聞きたいよ！！💦」

乱入して来た正体不明の武装集団の正体は、香港マフィア『竜門会』の戦闘部隊『騰蛇』だ。どこから情報を入手したのかは不明だが、この機に乗じて霧崎総合病院のレギウス生体研究データを横取りしに現れたのだ。

果たして俊一たちはこの混乱と窮地を切り抜け、無事に麗香を救うことが出来るのか！？

この先は皆様のご想像にお任せします(^^♪

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