名探偵・武智恭介の謎の失踪に始まり、悪の組織ベラドンナの狩人・紅虎に誘拐されていた雨宮梨奈は、偶然監禁場所の近くを通りかかった小学生の朝霧尋紀に助けられるが、仲間のイサム=ルワン=ラーティラマートに化けた演劇部によって再捕獲されてしまった。
そして梨奈たちの行方を探していた相馬晴彦と不破詩織は、小屋の中に仕掛けられた時限爆弾の罠にかかり…!?
侵入された武智探偵事務所
尋紀を人質にする形で梨奈を脅し、まんまと武智探偵事務所の中へと足を踏み入れた紅虎とブラザーズ。一般の訪問客(依頼人)を応接するスペースまでは誰でも入れるが、問題は所員しか出入りできないオフィスルーム。梨奈の網膜認証と指紋認証、そして彼女の知る暗証番号をパスしてようやく中に入ることが出来た。オフィスのデスクに設置されたパソコンの中には、これまで名探偵・武智恭介が解決に導いてきた数々の犯罪事件に関わる極秘データが収められている筈。まさに犯罪組織ベラドンナにとっては垂涎の代物だ。
「んんっ!んんっ!!」
紅虎たちは、ここまで案内させた梨奈を逃げられないように再び縛り上げて猿轡を噛ませると、目の前のパソコンの電源を立ち上げていじり始めたのだが……。
「くそっ! どう頑張ってもここから先のセキュリティが突破できねぇッ!!」
「どうしたの?」
「ダメです紅虎さん! パスワードが分からないことには、ここから先に進めません!」
「何ですって!?」
話を聞いた紅虎は、梨奈の猿轡を外して彼女に問い質す。
「答えなさい! あのパソコンのパスワードは?」
「知らないわ。事務所のITデータは詩織が全部一括で管理しているの。伯父様か詩織じゃないとパスワードは分からないわ」( ̄ー ̄)ニヤリ
「…な、何ですって!?💦」
最初は「ざまぁみろ」と言いたげに勝ち誇っていた梨奈だったが、「詩織でなければパソコン内部のセキュリティは解除できない」と言った途端に明らかに動揺した紅虎の様子を訝しむ。そして梨奈の脳裏には一つのイヤな予感が浮かんだ。もしや詩織の身に何かあったのだろうか…!?
「………(ま、マズイわねぇ…。あの眼鏡のおさげ娘は小屋ごと爆弾で吹き飛ばしちゃったし💦)」
「…まさかあなた達、詩織に何かしたの!? 詩織は今どうしてるの!?」
「う、うるさいわねぇ~!! 少し静かにしてなさいッ!!」
「な、何すんのよ!? う、んぐぅぅーッッ!!」
紅虎は慌てて梨奈の口に再び猿轡を噛ませると、すぐさま落ち着きを取り戻してブラザーズにこう指示した。
「こうなったらハードディスクだけ取り外して持ち帰るわ! うちの組織の解析班なら、一介の探偵事務所のパソコンのセキュリティを解除するなんてお茶の子さいさいの筈よ!」
引き上げ
「んんーっ!! んんむむーっ!!」
「コラッ、頼むからこの期に及んでジタバタすんなよッ!!💢」
「紅虎さん、積み込み終わりました」
「よしっ、それじゃあ出発よ! アジトに戻るわ♪」
縛られている梨奈を事務所のパソコンから取り外した外付けハードディスクごと車のトランクに押し込むと、紅虎たちは意気揚々とアジトへと引き上げて行った。学生探偵たち最大のピンチに、未だ姿を現さない武智探偵。果たして梨奈たちの運命は!?
つづく。
コメント
名探偵・武智恭介が解決に導いてきた数々の犯罪事件に関わる極秘データが収められているパソコン、そりゃ厳重なセキュリティが施されてますよね~
武智探偵社まで侵入したまでは良かったが…データが収められているパソコンのパスワードが解らない…途方にくれる紅虎達に、調子にのってニヤリ顔まで見せる梨奈ちゃんだったが…データ管理しているのが詩織ちゃんだと知った紅虎の表情が曇ったのを見て何やら嫌な予感が…
探偵社のメンバー全員に危険が及んでることに気づくべきですね梨奈ちゃん、まあ詩織ちゃんには生存フラグが立ってますから大丈夫でしょうが…
とりあえず強硬手段でパソコンのハードごと持ち去る紅虎と愉快な兄弟達、そして一緒に連れて行かれる梨奈ちゃん、
今回は椅子縛りから車のトランク監禁まで、梨奈ちゃんの捕らわれ姿が見れて眼福でしたね!
そう言えば…ガキども…イサムくんと尋紀くんの姿が見えませんが…どこかで捨てられたのかな…?
> そう言えば…ガキども…イサムくんと尋紀くんの姿が見えませんが…どこかで捨てられたのかな…?
イサムと尋紀くんは梨奈に言うことを聞かせるための大事な人質ですから、そう簡単にどこかに捨てたりはしません(;^_^A アセアセ・・・
おそらくベラドンナのアジトに監禁されているのでしょう。