誘拐された高嶺ひかるを救うため、シブルリックオーダーの瀬尾梨帆は戦略諜報参謀ビオベミラと一対一の最後の対決に臨む。
※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
翠の刃、決意の一閃
夜の山奥、廃棄された通信施設跡地。
誘拐犯の要求通り、瀬尾梨帆はただ一人、その敷地へと足を踏み入れた。
足元には砕けたガラスと錆びた鉄骨。静寂を切り裂くように、どこかでカラスが鳴く。
「来たわね、瀬尾梨帆――」
暗がりの中、聞き慣れた毒のある声が響いた。
姿を現したのは、黒と紫を基調としたバイオスーツをまとった女――ビオベミラ。

その腕には、拘束具で縛られた高嶺ひかる。意識はあるようだが、身動きは取れない。
「んっ、んんっ…!!💦」
「高嶺さん……!」
梨帆は奥歯を噛みしめ、スーツの装甲を駆動させた。
翠蘭(スイラン)――深緑に輝く流線型のハイテクオリハルコンスーツが、静かに空気を切る。
背中にマウントされた長槍型のロングスピア、腰のホルスターにはブラスター銃。
「ビオベミラ、こんなことをしても、あなたの目的は果たせないわ!」
「口だけは達者ね……でも、今度はそう簡単に逃がしてやらない。ここで、あんたを葬る!」
ひかるを後方に突き飛ばすと同時に、ビオベミラが飛びかかってくる!
梨帆は即座にブラスターを引き抜き、数発を放つが――
「フッ!」
ビオベミラは手元から投げつけたスモークカプセルで視界を封じ、横合いから奇襲を仕掛けてきた。
「くっ……!」
装甲に浅い切り傷。回避は間に合ったが、姿勢が崩れる。
「それで終わり? じゃ、これはどうかしら!」
続けざまに放たれるのは、足元に仕込まれた小型EMP地雷。スイランのセンサーが一瞬バグを起こす。
「セコいっ……!」
梨帆は即座にスピアを引き抜き、半回転の勢いで半径数メートルを一掃するスイープ攻撃。
煙を晴らしながら、体勢を立て直す。
その瞬間――!
「今だ、敦!」
「了解!」
敦がひかるの拘束を外し、心翔がビオベミラの死角にスモークを展開。
まさに秒単位の連携だった。
「人質は確保! 梨帆、全力でやっちまえ!」
「任せて!」
全ての制約が外れた。梨帆は深く息を吸い、スピアを水平に構える。
「ビオベミラ……あんたは絶対に、ここで止める!」
「ほざけッ!」
二人の距離が一気に詰まる。
ビオベミラは手に装備したクロー状のブレードで連撃を仕掛けてくる。
――が、梨帆はそれを受け流し、かわし、ついに隙を捉えた。
「はああぁっっ!!」
翠蘭のパワーアシストが最大出力に。
渾身の回転突きが、ビオベミラの胴を大きく貫いた。
衝撃でビオベミラが吹き飛ばされ、地面を転がる。スーツの一部が破損し、火花を散らす。
「がっ……がはっ……! く、くそッ……!」
「高嶺さんを巻き込んだこと、絶対に許さない……!」
梨帆は静かにロングスピアを下ろし、息を整えながら敵を見下ろす。

「…お、おのれぇ……このままで終わる私ではない! いつか必ず蘇り、お前たちを地獄に引きずり込んでやるぅっ!! 妖魔結社ザイザム…バ…バンァァ~~ザイッッ!!!!!!」
ビオベミラは、地に伏して倒れると、木っ端みじんに爆発したのだった。これまで長らくシブルリックオーダーを苦しめ続けて来た妖魔結社ザイザムの戦略諜報参謀の最期だ。
やがて、心翔と敦がひかるを伴って戻ってくる。
「無事だ、梨帆。ひかるさんも軽傷だけで済んだ」
「ありがとう、二人とも……!」
梨帆は肩の力を抜いた。
そして、ひかるの顔を見た瞬間、今まで張り詰めていた気持ちが一気に緩む。
「ごめんね、高嶺さん……怖い思い、させちゃった」
「……助けてくれてありがとうございます。ところで、あなたたちはいったい……?」
ひかるの瞳には、混乱と恐怖、そして小さな感謝と敬意が混じっていた。
――夜が明けかけていた。
深緑の装甲に朝露が落ちる中、梨帆は静かに空を見上げた。
(この戦いは、まだ終わらない……でも――)
「私は、もう迷わない。誰かを守るためなら、何度でも立ち向かう!」
その決意を胸に、翠蘭の装甲が再び静かに駆動音を鳴らした。
黒き密約、二つの野望
場所は特定されていない。いや――特定させないように設えられた、無機質な密談室だった。
窓もなく、壁は黒曜石のように漆黒で、空気は張り詰めた静寂に満ちている。
中央に設えられた重厚な円卓。その片側に、漆黒の甲冑に身を包んだ男が腰掛けていた。
仮面は鉄でできた獣の頭蓋のごとく、眼光の代わりに赤いセンサーが怪しく光っている。
――ネオブラックマフィア 総統 デスクローン。
対するもう一人の男。紫銀の軍服、妖気を帯びた軍靴がゆっくりと床を踏みしめ、円卓の反対側へと進み出る。
――妖魔結社ザイザム 大幹部 ルディウス大元帥。
ルディウスは仮面の下で冷笑を浮かべながら、ゆっくりと一礼した。
「……万事、抜かりございません。デスクローン総統閣下」
デスクローンは無言のまま、機械仕掛けの指で卓上の杯を弄びながら、その様子を見下ろす。
「……ビオベミラも、他の連中も。貴殿が我が影の同盟者であるなどとは、夢にも思いますまい」
「うむ、それで良い。奴らにはせいぜい、勝手に争い、勝手に滅びてもらえばよい」
デスクローンの声は、無機質なエコーと共に響く。
「ザイザムなど、元より駒に過ぎん。妖魔などという不安定な存在は、この地球を制す器ではない。フフフフフ……」
仮面の奥で、嗤う。
「その通り」
ルディウスも不敵に笑い、懐から一枚の古びた羊皮紙と筆を取り出した。
「つきましては――念のため、閣下に一筆、頂きたく」
「……ふむ?」
「いやなに。私も忠義者ではありますが、万が一の切り捨てに備えるくらいの用心深さはございますゆえ。私まで捨て駒にされないための…」
数秒の沈黙の後、デスクローンは哄笑した。
「ハッハッハッ……! 小癪な。だが、その狡猾さが貴様の価値よ、ルディウス。よかろう」
そう言って、デスクローンは卓上の筆を取った。
金属の指が羊皮紙を押さえつけ、鋭利な文字が刻まれていく。
《保証書》
ネオブラックマフィア総統・デスクローンは、ザイザム大元帥ルディウスとの同盟を認め、功績ある限り処分を加えぬものとする。
背く場合を除き、その身に危害を加えることなし。
署名:デスクローン
ルディウスは念書を受け取り、片膝をついて恭しく胸に抱き寄せた。
「ありがたき幸甚にございます。……これで安心して動けましょう」
「裏切るなよ、ルディウス」
「恐れながら、私とて身の安全が保証されていれば、無用な裏切りなどいたしませぬ。むしろ、貴殿の野望のために、心より尽力致しましょうぞ」
その目は、まるで本心を読ませぬ深い淵のようだった。
デスクローンの側近たちが一瞬、視線を交わす。
(果たして――この男を完全に信用してよいものか?)
しかし、デスクローンはあえて黙っていた。
信頼など元よりいらぬ。使い潰す価値があれば、それでよい。
この日、闇に包まれた空間で、さらなる陰謀の歯車が静かに噛み合った。
――妖魔結社ザイザム、ネオブラックマフィア。
その背後に渦巻く「黒の連携」は、まだ誰にも知られていない。
完
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